Ubuntuで簡単!スクショの撮り方・保存方法を解説

はい、承知いたしました。Ubuntuにおけるスクリーンショットの撮影・保存方法について、詳細な説明を含む約5000語の記事を作成します。


Ubuntuで簡単!スクショの撮り方・保存方法を徹底解説【初心者から上級者まで対応】

Ubuntuを使っている皆さん、作業中に画面の状態を記録したり、誰かに見せたりしたいと思ったことはありませんか?そんなときに役立つのが「スクリーンショット(スクショ)」です。エラーメッセージを開発者に伝えたいとき、ソフトウェアの使い方を誰かに説明したいとき、面白いものを見つけたときにシェアしたいときなど、スクリーンショットは非常に多くの場面で役立ちます。

WindowsやmacOSと同様に、Ubuntuでもスクリーンショットを撮るのはとても簡単です。しかし、「簡単」と言っても、実はいくつかの異なる方法があり、それぞれに特徴や便利な使い方があります。また、撮ったスクリーンショットがどこに保存されるのか、ファイル名はどのように決まるのかといった疑問を持つ方もいるでしょう。

この記事では、Ubuntuでのスクリーンショット撮影・保存に関するあらゆる側面を、初心者の方でも理解できるように丁寧に解説します。基本的なキーボードショートカットから、GUIツール、さらに高度なコマンドラインツールを使った方法、便利な追加ツール、そして保存に関する詳細まで、この一記事でUbuntuのスクリーンショットを完全にマスターできます。

さあ、Ubuntuでの作業効率を格段に向上させる、スクリーンショットの世界へ飛び込みましょう!

1. なぜスクリーンショットが必要なのか? その多様な活用シーン

具体的な撮影方法に入る前に、なぜスクリーンショットが重要なのか、どのような場面で役に立つのかを改めて考えてみましょう。これを理解しておくと、目的に応じた最適な撮影方法を選ぶ際に役立ちます。

  • 問題やエラーの報告: アプリケーションがクラッシュしたとき、予期しないエラーメッセージが表示されたとき、画面の状態をそのまま記録して開発者やサポートに伝えるのは、問題解決の第一歩です。テキストだけでは伝わりにくい状況も、スクリーンショットがあれば一目瞭然です。
  • 手順や操作方法の説明: ソフトウェアのインストール方法、特定の機能の使い方、ウェブサイトの操作方法などを他の人に教える際、画面のステップごとにスクリーンショットを添えると、説明が格段に分かりやすくなります。チュートリアル記事やマニュアル作成には欠かせません。
  • 情報の記録・保存: ウェブサイトの一部、重要な設定画面、チャットの履歴、オンラインミーティングの内容など、後で見返したい情報を手軽に「写真」として残すことができます。テキストでコピペできない情報も、スクリーンショットならまるごと保存できます。
  • デザインやレイアウトの共有: ウェブデザイナーやUI/UXデザイナーが、作成中のデザインやレイアウトをチームメンバーやクライアントと共有する際に使います。
  • 証拠としての記録: オンラインでの取引履歴、特定の情報の表示状態などを記録しておきたい場合に、スクリーンショットが証拠となり得ます。
  • 単なる共有や楽しみ: 面白い画像、ゲーム中のハイライトシーンなどを友人やSNSで共有する際にも頻繁に使われます。

このように、スクリーンショットは様々な目的で利用される非常に汎用性の高い機能です。Ubuntuではこれらの用途に応じた多様な撮影方法が用意されています。

2. 最も手軽!キーボードショートカットを使った撮影方法

まずは、Ubuntuで最も手軽かつ頻繁に使われるキーボードショートカットを使った方法から解説します。これらのショートカットは、特別なアプリケーションを開く必要がなく、キーを押すだけで即座にスクリーンショットを撮れるため、非常に便利です。

使用するキーは主に以下の3つです。

  • Print Screen キー (PrtScPrint ScrnPrtSC SysRq などと表記されることが多い)
  • Shift キー
  • Alt キー
  • Ctrl キー

これらのキーを組み合わせることで、撮影範囲や撮影後の動作(クリップボードへのコピーか、ファイルへの保存か)を選ぶことができます。

2.1. Print Screen キーだけを押す:画面全体をクリップボードにコピー

これは最も基本的なショートカットです。

  • 操作: Print Screen キーを単独で押します。
  • 結果: 画面全体(開いている全てのウィンドウ、タスクバー、デスクトップ背景などを含む)が撮影され、その画像データがクリップボードにコピーされます。
  • 保存: この操作だけではファイルとして自動保存されません。 撮影した画像を使うには、画像編集ソフト(例: GIMP, Pinta)、文書作成ソフト(例: LibreOffice Writer, GNOME Text Editor)、メールソフトなど、画像を貼り付けられるアプリケーションを開き、「貼り付け」(Ctrl + V)の操作を行う必要があります。
  • 利点: すぐに他のアプリケーションに貼り付けて利用したい場合に最も素早く対応できます。一時的に画面の状態を共有したいチャットなどで便利です。

【クリップボードとは?】
クリップボードは、コンピュータ上で一時的にデータを保存しておくための領域です。「コピー」や「切り取り」をしたデータは一度ここに置かれ、「貼り付け」の操作で別の場所に移動させることができます。Print Screenキー単独の場合は、画像データがこのクリップボードに格納されます。

2.2. Shift + Print Screen キーを押す:範囲指定して画面をファイルに保存

特定の範囲だけを撮影したい場合に便利なショートカットです。

  • 操作: Shift キーを押しながら Print Screen キーを押します。
  • 結果: マウスポインターが十字の形に変化します。撮影したい範囲の左上隅でマウスボタンを押し、そのまま右下隅までドラッグしてマウスボタンを離します。指定した範囲の画面が撮影され、ファイルとして自動保存されます。
  • 保存場所: デフォルトでは、ユーザーのホームディレクトリ内の「画像」フォルダ(英語環境の場合は Pictures)に保存されます。
  • ファイル名: ファイル名は通常、Screenshot from YYYY-MM-DD HH-MM-SS.png のような形式になります(例: Screenshot from 2023-10-27 10-30-15.png)。撮影日時がファイル名に含まれるため、後から探しやすくなっています。
  • ファイル形式: デフォルトではPNG形式で保存されます。PNGは画像を劣化させずに保存できるため、文字や図が多いスクリーンショットに適しています。
  • 利点: 必要な部分だけを正確に切り取って保存できます。ファイルとしてすぐに保存されるため、後からまとめて確認したり、複数のスクリーンショットを撮ったりするのに便利です。

2.3. Alt + Print Screen キーを押す:アクティブウィンドウをクリップボードにコピー

現在操作している特定のウィンドウだけを撮影したい場合に便利です。

  • 操作: Alt キーを押しながら Print Screen キーを押します。
  • 結果: 現在操作しているアクティブウィンドウ(タイトルバーがハイライトされているウィンドウ)のみが撮影され、その画像データがクリップボードにコピーされます。ウィンドウの境界線や影なども含まれることがあります(これはシステム設定によります)。デスクトップ背景や他のウィンドウは含まれません。
  • 保存: ファイルとしては自動保存されません。他のアプリケーションに「貼り付け」(Ctrl + V)て利用します。
  • 利点: 余計な部分を写さずに、特定のウィンドウの内容だけを共有したい場合に非常に便利です。画面全体を撮ってからトリミングする手間が省けます。

【アクティブウィンドウとは?】
アクティブウィンドウとは、現在キー入力やマウスクリックなどの操作を受け付けている、一番手前にあるウィンドウのことです。通常、そのウィンドウのタイトルバーや枠の色が他のウィンドウと異なってハイライト表示されています。

2.4. Ctrl + Print Screen キーを押す:画面全体をファイルに保存

Print Screen キー単独ではクリップボードにコピーされるだけでしたが、Ctrl キーを組み合わせることでファイル保存ができます。

  • 操作: Ctrl キーを押しながら Print Screen キーを押します。
  • 結果: 画面全体が撮影され、ファイルとして自動保存されます。
  • 保存場所: デフォルトでは「画像」フォルダ(~/Pictures)に保存されます。
  • ファイル名・形式: Screenshot from YYYY-MM-DD HH-MM-SS.png のような形式でPNGファイルとして保存されます。
  • 利点: 画面全体をすぐにファイルとして保存したい場合に便利です。クリップボードを経由しないため、他の貼り付け作業の邪魔になりません。

2.5. Ctrl + Shift + Print Screen キーを押す:範囲指定して画面をクリップボードにコピー

Shift + Print Screen は範囲選択してファイル保存でしたが、Ctrl を加えることでクリップボードコピーになります。

  • 操作: Ctrl キーと Shift キーを同時に押しながら Print Screen キーを押します。
  • 結果: マウスポインターが十字に変わり、範囲選択ができます。指定した範囲の画面が撮影され、その画像データがクリップボードにコピーされます。
  • 保存: ファイルとしては自動保存されません。他のアプリケーションに「貼り付け」(Ctrl + V)て利用します。
  • 利点: 必要な部分だけを切り取って、すぐに貼り付けたい場合に便利です。

2.6. Ctrl + Alt + Print Screen キーを押す:アクティブウィンドウをファイルに保存

Alt + Print Screen はアクティブウィンドウをクリップボードコピーでしたが、Ctrl を加えることでファイル保存になります。

  • 操作: Ctrl キーと Alt キーを同時に押しながら Print Screen キーを押します。
  • 結果: 現在操作しているアクティブウィンドウのみが撮影され、ファイルとして自動保存されます。
  • 保存場所: デフォルトでは「画像」フォルダ(~/Pictures)に保存されます。
  • ファイル名・形式: Screenshot from YYYY-MM-DD HH-MM-SS.png のような形式でPNGファイルとして保存されます。
  • 利点: 特定のウィンドウの内容だけを、すぐにファイルとして保存したい場合に便利です。

2.7. キーボードショートカット一覧表

これまでのショートカットを分かりやすく表にまとめます。

ショートカット 撮影範囲 保存先 動作
Print Screen 画面全体 クリップボード コピー
Shift + Print Screen 範囲指定 ファイル 撮影・保存
Alt + Print Screen アクティブ クリップボード コピー
Ctrl + Print Screen 画面全体 ファイル 撮影・保存
Ctrl + Shift + PrtSc 範囲指定 クリップボード 撮影・コピー
Ctrl + Alt + PrtSc アクティブ ファイル 撮影・保存

これらのショートカットを覚えておけば、多くの場面で素早くスクリーンショットを撮ることができます。最もよく使うのは Shift + Print Screen (範囲指定してファイル保存) や Print Screen (全体をクリップボードコピー) でしょう。

【注意点】
* ノートPCなどでは、Print Screen キーが別のキーと兼用になっており、使用するために Fn キーと一緒に押す必要がある場合があります(例: Fn + Print Screen)。お使いのキーボードを確認してください。
* 一部のアプリケーション(特にフルスクリーン表示のものやゲームなど)では、これらのショートカットが正常に機能しない場合があります。

3. GNOMEスクリーンショットツールを使う(GUIツール)

Ubuntuの標準デスクトップ環境であるGNOMEには、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で操作できるスクリーンショットツールが標準で搭載されています。このツールを使うと、ショートカットキーだけでは難しい詳細な設定(例えば、撮影までの「遅延時間」の設定)を行うことができます。

3.1. ツールの起動方法

GNOMEスクリーンショットツールを起動する方法はいくつかあります。

  • アクティビティ検索: 画面左上の「アクティビティ」をクリックするか、Super キー (Windowsキー) を押します。検索バーが表示されるので、「スクリーンショット」または「screenshot」と入力します。表示されたアイコンをクリックすると起動します。
  • アプリケーション一覧: ドックの一番下にあるグリッドアイコン(アプリケーションを表示)をクリックし、アプリケーション一覧から「スクリーンショット」を探して起動します。

3.2. ツールのインターフェースと機能

ツールを起動すると、シンプルなウィンドウが表示されます。主な設定項目は以下の通りです(Ubuntuのバージョンによって見た目は若干異なる場合があります)。

  • スクリーンショットの種類:

    • 画面全体を撮影: デスクトップ全体を撮影します。
    • 単一のウィンドウを撮影: マウスで選択した特定のウィンドウを撮影します。
    • 選択範囲を撮影: マウスでドラッグして指定した範囲を撮影します。
    • (古いバージョンでは「画面全体」、「ウィンドウ」、「領域」などの項目名かもしれません)
  • オプション (または効果):

    • 遅延 (秒): 撮影ボタンを押してから実際に撮影が実行されるまでの時間を設定できます(例: 3秒、5秒、10秒)。
    • ポインターを含める: マウスポインターをスクリーンショットに含めるかどうかを設定します。
    • ウィンドウの境界を含める: ウィンドウを撮影する際に、そのウィンドウの影や装飾を含めるかどうかを設定します。
  • 保存場所:

    • 撮影した画像を自動的にファイルとして保存するか、クリップボードにコピーするかを選択できます。
    • ファイルとして保存する場合の保存先フォルダを指定できます。

3.3. 各撮影種類の具体的な手順

GNOMEスクリーンショットツールを使って撮影する手順は、選択した種類によって異なります。

  • 画面全体を撮影する場合:

    1. ツールのウィンドウで「画面全体を撮影」を選択します。
    2. 必要に応じて、「遅延 (秒)」、「ポインターを含める」などのオプションを設定します。
    3. 「スクリーンショットを撮る」ボタンをクリックします。
    4. 遅延時間を設定した場合は、その時間だけ待機した後、撮影が実行されます。
    5. 撮影後、設定した保存場所(デフォルトは「画像」フォルダ)に自動的にファイルとして保存されるか、または保存ダイアログが表示されて保存場所とファイル名を指定するよう促されます。クリップボードにコピーを選択した場合はファイルは作成されません。
  • 単一のウィンドウを撮影する場合:

    1. ツールのウィンドウで「単一のウィンドウを撮影」を選択します。
    2. 必要に応じて、「遅延 (秒)」、「ウィンドウの境界を含める」、「ポインターを含める」などのオプションを設定します。
    3. 「スクリーンショットを撮る」ボタンをクリックします。
    4. マウスポインターが変化します。撮影したいウィンドウの上にポインターを移動させ、クリックします。
    5. 遅延時間を設定した場合は、クリックしてからその時間だけ待機した後、撮影が実行されます。
    6. 撮影後、設定した保存動作に従います。
  • 選択範囲を撮影する場合:

    1. ツールのウィンドウで「選択範囲を撮影」を選択します。
    2. 必要に応じて、「ポインターを含める」などのオプションを設定します。遅延は通常、範囲選択の操作自体に含まれるため、ここでは設定できないか、設定しても意味がない場合があります。
    3. 「スクリーンショットを撮る」ボタンをクリックします。
    4. マウスポインターが十字に変化します。撮影したい範囲の左上隅でマウスボタンを押し、そのまま右下隅までドラッグしてマウスボタンを離します。
    5. 撮影後、設定した保存動作に従います。

3.4. 遅延撮影の活用例

GNOMEツールを使う大きな利点の一つは「遅延」設定です。これは、すぐに撮影してしまうと消えてしまうような要素(例: ドロップダウンメニュー、右クリックメニュー、ツールチップなど)を含めて撮影したい場合に非常に役立ちます。

例: ドロップダウンメニューを開いた状態を撮る
1. GNOMEスクリーンショットツールを開き、「画面全体を撮影」または「単一のウィンドウを撮影」を選択します。
2. 「遅延 (秒)」を例えば5秒に設定します。
3. 「スクリーンショットを撮る」ボタンをクリックします。
4. ツールのウィンドウが隠れ、画面上で操作できるようになります。
5. 設定した遅延時間(5秒)以内に、撮影したいドロップダウンメニューを開きます。
6. 5秒経過すると、メニューが開いた状態の画面(またはウィンドウ)が撮影されます。

ショートカットキーだけでは、キーを押した瞬間に撮影されてしまうため、このように一時的に表示される要素を含めるのは難しいです。GNOMEツールを使えば、落ち着いて準備してから撮影を実行できます。

3.5. 保存場所とファイル形式

GNOMEスクリーンショットツールでファイル保存する場合、デフォルトの保存先は「画像」フォルダ(~/Pictures)です。ツール内で別のフォルダを指定することも可能です。

ファイル形式はデフォルトでPNGです。ツールによっては、JPEGなどの別の形式を選択できる場合もありますが、標準ツールではPNG固定の場合が多いです。

利点:
* GUIなので直感的に操作しやすい。
* 遅延撮影ができるため、ショートカットでは難しい場面も撮影可能。
* 保存設定をツール内で確認・変更できる。

欠点:
* ツールを起動する手間が必要(ショートカットの方が速い場合が多い)。
* 一部の詳細な設定(例: ファイル名の書式指定)はコマンドラインツールに比べて自由度が低い。

GNOMEスクリーンショットツールは、基本的な撮影に加えて、遅延撮影などの少し凝った撮影をしたい場合に非常に便利な標準装備のツールです。

4. コマンドラインツールを使う:より柔軟な撮影と自動化

Ubuntuの大きな強みの一つは、豊富なコマンドラインツールです。スクリーンショットに関しても、コマンドを実行することで撮影を行うことができます。コマンドラインツールを使うメリットは、より詳細なオプション指定が可能であること、そしてシェルスクリプトなどと組み合わせて自動化できることです。

ここでは、Ubuntuでよく使われる2つのコマンドラインスクリーンショットツールを紹介します。

  • gnome-screenshot: GNOMEデスクトップ環境の標準ツールをコマンドラインから操作するもの。
  • scrot: シンプルで軽量なスクリーンショットツール。

4.1. gnome-screenshot コマンド

GUIツールとして紹介した「GNOMEスクリーンショット」は、実は裏側で gnome-screenshot というコマンドを実行しています。このコマンドを直接使うことで、GUIツールと同等以上の機能を利用できます。

通常、GNOMEデスクトップ環境を使っている場合は、このコマンドは最初からインストールされています。ターミナル(端末)を開いて gnome-screenshot --version と入力して実行し、バージョン情報が表示されれば使用可能です。

基本的な使い方:

bash
gnome-screenshot

このコマンドを単独で実行すると、画面全体を撮影し、デフォルトの保存場所(通常は ~/Pictures)にファイルとして自動保存します。これは Ctrl + Print Screen ショートカットとほぼ同じ動作です。

よく使うオプション:

gnome-screenshot コマンドには様々なオプションがあり、撮影範囲や動作を細かく制御できます。

  • -w または --window: アクティブウィンドウを撮影します。
    • 例: gnome-screenshot -w (アクティブウィンドウをファイル保存)
  • -a または --area: マウスで選択した領域を撮影します。コマンド実行後にマウスカーソルが変化し、範囲選択を行います。
    • 例: gnome-screenshot -a (範囲選択してファイル保存)
  • -c または --clipboard: 撮影した画像をファイルに保存せず、クリップボードにコピーします。
    • 例:
      • gnome-screenshot -c (画面全体をクリップボードにコピー) – Print Screen とほぼ同じ
      • gnome-screenshot -w -c (アクティブウィンドウをクリップボードにコピー) – Alt + Print Screen とほぼ同じ
      • gnome-screenshot -a -c (範囲選択してクリップボードにコピー) – Ctrl + Shift + Print Screen とほぼ同じ
  • -d SECONDS または --delay=SECONDS: 指定した秒数だけ待機してから撮影します。
    • 例: gnome-screenshot -d 5 (5秒後に画面全体をファイル保存)
    • 例: gnome-screenshot -w -d 3 (3秒後にアクティブウィンドウをファイル保存)
  • -f FILENAME または --file=FILENAME: 保存するファイル名とパスを指定します。パスを指定しない場合はカレントディレクトリに保存されます。
    • 例: gnome-screenshot -f ~/Desktop/my_screenshot.png (画面全体をデスクトップに my_screenshot.png として保存)
    • 例: gnome-screenshot -w -f /tmp/active_window.jpg (アクティブウィンドウを /tmp ディレクトリに active_window.jpg として保存、拡張子を変えれば形式も指定できます)
  • --disable-effects: ウィンドウ撮影時に影などの効果を含めないようにします。
    • 例: gnome-screenshot -w --disable-effects (アクティブウィンドウを影なしでファイル保存)
  • -p または --print: 画像データをファイルではなく標準出力に出力します。他のコマンドと連携させる際に使用することがあります。
    • 例: gnome-screenshot -p | display (撮影した画像をそのまま画面に表示する – display コマンドが必要です)

gnome-screenshot の実用例:

  • 5秒後に領域を選択して撮影し、クリップボードにコピーする:
    bash
    gnome-screenshot -a -c -d 5

    このコマンドを実行すると5秒のカウントダウンが始まり、その間に範囲選択を行います。選択が終わると画像がクリップボードに入ります。
  • 特定の日時を含むファイル名でアクティブウィンドウを保存する:
    シェルスクリプトやコマンドラインの機能を使ってファイル名を生成できます。
    bash
    FILENAME="window_$(date +%Y%m%d_%H%M%S).png"
    gnome-screenshot -w -f "$FILENAME"

    この例では、date +%Y%m%d_%H%M%SYYYYMMDD_HHMMSS 形式の日時文字列を生成し、ファイル名に組み込んでいます。
  • 特定のウィンドウIDを指定して撮影する (少し高度):
    xwininfo などのツールを使ってウィンドウIDを取得し、gnome-screenshot --window-id=ID オプションを使うことで、アクティブではない特定のウィンドウを撮影することも可能です。

利点:
* GUIツールと同じ機能がコマンドラインから利用できる。
* オプション指定により、より細かく撮影方法を制御できる。
* シェルスクリプトに組み込んで自動化できる(例: 定期的な画面監視、特定イベント発生時の撮影)。
* リモート接続(SSHなど)してコマンド実行し、スクリーンショットを撮ることも可能(DISPLAY環境変数の設定などが必要な場合あり)。

欠点:
* オプションを覚える必要がある。
* 対話的な範囲選択はコマンド実行後にマウス操作が必要。

4.2. scrot コマンド

scrot (SCReen shOT) は、軽量でシンプルなコマンドラインスクリーンショットツールです。高機能な画像編集機能などは持ちませんが、素早く確実にスクリーンショットを撮ることに特化しており、特にスクリプトからの利用に適しています。

インストール:

GNOME環境では標準でインストールされていない場合が多いので、必要に応じてインストールします。
bash
sudo apt update
sudo apt install scrot

基本的な使い方:

bash
scrot

このコマンドを単独で実行すると、画面全体を撮影し、カレントディレクトリにファイルとして自動保存します。ファイル名は通常 YYYY-MM-DD-HHMMSS_WxH.png のような形式になります(WとHは画面の幅と高さ)。

よく使うオプション:

scrot も様々なオプションを持っています。gnome-screenshot と似ているものもありますが、異なる挙動や独自の機能もあります。

  • -s または --select: マウスで選択した領域を撮影します。
    • 例: scrot -s (範囲選択してカレントディレクトリにファイル保存)
  • -u または --window: マウスで選択したウィンドウを撮影します。
    • 例: scrot -u (ウィンドウ選択してファイル保存)
  • -d DELAY または --delay DELAY: 指定した秒数だけ待機してから撮影します。
    • 例: scrot -d 3 (3秒後に画面全体をファイル保存)
  • -c または --count: 遅延撮影を行う際に、撮影までのカウントダウンをターミナルに表示します。
    • 例: scrot -d 5 -c (5秒カウントダウン後に画面全体をファイル保存)
  • -t PERCENT: 撮影後に、指定したパーセントのサイズでサムネイル画像を生成します。
    • 例: scrot -t 25 (画面全体を撮影し、元の画像の25%サイズのサムネイルも作成)
  • -q QUALITY: JPEG形式で保存する際の品質を指定します(0-100)。
    • 例: scrot -q 75 output.jpg (画面全体をJPEG品質75で output.jpg として保存)
  • --border: ウィンドウ撮影時にウィンドウの境界(フレーム)を含めます(-u オプションと併用)。
    • 例: scrot -u --border
  • --pointer: マウスポインターを含めて撮影します。
    • 例: scrot --pointer

ファイル名の指定:

scrot の大きな特徴は、ファイル名の指定方法に柔軟性があることです。コマンドの最後の引数として、保存するファイル名とパスを指定できます。ファイル名には、日時やウィンドウ情報などを埋め込むための書式指定子を使用できます。

書式指定子 意味
%Y 西暦 (4桁) 2023
%m 月 (01-12) 10
%d 日 (01-31) 27
%H 時 (00-23) 14
%M 分 (00-59) 35
%S 秒 (00-59) 08
%$s Unixエポック秒 1698407708
%$f フルスクリーン名 (デスクトップ名) desktop
%$w ウィンドウID 0x1c00005
%$n ウィンドウクラス名 Gnome-terminal
%$t ウィンドウタイトル Terminal
%$v Scrotのバージョン 1.2
%% リテラル % %
\n 改行 (ファイル名には通常使わない)

scrot の実用例:

  • 現在の日時とウィンドウクラス名をファイル名に含めてアクティブウィンドウをJPEG形式で保存:
    bash
    scrot -u -q 80 '%Y%m%d_%H%M%S_$n.jpg'

    例: 20231027_144530_Gnome-terminal.jpg のようなファイル名で保存されます。
  • 3秒後に領域選択して撮影し、ホームディレクトリの screenshots フォルダに保存:
    bash
    mkdir -p ~/screenshots # フォルダがなければ作成
    scrot -s -d 3 '~/screenshots/%Y-%m-%d-%H%M%S.png'

    mkdir -p はフォルダが既に存在してもエラーにならないオプションです。
  • デスクトップ上の全てのウィンドウをそれぞれファイルに保存 (少し高度):
    xdotool などと組み合わせて、ウィンドウリストを取得し、それぞれのウィンドウIDに対して scrot -u --window-id ID を実行するスクリプトを作成することで実現できます。

scrot の利点:
* 非常に軽量で高速。
* ファイル名の書式指定が強力で柔軟。
* スクリプトからの利用が容易。
* デフォルトでカレントディレクトリに保存されるため、特定の場所にまとめて保存しやすい。

欠点:
* 画像編集機能は一切ない。
* GNOME環境以外ではGUIツールがない(コマンドラインのみ)。
* クリップボードへのコピー機能は直接は提供されていない(別途 xclip などと組み合わせる必要がある)。

コマンドラインツールは、特に決まった手順で定期的にスクリーンショットを撮りたい場合や、特定の情報をファイル名に含めて自動整理したい場合に威力を発揮します。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、慣れると非常に効率的です。

5. その他の高機能スクリーンショットツール

Ubuntuでは、標準ツールや基本的なコマンドラインツール以外にも、より多機能なスクリーンショットツールを利用できます。これらのツールは、撮影後の編集機能や、特定の複雑な撮影に対応していることが多いです。

ここでは、特におすすめのツールをいくつか紹介します。

5.1. Shutter:高機能な編集機能を備えた定番ツール

Shutterは、Ubuntuユーザーの間で長らく人気のある高機能なスクリーンショットツールです。撮影機能に加えて、簡単な画像編集機能(矢印、テキスト、モザイク、切り抜きなど)が充実しているのが特徴です。

インストール:

Shutterはデフォルトではインストールされていない場合があります。以下のコマンドでインストールできます。
bash
sudo apt update
sudo apt install shutter

(注: Ubuntuの新しいバージョンでは、依存関係の問題でインストールが難しくなっているケースがあるようです。その場合は、Flameshotなど他のツールを検討してください)

機能紹介:

  • 多彩な撮影モード: 画面全体、アクティブウィンドウ、選択範囲はもちろん、特定のメニューやツールチップ、ウェブページ全体のスクロール撮影(プラグインが必要な場合あり)など、非常に多くの撮影モードに対応しています。
  • 遅延撮影: 秒単位で遅延を設定できます。
  • 撮影後の編集: これがShutterの最大の強みです。撮影した画像に、矩形、円、矢印、テキストなどを追加したり、モザイク処理(個人情報などを隠すのに便利)を行ったり、画像を切り抜いたり、リサイズしたりといった編集が、専用の編集ウィンドウで簡単に行えます。
  • 画像のアップロード: 設定しておけば、撮影した画像をFTPサーバーや様々な画像共有サービス(Imgurなど)に直接アップロードすることも可能です。
  • プラグインによる機能拡張: 様々な効果を適用したり、特殊な撮影を行ったりするためのプラグインが利用できます。

なぜShutterが便利か:

スクリーンショットを撮った後、その画像に説明を加える(矢印やテキスト)、個人情報を隠す(モザイク)、不要な部分を切り抜くといった編集作業が必要になることはよくあります。Shutterは、撮影から基本的な編集までを一つのアプリケーション内でシームレスに行えるため、非常に効率的です。特に技術的な手順の説明やエラー報告など、画像に注釈を付けたい場合に重宝します。

5.2. Flameshot:最近人気の対話型スクリーンショットツール

Flameshotは、近年Linuxユーザーの間で人気が高まっている高機能なスクリーンショットツールです。対話的な操作で撮影範囲を選択し、その場で直感的な編集ができるのが特徴です。

インストール:

Flameshotも通常はデフォルトでインストールされていません。以下のコマンドでインストールできます。
bash
sudo apt update
sudo apt install flameshot

インストール後、起動するにはアプリケーション一覧から「Flameshot」を起動するか、ターミナルで flameshot gui と実行します。起動しただけでは何も起こりませんが、バックグラウンドで待機状態になります。デフォルトの Print Screen キーなどにFlameshotを割り当てる設定を行うことが多いです。

機能紹介:

  • 対話的な範囲選択と編集: flameshot gui コマンドを実行するか、割り当てたホットキーを押すと、画面全体が暗くなり、その場で撮影範囲を選択できます。範囲選択後、選択領域の近くに編集ツールバーが表示されます。
  • 豊富な編集機能: ツールバーを使って、選択した範囲に直接、矩形、円、矢印、線、ペンでのフリーハンド描画、マーカーでのハイライト、テキスト、モザイクなどを追加できます。
  • ピクセル化/ぼかし: 特定の領域を選択してピクセル化またはぼかすことで、個人情報などを簡単に隠せます。
  • ピン留め: 撮影した画像を画面上にピン留めして、別のウィンドウの作業中に参考にすることができます。
  • アップロード機能: Imgurなどの画像共有サービスに直接アップロードできます。
  • クリップボードコピーとファイル保存: 編集後、ボタン一つでクリップボードにコピーしたり、ファイルとして保存したりできます。
  • ホットキー設定: システムのキーボードショートカット設定で Print Screen キーに flameshot gui コマンドを割り当てると、キーを押すだけでFlameshotが起動して即座に撮影・編集モードに入れるため非常に便利です。

なぜFlameshotが人気なのか:

Flameshotの魅力は、撮影から簡単な編集までを非常に直感的かつスムーズに行える点です。多くの機能が撮影範囲上に直接表示されるツールバーからアクセスできるため、ワークフローが途切れにくいです。特に、サッとスクリーンショットを撮って、簡単な注釈やモザイク処理を加えて共有したいといった日常的な用途に最適です。対話的な操作は、初心者の方にも分かりやすいでしょう。

5.3. Spectacle:KDE環境のツールだがGNOMEでも利用可能

Spectacleは、KDE Plasmaデスクトップ環境の標準スクリーンショットツールですが、GTKベースのGNOME環境でもインストールして利用することが可能です。機能的にはGNOMEの標準ツールとShutterの中間のような位置づけになるかもしれません。

インストール:
bash
sudo apt update
sudo apt install spectacle

機能紹介:

  • 撮影モード: 画面全体、アクティブウィンドウ、ウィンドウの一部(マウス選択)、領域選択、特定のメニュー撮影などに対応しています。
  • 遅延撮影: 設定可能です。
  • 撮影後の操作: 撮影後、自動的に保存、クリップボードにコピー、別のアプリケーションで開く、といった動作を選択できます。
  • 画像編集 (限定的): 基本的な注釈機能(矢印、矩形、テキストなど)を持っていますが、Shutterほど高機能ではありません。GNOME標準ツールよりは高機能です。

Spectacleは、GNOME標準ツールでは物足りないが、Shutterほどの高機能な編集は不要、という場合に選択肢となるでしょう。UIがGNOMEのルック&フィールとは少し異なる点に注意が必要です。

これらの追加ツールは、それぞれに得意な機能や異なる操作感を持っています。自分の用途や好みに合わせて、最適なツールを選んでみてください。日常的に簡単な編集を伴うスクリーンショットを撮るならFlameshot、より高度な編集や自動アップロードを頻繁に行うならShutter、シンプルさと軽量さを求めるならコマンドラインツール、といった具合に使い分けるのも良いでしょう。

6. スクリーンショットの保存場所とファイル名について詳しく知る

スクリーンショットを撮った後、「あれ?どこに保存されたんだろう?」と迷うことがあるかもしれません。また、ファイル名がどのように決まるのかを知っておくと、後から整理しやすくなります。

6.1. デフォルトの保存場所

Ubuntuの標準的な設定では、キーボードショートカットやGNOMEスクリーンショットツールでファイル保存した場合、デフォルトの保存場所はユーザーのホームディレクトリ内にある「画像」フォルダ(英語環境では Pictures)です。

ファイルマネージャー(Nautilus)を開き、左側のサイドバーにある「画像」または「Pictures」をクリックすると、保存されたスクリーンショットを見つけることができます。

この場所は、画像ファイル全般をまとめて管理するための標準的な場所として設定されています。

6.2. デフォルトのファイル名規則

キーボードショートカットやGNOMEスクリーンショットツールで自動保存されるファイルのデフォルトのファイル名は、通常以下の形式になります。

Screenshot from YYYY-MM-DD HH-MM-SS.png

例: Screenshot from 2023-10-27 15-05-20.png

  • Screenshot from: 固定の接頭辞
  • YYYY-MM-DD: 撮影した年月日
  • HH-MM-SS: 撮影した時分秒
  • .png: ファイル形式の拡張子 (通常PNG)

このように、デフォルトのファイル名には撮影した日時が正確に含まれています。これは、いつ撮影したスクリーンショットなのかが一目で分かり、時系列で並べたときに整理しやすいという利点があります。同じ時間に複数のスクリーンショットを撮っても、秒単位でファイル名が異なるため、上書きされる心配もありません。

6.3. 保存場所やファイル名を変更する方法

  • GNOMEスクリーンショットツール (GUI):
    ツールによっては、設定画面でデフォルトの保存先フォルダを変更できます。ただし、ファイル名の形式(例: Screenshot from ...)自体は変更できない場合が多いです。保存時に毎回ダイアログが表示される設定にすることも可能です。
  • コマンドラインツール (gnome-screenshot, scrot):
    コマンドの引数で保存するファイル名とパスを完全に自由に指定できます。

    • gnome-screenshot -f /path/to/your/filename.png
    • scrot /path/to/your/filename.png (scrotは書式指定子 %... も利用可能)
      シェルスクリプトと組み合わせれば、日付以外の情報(例: ウィンドウタイトル、ユーザー名など)をファイル名に含めるといった高度なカスタマイズも可能です。
  • その他のツール (Shutter, Flameshotなど):
    これらの高機能ツールでは、設定画面でデフォルトの保存先フォルダや、ファイル名の命名規則(書式指定子を使えることが多い)を細かくカスタマイズできる場合が多いです。

【コマンドラインでのファイル名指定の注意点】
コマンドラインでファイル名を指定する際、パスにスペースが含まれる場合は引用符 (" または ') で囲む必要があります。また、scrot の書式指定子を利用する場合は、シェルがそれらを解釈しないようにシングルクォーテーション '...' で囲むのが一般的です。

6.4. ファイル形式

デフォルトでは、スクリーンショットは一般的にPNG形式で保存されます。

  • PNG (Portable Network Graphics): 可逆圧縮形式です。画像を圧縮しても劣化しません。文字や図形、単色ベタ塗りが多いスクリーンショットでは、ファイルサイズを小さく保ちつつ、文字の輪郭などをシャープに保てます。透明度(アルファチャンネル)をサポートしている点も特徴です(ウィンドウの影など)。
  • JPEG (Joint Photographic Experts Group): 非可逆圧縮形式です。画像を圧縮する際に劣化しますが、写真のような自然な画像ではPNGより大幅にファイルサイズを小さくできます。スクリーンショットでは、デスクトップ背景に写真を使っている場合などに検討できますが、文字などはPNGの方がきれいに写ります。
  • その他の形式: GIFやBMPなど、他の画像形式で保存できるツールもありますが、スクリーンショットとしてはPNGかJPEGが一般的です。

通常はPNG形式がスクリーンショットに適していますが、ファイルサイズを極力小さくしたい場合や、写真が多いスクリーンショットの場合は、JPEG形式を選択できるツール(scrot -q オプションなど)を使うのも良いでしょう。

保存場所とファイル名、ファイル形式を理解しておけば、大量のスクリーンショットを撮った後でも混乱せず、スムーズに管理・活用することができます。

7. 撮影したスクリーンショットの活用法

無事スクリーンショットを撮影したら、次はそれをどう活用するかです。Ubuntuには、撮影した画像を扱うための様々なアプリケーションや方法があります。

  • 画像ビューアで開く:
    デフォルトの画像ビューア(Eye of GNOME や Loupe など)で、撮影したファイルを開いて内容を確認したり、簡単な拡大縮小を行ったりできます。「画像」フォルダを開いて、ファイルをクリックするだけで起動します。
  • 画像編集ソフトで編集する:
    GIMP(高機能なレタッチソフト)、Pinta(Paintに似た簡単な編集ソフト)、Krita(デジタルペインティングソフト)など、Ubuntuで利用できる様々な画像編集ソフトでスクリーンショットを開き、トリミング、サイズ変更、色調補正、テキストや図形の追加といった編集を行うことができます。ShutterやFlameshotなどのツール自体が編集機能を持っていますが、より高度な編集が必要な場合は専用ソフトを使います。
  • ドキュメントやプレゼンテーションに貼り付ける:
    LibreOffice Writer(文書作成)、LibreOffice Impress(プレゼンテーション)、GNOME Text Editor(テキストエディタ)、Evince(PDFビューア、コメントとして貼り付けられる場合あり)など、多くのアプリケーションで画像を挿入・貼り付けできます。クリップボードにコピーしたスクリーンショットは Ctrl + V で直接貼り付けられることが多いです。ファイルとして保存した場合は、「画像を挿入」メニューなどからファイルを選択して配置します。
  • ウェブサイトやブログにアップロードする:
    ウェブブラウザを使って、ブログ記事の編集画面、フォーラム、SNSなどに画像をアップロードできます。ファイルをドラッグ&ドロップでアップロードできるサイトも多いです。
  • メールやチャットで送信する:
    メールクライアント(Thunderbirdなど)やチャットアプリケーション(Slack, Discord, Pidginなど)に画像を添付したり、直接貼り付けたりして送信できます。
  • 質問サイトやフォーラムで問題を説明する際に利用する:
    Ubuntu Japanese TeamのフォーラムやAsk Ubuntuなどの技術系Q&Aサイトで、遭遇しているエラー画面や設定画面のスクリーンショットを提示することで、他のユーザーに状況を正確に伝えることができ、より適切なアドバイスを得やすくなります。
  • 画像共有サービスにアップロードする:
    Imgur, Flickr, Google Photosなどの画像共有サービスにアップロードして、URLを共有することで他の人に見せることができます。ShutterやFlameshotなどのツールには、これらのサービスへの直接アップロード機能が付いているものもあります。

スクリーンショットは、単に画面を「撮影」するだけでなく、その後の「活用」とセットで考えることで、その真価を発揮します。目的に応じて、適切な保存方法を選び、活用しやすい形式でファイルを用意することが重要です。

8. トラブルシューティング:困ったときは?

スクリーンショット撮影中に予期せぬ問題に遭遇することもあるかもしれません。ここでは、よくあるトラブルとその解決策をいくつか紹介します。

8.1. キーボードショートカットが効かない

  • キーボードレイアウトの確認:
    意図しないキーボードレイアウト(例: 日本語配列なのに英語配列と認識されている)になっていると、Print Screen キーの位置がずれていたり、他のキーと認識されていたりする可能性があります。Ubuntuのシステム設定の「キーボード」でレイアウトを確認してください。
  • システム設定でのショートカット確認/変更:
    Ubuntuのシステム設定の「キーボード」->「ショートカット」の中に、「スクリーンショット」に関する項目があります。ここで、各撮影方法に割り当てられているショートカットキーを確認したり、他のキーの組み合わせに変更したりできます。意図せずショートカットが変更されていないか確認してみましょう。
  • 他のアプリケーションとの競合:
    インストールした別のアプリケーション(例: 画面録画ソフト、特定のゲーム、仮想マシンソフトなど)が、Print Screen キーなどのショートカットを占有している可能性があります。心当たりのあるアプリケーションがあれば、終了させて試してみてください。特に仮想マシン上でUbuntuを動かしている場合、ホストOSがショートカットを捕まえていることもあります。
  • ハードウェアの問題:
    稀ですが、キーボード自体の故障で Print Screen キーが入力できない可能性も考えられます。別のキーボードを接続してみるか、別のキーボードで問題なく動作するか確認してみてください。

8.2. 撮影はできたはずなのに保存場所が分からない

  • デフォルトの保存場所を確認:
    前述の通り、デフォルトではホームディレクトリ内の「画像」(Pictures)フォルダに保存されます。まずはこのフォルダをファイルマネージャーで確認してください。
  • ファイル名で検索:
    ファイル名が Screenshot from YYYY-MM-DD HH-MM-SS.png のような規則になっていることを思い出して、ファイルマネージャーの検索機能で「Screenshot from」やその日の日付の一部などをキーワードに検索してみてください。
  • 撮影時の通知を確認:
    撮影に成功した場合、多くの場合Ubuntuの通知領域(画面右上など)に「スクリーンショットが撮影されました」のような通知が表示されます。この通知をクリックすると、保存されたファイルが置かれているフォルダが開かれることがあります。通知を見逃していないか確認してみてください。
  • コマンドラインで実行した場合:
    gnome-screenshotscrot をコマンドラインで実行し、-f オプションなどで保存場所を指定しなかった場合、ファイルはコマンドを実行した時点のカレントディレクトリに保存されます。ターミナルで pwd コマンドを実行してカレントディレクトリを確認し、その中を探してみてください。

8.3. ウィンドウ撮影時に影が不要な場合

  • GNOMEスクリーンショットツールの設定:
    GUIツールの場合、オプションの中に「ウィンドウの境界を含める」のような設定項目があることが多いです。これをオフにすれば影を含めずに撮影できます。
  • gnome-screenshot コマンドのオプション:
    コマンドライン版の gnome-screenshot では、--disable-effects オプションを使用することで影やその他のウィンドウ効果を含めずに撮影できます(例: gnome-screenshot -w --disable-effects)。
  • 他のツールを使う:
    ShutterやFlameshotなどのツールでも、影を含めるかどうかの設定があります。また、撮影後に編集機能で不要な影の部分を切り抜くという方法もあります。

8.4. 特定のアプリケーションのウィンドウがうまく撮れない

  • 遅延撮影を使ってみる:
    特にフルスクリーンで動作するアプリケーションや、特定のモードになったときにだけ表示されるウィンドウ(例: ゲーム中のHUD、特定のダイアログなど)は、ショートカットキーを押したタイミングで適切に認識されないことがあります。GNOMEスクリーンショットツールやコマンドラインツール (-d オプション) を使って遅延時間を設定し、撮影が実行される前に目的のウィンドウを表示させるように試してみてください。
  • 別のツールを試してみる:
    特定のウィンドウシステムの仕組みや、アプリケーションの実装によっては、標準のスクリーンショットツールではうまく撮影できない場合があります。ShutterやFlameshotなど、別の方式でウィンドウを検出・撮影するツールを試すと解決することがあります。
  • ウィンドウIDを指定して撮影 (上級者向け):
    xwininfo コマンドなどで目的のウィンドウのIDを取得し、gnome-screenshot --window-id IDscrot -u --window-id ID のようにIDを指定して撮影できる場合があります。

8.5. クリップボードにコピーした画像を貼り付けられない

  • 貼り付け先のアプリケーションを確認:
    画像を貼り付けられるアプリケーション(画像編集ソフト、文書作成ソフト、一部のテキストエディタ、メールソフト、チャットアプリなど)であることを確認してください。ターミナルなどに画像を直接貼り付けることは通常できません。
  • 正しい貼り付け操作 (Ctrl + V):
    貼り付けたいアプリケーションを開き、画像を受け付けられる状態にした上で、Ctrl + V またはアプリケーションの「編集」メニューから「貼り付け」を選んでください。
  • クリップボードの内容を確認:
    クリップボードの中身を確認できるツール(例: xclip コマンドや、クリップボードマネージャーアプリケーション)を使って、画像データが正しくクリップボードに入っているか確認できます。
  • クリップボードマネージャーとの競合:
    PeekやDiodonなどのクリップボードマネージャーアプリケーションを使用している場合、その設定が影響している可能性があります。一時的に無効にして試してみてください。

トラブルが発生した際は、これらの解決策を順に試してみてください。多くの場合、設定の確認や別のツールを試すことで解決できます。

9. まとめ:あなたに最適なスクリーンショット方法は?

この記事では、Ubuntuでスクリーンショットを撮るための様々な方法を詳しく解説しました。基本的なキーボードショートカット、GNOMEのGUIツール、そしてコマンドラインツールやその他の高機能ツールまで、それぞれの特徴、操作方法、利点、欠点を見てきました。

改めて、これらの方法を振り返り、どのような用途にどの方法が適しているかをまとめます。

  • 最も手軽に、すぐに貼り付けたい:
    Print Screen キー(画面全体をクリップボードにコピー)や Alt + Print Screen キー(アクティブウィンドウをクリップボードにコピー)が最適です。Slackなどのチャットツールで、今見ている画面やウィンドウをサッと共有したい場合に便利です。
  • 特定の範囲やウィンドウを、すぐにファイルとして保存したい:
    Shift + Print Screen キー(範囲指定してファイル保存)や Ctrl + Alt + Print Screen キー(アクティブウィンドウをファイル保存)が素早く対応できます。特に Shift + Print Screen は、必要な部分だけを切り取って自動保存してくれるため、日常的に最も頻繁に使うショートカットの一つとなるでしょう。
  • 遅延撮影が必要、またはGUIで設定を確認しながら撮りたい:
    GNOMEスクリーンショットツール(GUI)を利用するのがおすすめです。ドロップダウンメニューや右クリックメニューなど、一時的に表示される要素を含めて撮影したい場合に重宝します。
  • より柔軟なファイル名で保存したい、自動化したい、スクリプトから実行したい:
    コマンドラインツールの gnome-screenshotscrot が強力な味方になります。特に scrot はファイル名の書式指定が細かくでき、スクリプトとの連携もしやすいです。
  • 撮影した画像に注釈やモザイクなどの編集を加えたい:
    ShutterやFlameshotのような高機能なツールが便利です。撮影後すぐに編集ツールが起動し、直感的に加筆修正できます。Shutterはより多くの編集機能やアップロード機能を備え、Flameshotは対話的な操作と編集の速さが魅力です。
  • 軽量さやシンプルさを重視したい:
    scrot コマンドは非常に軽量で、最低限の機能に特化しています。

このように、Ubuntuでは目的や状況に応じて最適なスクリーンショットの撮影方法を選ぶことができます。最初は基本的なショートカットやGNOMEツールから使い始めて、慣れてきたらコマンドラインツールや他の高機能ツールに挑戦してみるのが良いでしょう。

スクリーンショットは、Ubuntuでの作業をよりスムーズに、そして他の人とのコミュニケーションをより円滑にするための強力なツールです。この記事で解説した様々な方法をマスターして、あなたのUbuntuライフをさらに充実させてください!

もし新しいツールや便利な使い方が見つかったら、ぜひ試してみてください。Ubuntuのオープンなエコシステムでは、常に新しい便利なツールが登場しています。

これで、Ubuntuでのスクリーンショット撮影・保存に関する詳細な解説は終了です。約5000語という長文になりましたが、皆様のUbuntu活用の一助となれば幸いです。


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