これで完璧!iTunesの始め方から基本操作まで紹介

はい、承知いたしました。「これで完璧!iTunesの始め方から基本操作まで紹介」と題し、iTunesの導入から基本的な使い方、さらに便利な機能やトラブルシューティングまでを網羅した、詳細な記事を作成します。約5000語のボリュームで記述します。


これで完璧!iTunesの始め方から基本操作まで紹介

はじめに:iTunesとは何か?その役割とこの記事を読むメリット

デジタルメディアが私たちの生活に欠かせないものとなった現代において、音楽、ビデオ、ポッドキャスト、オーディオブックといった多様なコンテンツを効率的に管理し、楽しむためのツールは非常に重要です。数あるメディア管理ソフトウェアの中でも、特に長い歴史を持ち、多くのユーザーに利用されてきたのがAppleが提供する「iTunes」です。

iTunesは単なる音楽再生ソフトではありません。iPodの登場以来、音楽管理の中心的な役割を担ってきましたが、その後、iTunes Storeでの楽曲・ビデオ・アプリ(現在はApp Storeに移行)の販売、iPhoneやiPad、iPodといったApple製デバイスとの同期機能、さらにはポッドキャストの購読・管理、オーディオブックの再生、CDからのインポート、CDへの書き込み、ホームシェアリング機能など、その機能は多岐にわたります。

特に、iPhoneやiPadのユーザーにとっては、デバイスに音楽やビデオ、写真を転送したり、バックアップを作成したりする上で、iTunesは必須のツールと言えるでしょう(ただし、macOS Catalina以降では、この機能はFinderに統合されています)。Windowsユーザーにとっても、Appleデバイスを利用している場合や、iTunes Storeでコンテンツを購入する場合には、依然としてiTunesは重要な役割を果たします。

しかし、これほど多機能であるがゆえに、「どこから始めればいいの?」「使い方がよく分からない」「前に使っていたけど、久しぶりで忘れてしまった」と感じる方も少なくないかもしれません。また、バージョンアップによってインターフェースが変更されたり、新しい機能が追加されたりすることで、戸惑うこともあるでしょう。

この記事は、そのようなiTunes初心者の方や、基本的な使い方を改めて確認したい方を対象にしています。iTunesのダウンロードからインストール、画面構成、基本的な音楽管理、再生方法、iTunes Storeの活用、そしてiPhoneなどのデバイスとの同期まで、iTunesを使いこなすために必要な情報を網羅的に、かつ詳細に解説していきます。さらに、よくあるトラブルとその対処法についても触れますので、安心してiTunesの世界に入っていくことができるはずです。

この記事を最後まで読めば、iTunesの基本操作をマスターし、お持ちの音楽やビデオをより快適に管理・再生できるようになるでしょう。さあ、あなたのデジタルライブラリをiTunesで完璧に整理し、新しいメディアライフを始めましょう!

第1章:iTunesの導入 – ダウンロードとインストール

iTunesを使い始めるには、まずお使いのコンピューターにiTunesソフトウェアをインストールする必要があります。Windows PCをご利用の方と、Macをご利用の方とで手順が異なります。Macの場合は多くのOSバージョンで標準搭載されていますが、Windowsの場合は自分でダウンロード・インストールが必要です。

1.1 ダウンロード

iTunesのダウンロードは、Appleの公式サイトから行うのが最も安全で推奨される方法です。

Windowsの場合:

  1. ウェブブラウザ(Microsoft Edge, Google Chrome, Firefoxなど)を開きます。
  2. Appleの公式サイト(apple.com)にアクセスします。
  3. サイト内検索で「iTunes」と検索するか、フッターにある「iTunes」のリンクを探してクリックします。
  4. iTunesの製品ページに遷移したら、「ダウンロード」ボタンまたはダウンロードリンクを探します。通常は、Windows用のダウンロードリンクが明示されています。
  5. ダウンロードページでは、最新バージョンのiTunesが提示されています。お使いのWindowsのバージョン(32ビット版か64ビット版か)に合わせたインストーラーを選択してダウンロードします。多くの最近のWindows PCは64ビット版ですが、不明な場合はシステム情報を確認してください。通常は、ダウンロードページが自動的に適切なバージョンを判別して表示してくれます。
  6. 「ダウンロード」ボタンをクリックすると、インストーラーファイル(例: iTunesSetup.exe)のダウンロードが開始されます。保存先を指定して保存してください。

Macの場合:

Macの場合は、ほとんどのOS X/macOSにiTunesが標準搭載されています。新たにダウンロードする必要はありません。

  • macOS Catalina (10.15) 以降: iTunesはMusicアプリ、TVアプリ、Podcastアプリ、Finder(デバイス管理)に分割・統合されました。このOSバージョン以降をお使いの場合は、これらの新しいアプリを使用します。ただし、Windows版iTunesは引き続き提供されています。
  • macOS Mojave (10.14) 以前: iTunesが標準搭載されています。アップデートはApp Storeから行います。

もし、MacでiTunesをアップデートしたい場合は、以下の手順で行います。

  1. App Storeアプリを開きます。
  2. 左側のサイドバーにある「アップデート」をクリックします。
  3. iTunesのアップデートがあれば、リストに表示されます。「アップデート」ボタンをクリックして実行します。

旧バージョンが必要な場合:
通常は最新バージョンを使用することが推奨されますが、特定の理由で旧バージョンが必要な場合もあります。しかし、Appleは公式サイトで旧バージョンを公開していません。非公式サイトからダウンロードする方法も存在しますが、セキュリティ上のリスクが伴うため推奨しません。可能な限り最新バージョンを使用するようにしてください。

1.2 インストール

ダウンロードが完了したら、次にソフトウェアのインストールを行います。

Windowsの場合:

  1. ダウンロードしたインストーラーファイル(iTunesSetup.exeなど)をダブルクリックして実行します。
  2. ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら、「はい」をクリックして実行を許可します。
  3. iTunesインストーラーが起動します。「次へ」をクリックして続行します。
  4. 使用許諾契約が表示されます。内容をよく読み、同意できる場合は「使用許諾契約の条項に同意します」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
  5. インストールオプションを設定します。通常はデフォルト設定のままで問題ありません。
    • 「iTunesのショートカットをデスクトップに追加」: デスクトップにアイコンを作成するかどうか。
    • 「iTunesをデフォルトのオーディオプレーヤーに設定」: 音声ファイルを再生する際に、常にiTunesを使用するかどうか。必要に応じてチェックを外しても構いません。
    • 「iTunesとQuickTimeのアップデートを自動的に確認」: 新しいバージョンがリリースされたときに通知を受け取るかどうか。セキュリティのためにもチェックを入れたままにしておくことを推奨します。
    • 「iTunesのインストール先フォルダ」: インストール先の場所を指定できます。特別な理由がなければデフォルトのままが良いでしょう。
  6. 「インストール」ボタンをクリックするとインストールが開始されます。
  7. インストールには数分かかる場合があります。プログレスバーで進捗を確認できます。
  8. インストールが完了すると、「完了」ボタンが表示されます。「完了」をクリックしてインストーラーを終了します。必要に応じて「iTunesを開く」にチェックが入っていることを確認し、そのままiTunesを起動することもできます。

インストール時の注意点:

  • インストールには管理者権限が必要です。管理者権限のないユーザーアカウントでログインしている場合は、管理者のパスワードを求められることがあります。
  • インストール中に他のアプリケーション、特にセキュリティソフトなどが干渉する場合があります。問題が発生する場合は、一時的にセキュリティソフトの設定を変更するか、終了させてからインストールを試みてください。
  • 実行中の他のApple関連ソフトウェア(QuickTimeなど)は終了しておく方がスムーズにインストールできます。

Macの場合:

macOS Mojave (10.14) 以前をお使いの場合、iTunesはOSに標準搭載されているため、インストールは不要です。OSのアップデートの一部としてiTunesも更新されます。macOS Catalina (10.15) 以降をお使いの場合は、iTunesは利用せず、Finder、Music、TV、Podcastアプリを利用します。

1.3 初回起動

インストールが完了し、初めてiTunesを起動する際には、いくつかの初期設定が行われます。

  1. 初回セットアップウィザード: iTunesを初めて起動すると、簡単なセットアップウィザードが表示されることがあります。「ようこそ」画面が表示されたら、「同意する」をクリックして使用許諾契約に同意します。
  2. ライブラリの作成/選択: iTunesは音楽やビデオなどのコンテンツを管理するために「ライブラリ」を使用します。初回起動時には、新しいライブラリが自動的に作成されるか、既存のライブラリがある場合はそれを使用するかを選択する場合があります。通常はデフォルト設定で新しいライブラリを作成すれば問題ありません。ライブラリファイルは、お使いのコンピューターの特定の場所に保存されます(後述の詳細設定で場所を確認・変更可能)。
  3. iTunes Storeへのサインイン: iTunes Storeでコンテンツを購入したり、購入済みのコンテンツをダウンロードしたりするためには、Apple IDでサインインする必要があります。初回起動時にサインインを求められる場合があります。
    • 既にApple IDを持っている場合:「サインイン」をクリックし、Apple ID(メールアドレス)とパスワードを入力します。
    • Apple IDを持っていない場合:「Apple IDを新規作成」をクリックし、画面の指示に従って作成します。無料で簡単に作成できます。
    • サインインを後で行いたい場合:「今はしない」や「後で」といったオプションを選択することもできます。サインインは後からメニューバーの「アカウント」からいつでも可能です。
  4. ライブラリへの音楽ファイルの追加: 初期設定が終わると、iTunesのメインウィンドウが表示されます。画面には「お使いの音楽をiTunesにドラッグ&ドロップしてください」のようなメッセージが表示されているかもしれません。これでiTunesの利用を開始する準備が整いました。

これで、iTunesの導入は完了です。次章では、iTunesの基本的な画面構成と各部の機能について詳しく見ていきましょう。

第2章:iTunesの基本構造と画面構成

iTunesを効果的に使うためには、その画面構成と各部の機能について理解しておくことが重要です。iTunesのメインウィンドウは、コンテンツを管理し、再生し、iTunes Storeを利用するための様々な要素で構成されています。

2.1 メインウィンドウの各部名称と機能

iTunesのメインウィンドウは、大きく分けていくつかの領域に分かれています。バージョンによってレイアウトに多少の違いはありますが、基本的な構造は共通しています。

  1. メニューバー: ウィンドウの一番上にある標準的なメニューバーです。「ファイル」「編集」「表示」「コントロール」「Store」「アカウント」「ヘルプ」といったメニューがあり、iTunesのほぼ全ての機能にアクセスできます。例えば、ファイルの追加、曲情報の編集、表示モードの変更、環境設定の調整などを行います。
  2. 再生コントロールエリア: ウィンドウの上部中央に位置し、現在再生中の曲やビデオの情報を表示し、再生をコントロールするためのボタンが集まっています。
    • 再生/一時停止ボタン: 現在再生中のコンテンツを再生または一時停止します。
    • 次へ/前へボタン: プレイリストやアルバム内の次の曲/前の曲に移動します。
    • プログレスバー: 現在再生中のコンテンツの再生位置を示します。バーをクリックまたはドラッグすることで、再生位置を自由に移動(シーク)できます。
    • ボリュームスライダー: 再生音量を調整します。
    • アートワーク表示: 現在再生中の曲のアルバムアートワーク(ジャケット画像)が表示されます。クリックすると、再生中の曲情報や次の曲リストなどが表示されるミニウィンドウが開くことがあります。
    • AirPlayボタン: AirPlay対応デバイス(Apple TVや対応スピーカーなど)に音声や映像をストリーミングするためのボタンです。
  3. ソースリスト/サイドバー: ウィンドウの左側に表示されるリストです。ライブラリ、デバイス、プレイリスト、Storeといったカテゴリーが表示され、クリックすることでメインのコンテンツ表示エリアに表示される内容を切り替えます。
    • ライブラリ: iTunesにインポートした全てのコンテンツ(音楽、ムービー、TV番組、Podcast、オーディオブック、着信音など)が種類別に分類されて表示されます。
    • デバイス: iPhoneやiPadなどのApple製デバイスをコンピューターに接続すると、ここにデバイス名が表示されます。クリックするとデバイスの詳細情報や同期設定画面が表示されます。
    • プレイリスト: 自分で作成したプレイリストや、スマートプレイリスト、Geniusプレイリストなどが表示されます。
    • Store: iTunes Storeへのリンクです。クリックするとStoreのトップページが表示されます。
  4. コンテンツ表示エリア: ウィンドウの中央から右側にかけて広がる最も広い領域です。ソースリストで選択した項目(ライブラリの種類、特定のプレイリスト、iTunes Storeなど)に応じたコンテンツが一覧表示されます。音楽ライブラリを選択している場合は曲リストやアルバム一覧、iTunes Storeを選択している場合はStoreのコンテンツが表示されます。
  5. 検索バー: ウィンドウの右上あたりに位置します。ライブラリ内のコンテンツやiTunes Store内のコンテンツを検索するために使用します。入力したキーワードに応じて、瞬時に候補が表示されます。
  6. 表示モード切り替え: コンテンツ表示エリアの上部(検索バーの近く)に、コンテンツの表示方法を切り替えるためのボタンやドロップダウンメニューがあります。音楽ライブラリであれば、「アーティスト」「アルバム」「曲」「ジャンル」といった表示方法を選択できます。
  7. ステータスバー: ウィンドウの一番下に表示されます。ライブラリ内の項目数や、ディスクの空き容量、同期の進捗状況など、現在のiTunesの状態に関する情報が表示されます。

これらの要素を理解することで、iTunes内での移動や操作がスムーズになります。

2.2 ライブラリ

iTunesライブラリは、あなたが所有する全てのデジタルメディアコンテンツを一元管理するデータベースです。音楽、ムービー、TV番組、Podcast、オーディオブック、着信音などがそれぞれのセクションに分類されて保存されています。

  • 各セクションの説明:

    • 音楽: iTunesの最も主要なセクションです。CDからインポートした曲、iTunes Storeで購入した曲、インターネットからダウンロードした曲など、全ての音楽ファイルがここに集約されます。アーティスト、アルバム、曲名、ジャンルなどで分類・表示できます。
    • ムービー: iTunes Storeで購入/レンタルした映画や、自分で取り込んだホームビデオなどが保存されます。
    • TV番組: iTunes Storeで購入したTV番組のシーズンやエピソードが保存されます。
    • Podcast: 購読しているポッドキャストのエピソードが管理されます。新しいエピソードが公開されると自動的にダウンロードするように設定できます。
    • オーディオブック: iTunes Storeで購入したオーディオブックや、CDから取り込んだものが保存されます。再生位置を記憶するなど、オーディオブック特有の機能が利用できます。
    • 着信音: iPhoneなどで使用する着信音を管理します。
  • 表示オプション:
    コンテンツ表示エリアでは、ライブラリの各セクションの内容を様々な形式で表示できます。

    • カラム表示(リスト表示): 曲名、アーティスト、アルバム、ジャンル、時間などの情報をカラム(列)で表示します。各カラムのヘッダーをクリックすると、その情報で並べ替えることができます。表示するカラムをカスタマイズすることも可能です(メニューバーの「表示」>「表示オプション」)。
    • グリッド表示(アーティスト、アルバム、ジャンル別など): アルバムアートワークやアーティスト写真などをタイル状に並べて表示します。視覚的にライブラリを閲覧したい場合に便利です。
      表示方法は、コンテンツ表示エリアの上部にあるボタンやドロップダウンメニューで切り替えます。

ライブラリはiTunesの核となる部分です。ここでコンテンツをしっかり管理することが、iTunesを快適に使うための第一歩となります。

2.3 iTunes Store

iTunes Storeは、Appleが提供するデジタルコンテンツのオンラインストアです。音楽、ムービー、TV番組、ポッドキャスト(無料)などを購入したり、レンタルしたりすることができます。

  • Storeへのアクセス方法: ソースリスト/サイドバーの「Store」をクリックするか、メニューバーの「Store」から各種項目を選択することでアクセスできます。
  • コンテンツの検索とプレビュー: Storeにアクセスしたら、検索バーを使って探したいコンテンツを検索できます。検索結果から、曲であれば再生ボタンをクリックして30秒のプレビューを聴いたり、ムービーやTV番組であれば予告編を視聴したりできます。購入前に内容を確認できるのは非常に便利です。
  • 購入/レンタル方法: 気に入ったコンテンツが見つかったら、価格表示のボタンをクリックして購入またはレンタルに進みます。Apple IDのパスワード入力が求められ、入力して確定することで購入が完了します。購入したコンテンツは自動的にiTunesライブラリにダウンロードされます。
  • アカウント情報と購入履歴: メニューバーの「アカウント」からは、Apple IDに関する様々な設定を行えます。アカウント情報の編集(支払い方法、請求先住所など)、購入履歴の確認、認証解除(後述)などが行えます。

2.4 デバイス

iPhone、iPad、iPodなどのApple製デバイスをコンピューターに接続すると、ソースリスト/サイドバーの「デバイス」セクションにそのデバイス名が表示されます。

デバイス名をクリックすると、コンテンツ表示エリアがデバイスの概要ページに切り替わります。ここでは、デバイスのモデル、容量、シリアル番号、OSバージョンなどの基本情報が表示されます。また、デバイスとiTunesライブラリ間でコンテンツを同期するための設定や、デバイスのバックアップを作成・復元するためのオプションなどもここに集約されています。同期については、第6章で詳しく解説します。

これらの基本的な画面構成要素を理解することで、iTunes内をスムーズに操作し、目的の機能やコンテンツに素早くアクセスできるようになります。

第3章:音楽の管理 – ライブラリの構築と整理

iTunesの最も主要な機能の一つは、音楽ライブラリの管理です。CDからのインポート、ファイル形式の追加、曲情報の編集、プレイリストの作成など、様々な方法で自分だけの理想の音楽ライブラリを構築し、整理することができます。

3.1 音楽ファイルの追加

iTunesライブラリに音楽を追加する方法はいくつかあります。

  • 既存の音楽ファイルをiTunesに取り込む:
    お使いのコンピューターの別の場所(マイドキュメント、ダウンロードフォルダ、外付けHDDなど)に保存されている音楽ファイルをiTunesライブラリに追加するには、以下の方法があります。

    1. ドラッグ&ドロップ: 最も簡単な方法です。エクスプローラー(Windows)またはFinder(Mac)で音楽ファイルや音楽ファイルが入ったフォルダを選択し、それをiTunesのメインウィンドウ(ソースリストではなくコンテンツ表示エリアの方)にドラッグ&ドロップします。iTunesが自動的にファイルをコピーしてライブラリに追加します。
    2. ファイルメニューから追加:
      • メニューバーの「ファイル」をクリックします。
      • 「ファイルをライブラリに追加…」(Windows)または「ライブラリに追加…」(Mac)を選択します。
      • ファイル選択ダイアログが表示されるので、追加したい音楽ファイルやフォルダを選択し、「開く」または「選択」をクリックします。
        これらの方法で追加されたファイルは、デフォルト設定ではiTunes Mediaフォルダ(通常は「ミュージック」フォルダ内の「iTunes」フォルダ内)にコピーされて整理されます。元のファイルはそのまま残ります。もしコピーせずに元の場所で管理したい場合は、環境設定の詳細タブで設定を変更できますが、iTunes Mediaフォルダで一元管理する方がライブラリの整合性を保ちやすく推奨されます。
  • CDから音楽をインポートする:
    CDから音楽をiTunesライブラリに取り込むことも非常に簡単です。

    1. オーディオCDをコンピューターのCD/DVDドライブに挿入します。
    2. iTunesが起動している場合、通常は挿入されたCDを自動的に認識し、「CD ‘アルバム名’ をライブラリにインポートしますか?」というダイアログが表示されます。
    3. 「はい」を選択すると、CDに含まれる曲のリストが表示されます。Gracenote(CDDB)というオンラインデータベースから自動的にアルバム名、アーティスト名、曲名などの情報(CD情報)を取得しようとします。情報が見つかれば、リストに表示されます。情報が見つからない場合や、誤っている場合は、後から手動で編集できます。
    4. インポートしたい曲にチェックが入っていることを確認します。必要ない曲はチェックを外します。
    5. 右下にある「CDをインポート」ボタンをクリックします。
    6. インポート設定に関するダイアログが表示されます。ここで、CDから取り込む際のファイル形式(エンコード方式)と音質を選択します。
      • エンコード方式:
        • AACエンコーダー: iTunesの標準設定で、音質とファイルサイズのバランスが良い形式です。特にAppleデバイスとの互換性が高いです。
        • MP3エンコーダー: 多くのデバイスやソフトウェアで再生可能な互換性の高い形式です。Appleデバイス以外でもよく音楽を聴く場合に便利です。
        • AIFFエンコーダー / WAVエンコーダー: 圧縮されていないため高音質ですが、ファイルサイズが非常に大きくなります。音質にこだわる方向けです。
        • Apple Losslessエンコーダー: 音質を劣化させずに圧縮する可逆圧縮形式です。ファイルサイズは元のWAVなどより小さくなりますが、AACやMP3よりは大きいです。高音質を維持しつつ、ある程度ファイルサイズを抑えたい場合に適しています。
      • 設定(音質): エンコーダーの種類を選択したら、その音質を設定します。例えば、AACやMP3の場合はビットレート(kbps)を選択します。ビットレートが高いほど音質は良くなりますが、ファイルサイズは大きくなります。「高音質 (128 kbps AAC)」「iTunes Plus (256 kbps AAC)」「高音質 (192 kbps MP3)」など、プリセットが用意されています。特別な理由がなければ、「iTunes Plus (256 kbps AAC)」または「高音質 (192 kbps MP3)」あたりが一般的な用途に適しています。
    7. 設定を選択したら、「OK」をクリックします。CDからのインポートが開始されます。プログレスバーで進捗を確認できます。
    8. インポートが完了すると、CDは自動的に取り出されるか、完了通知が表示されます。インポートされた曲はiTunesライブラリに追加され、すぐに再生できるようになります。

3.2 曲情報の編集

iTunesライブラリに追加された曲には、様々な情報(タグ情報、メタデータ)が付与されています。曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル、年、トラック番号などがこれにあたります。これらの情報は、ライブラリを整理したり、目的の曲を検索したりする上で非常に重要です。情報が間違っている場合や、自分で情報を追加・変更したい場合は、手動で編集できます。

  1. 曲情報の表示と編集:

    • 情報を編集したい曲を選択します(複数の曲をまとめて選択することも可能です)。
    • 右クリックしてコンテキストメニューを表示し、「プロパティ」を選択します。または、メニューバーの「編集」>「[曲名] の情報を見る」を選択します(複数選択時は「項目の情報を見る」)。
    • 「情報」ウィンドウが表示されます。「詳細」タブでは、曲名、アーティスト名、アルバム名、アルバムアーティスト、ジャンル、年、トラック番号、ディスク番号、コンピレーション(V.A.などのオムニバスアルバムかどうか)などの項目を編集できます。
    • 「アートワーク」タブでは、アルバムジャケット画像を追加または変更できます。画像をドラッグ&ドロップするか、「アートワークを追加」ボタンからファイルを選択して設定します。インターネットからアートワークを自動的に取得する機能もあります(右クリックメニューの「アートワークを取得」)。
    • 「歌詞」タブでは、曲の歌詞を追加できます。
    • 「オプション」タブでは、音量調整、開始/停止時間の設定、メディアの種類(音楽、Podcastなど)などを設定できます。
    • 「並べ替え」タブでは、アーティスト名やアルバム名を、表示用とは別に並べ替え用に設定できます(例:「The Beatles」を「Beatles, The」として並べ替えたい場合など)。
    • 「ファイル」タブでは、ファイルの形式、サイズ、ビットレート、保存場所などの情報を確認できます(編集はできません)。
    • 必要な情報を入力または編集したら、「OK」をクリックして変更を保存します。
  2. 情報の自動取得(Gracenoteなど):
    CDからインポートする際にGracenoteから情報を取得するだけでなく、既にライブラリにある曲についても、情報が不足している場合にインターネットから情報を取得できる機能があります。対象の曲を選択し、右クリックメニューから「トラック名を自動取得」を選択します。ただし、これはCDから取り込んだ曲に対して有効な場合が多く、全てのファイル形式や状況で使えるわけではありません。

曲情報を正確に編集しておくことで、ライブラリの検索や整理が格段に便利になります。特にアルバムアーティストやコンピレーション情報は、アルバム単位での整理に影響するため重要です。

3.3 ライブラリの整理

iTunesライブラリが大きくなってくると、効率的に管理するための整理テクニックが重要になります。

  • 並べ替えと検索:
    コンテンツ表示エリアがリスト表示の場合、カラムヘッダーをクリックすることで、その項目(曲名、アーティスト名、アルバム名、時間、追加日など)で昇順または降順に並べ替えることができます。
    検索バーを使えば、キーワードを入力するだけで、ライブラリ全体から曲名、アーティスト名、アルバム名などを瞬時に検索できます。検索結果は入力するそばから絞り込まれていくので、目的の曲に素早くたどり着けます。

  • 重複項目の表示と削除:
    誤って同じ曲を複数回ライブラリに追加してしまうことがあります。重複項目を表示して整理することができます。

    • メニューバーの「ファイル」>「ライブラリ」>「重複項目を表示」を選択します。
    • ライブラリ内で重複していると思われる項目が一覧表示されます(完全に一致するものだけでなく、似ているものも表示される場合があります)。
    • 重複している項目の中から、残したいもの以外を選択し、Deleteキーを押すか右クリックメニューから「ライブラリから削除」を選択します。削除時に「ゴミ箱に入れる」か「ファイルを残す」かを選択できます。通常は「ゴミ箱に入れる」を選択して、不要なファイルも一緒に削除します。
    • 重複項目の表示を解除するには、再度メニューバーの「ファイル」>「ライブラリ」>「重複項目を表示」を選択してチェックを外すか、ソースリストの他の項目を選択します。
  • 紛失したファイルの場所特定と修復:
    iTunesは、インポートされた音楽ファイルの「場所」(ファイルパス)を記録しています。しかし、iTunes外でファイルやフォルダを移動したり、削除したりすると、iTunesがそのファイルを見つけられなくなり、曲名の横に「!」マークが表示されることがあります。
    「!」マークの付いた曲を再生しようとすると、「元のファイルが見つからなかったため再生できませんでした。探しますか?」のようなメッセージが表示されます。ここで「探す」を選択し、ファイルの現在の場所を指定してあげると、その曲のリンクが修復されます。複数の曲が同じ場所(同じフォルダ)にある場合、一つを修復すると同じフォルダ内の他の曲も自動的に修復されることがあります。
    もし多くのファイルが紛失している場合は、ファイル管理方法を見直すか、iTunes Mediaフォルダで一元管理する設定(環境設定の詳細タブ)を確認し、必要に応じてライブラリを再構築することも検討します。

3.4 再生リスト(プレイリスト)の作成

プレイリストは、ライブラリ内の曲を自由に組み合わせて作成できるリストです。気分やシチュエーションに合わせて、特定の曲だけを集めたプレイリストを作成することで、音楽をより楽しく聴くことができます。

  • 標準プレイリストの作成:

    1. メニューバーの「ファイル」>「新規」>「プレイリスト」を選択します。または、ソースリストの「プレイリスト」の見出しの横にある「+」ボタンをクリックし、「新規プレイリスト」を選択します。
    2. 新しいプレイリストがソースリストに作成され、名前を入力できるようになります。分かりやすいプレイリスト名(例: 「ドライブ用」「朝の定番」「作業用BGM」など)を入力してEnterキーを押します。
    3. 作成したプレイリストがソースリストで選択された状態になっていることを確認します。コンテンツ表示エリアは空の状態です。
    4. ライブラリ(音楽セクション)に戻り、プレイリストに追加したい曲を探します。
    5. 追加したい曲を選択し、ソースリストにある作成したプレイリストにドラッグ&ドロップします。複数の曲を選択して一度に追加することも可能です。
    6. プレイリストを選択し直すと、追加した曲が表示されます。プレイリスト内での曲の順番は自由にドラッグ&ドロップで並べ替えることができます。
  • スマートプレイリストの作成:
    スマートプレイリストは、指定した条件に合致する曲をiTunesが自動的に集めて作成するプレイリストです。条件に合う新しい曲がライブラリに追加されたり、既存の曲の情報が変更されたりすると、プレイリストの内容も自動的に更新されます。

    1. メニューバーの「ファイル」>「新規」>「スマートプレイリスト」を選択します。または、ソースリストの「プレイリスト」の見出しの横にある「+」ボタンをクリックし、「新規スマートプレイリスト」を選択します。
    2. スマートプレイリストのルール設定ウィンドウが表示されます。
    3. 「次の条件に一致する項目を含める」にチェックを入れ、ドロップダウンメニューを使って条件を設定します。条件は複数設定でき、「すべてに一致」または「いずれかに一致」を選択できます。
      • 例1: 「ジャンル」が「Pop」で、かつ「評価」が「★★★★★」の曲を含める。
      • 例2: 「アーティスト」に「Beatles」が含まれる曲を含める。
      • 例3: 「追加日」が「直近 30 日以内」の曲を含める。
      • 例4: 「再生回数」が「0」で、かつ「最終再生日」が「過去 90 日以内」ではない曲(=最近聴いていない曲)を含める。
    4. 「制限」オプションで、プレイリストに含まれる項目の数や合計時間、容量などに上限を設定できます。
    5. 「ライブアップデート」にチェックを入れておくと、条件を満たす曲がライブラリに追加されたり変更されたりするたびに、プレイリストが自動的に更新されます。
    6. 「OK」をクリックして設定を完了します。新しいスマートプレイリストがソースリストに追加されます。
  • プレイリストの書き出し/読み込み:
    作成したプレイリストはファイルとして書き出すことができます。これにより、他のコンピューターのiTunesに同じプレイリストを再現したり、プレイリスト情報を他のソフトウェアで利用したりすることが可能です。

    1. 書き出したいプレイリストを選択します。
    2. メニューバーの「ファイル」>「ライブラリ」>「プレイリストを書き出す…」を選択します。
    3. 保存場所とファイル名を指定します。ファイル形式は通常XML形式(.xml)またはM3U形式(.m3u)を選択できます。iTunesライブラリ間でやり取りする場合はXMLが、他の一般的なメディアプレーヤーで利用する場合はM3Uが適しています。
    4. 「保存」をクリックします。
      他のiTunesライブラリにプレイリストを読み込む場合は、メニューバーの「ファイル」>「ライブラリ」>「プレイリストを読み込む…」を選択し、保存したプレイリストファイルを選択します。ただし、プレイリストに含まれる曲ファイル自体は読み込まれません。読み込み先のライブラリに同じ曲が存在している必要があります。

プレイリストを使いこなすことで、膨大なライブラリの中から聴きたい曲をすぐに選び出し、ストレスなく音楽を楽しめるようになります。

第4章:音楽の再生とコントロール

iTunesは高機能なメディア管理ソフトであると同時に、優れた音楽プレーヤーでもあります。ここでは、iTunesでの基本的な音楽再生方法と、再生に関する便利なオプションについて解説します。

4.1 基本的な再生操作

  • 曲の選択と再生:
    コンテンツ表示エリアに表示されている曲リストの中から、再生したい曲をダブルクリックします。すると、その曲の再生が開始されます。選択した曲からプレイリストやアルバムの順番で再生が続きます。
  • 一時停止、停止、次/前の曲へ移動:
    ウィンドウ上部の再生コントロールエリアにあるボタンを使います。

    • ▶️: 再生/一時停止ボタンです。再生中は一時停止⏸️に、一時停止中は再生▶️に切り替わります。
    • ⏭️: 次の曲へ移動します。
    • ⏮️: 現在の曲の最初に戻ります。もう一度クリックすると、前の曲へ移動します。
  • シークバーによる早送り/巻き戻し:
    再生コントロールエリアにあるプログレスバーは、現在の曲の再生位置を示しています。バー上をドラッグすることで、曲の任意の場所に瞬時に移動(シーク)できます。曲の特定のフレーズを聴き直したい場合などに便利です。
  • ボリューム調整:
    再生コントロールエリアにあるボリュームスライダーを左右にドラッグすることで、iTunesの再生音量を調整できます。お使いのコンピューター全体のボリューム設定とは別に、iTunes内での音量を細かく調整できます。

4.2 再生オプション

より快適に音楽を聴くための便利な再生オプションが用意されています。

  • リピート再生:
    再生コントロールエリアにあるリピートボタン(通常、二重になった矢印のアイコン)をクリックすることで、再生モードを切り替えられます。

    • クリックなし: 通常再生(プレイリストやアルバムの最後まで再生したら停止)
    • 1回クリック(アイコンが青色になる): 現在再生中のプレイリストまたはアルバム全体を繰り返して再生します。
    • 2回クリック(アイコンに「1」が表示される): 現在再生中の曲を繰り返し再生します。
    • 3回クリック: リピート再生をオフにします。
  • シャッフル再生:
    再生コントロールエリアにあるシャッフルボタン(矢印が交差したアイコン)をクリックすることで、再生順序をランダム(シャッフル)にできます。クリックしてアイコンが青色になればシャッフルオン、もう一度クリックしてアイコンが灰色になればシャッフルオフです。
    シャッフル再生は、現在表示されているリスト(ライブラリ全体、特定のプレイリスト、特定のアルバムなど)に対して適用されます。
  • クロスフェード再生:
    曲と曲の間を滑らかに繋いで再生する機能です。曲の終わりが近づくと次の曲の音が徐々にフェードインし、前の曲の終わりと重なるように再生されます。DJミックスのような感覚で聴くことができます。

    • 有効にするには、メニューバーの「編集」(Windows)または「iTunes」(Mac)>「環境設定」を選択します。
    • 「再生」タブをクリックします。
    • 「クロスフェード再生」にチェックを入れ、スライダーでクロスフェードさせる秒数(1秒〜12秒)を設定します。
    • 「OK」をクリックして設定を保存します。
  • サウンドチェック(音量均一化):
    ライブラリ内の曲によって録音レベルが異なり、曲ごとに音量が大きく変わってしまうことがあります。サウンドチェック機能を有効にすると、iTunesが曲を解析し、再生時に音量を自動的に調整して、全ての曲の音量をほぼ一定に保ちます。

    • 有効にするには、メニューバーの「編集」(Windows)または「iTunes」(Mac)>「環境設定」を選択します。
    • 「再生」タブをクリックします。
    • 「サウンドチェック」にチェックを入れます。
    • 「OK」をクリックして設定を保存します。
      この機能は、曲のプロパティにある音量調整設定(「オプション」タブ)と組み合わせて使用することもできます。

4.3 イコライザ(EQ)

イコライザ(Equalizer, EQ)は、音楽の周波数バランスを調整し、音質を変化させる機能です。低音を強調したり、高音をクリアにしたり、特定の楽器の音を目立たせたりすることができます。

  1. メニューバーの「ウィンドウ」>「イコライザ」を選択します。または、再生コントロールエリアの左端にあるアイコン(通常は四角い波形アイコン)をクリックして表示されるメニューから「イコライザ」を選択します。
  2. イコライザウィンドウが表示されます。
  3. 左上の「オン」にチェックを入れることでイコライザが有効になります。
  4. ドロップダウンメニューからプリセット(あらかじめ用意された設定)を選択します。「Bass Booster」「Treble Booster」「Classical」「Pop」「Rock」など、様々なジャンルや音質効果のプリセットがあります。
  5. 自分で細かく調整したい場合は、スライダーを上下にドラッグして、それぞれの周波数帯の音量を調整します。調整した設定は、ドロップダウンメニューから「設定を記憶…」を選択してカスタムプリセットとして保存できます。
  6. 特定の曲やジャンルにだけ特定のEQ設定を適用したい場合は、その曲の「プロパティ」を開き、「オプション」タブの「イコライザプリセット」で設定を選択します。ここに設定すると、全体に適用されるイコライザ設定よりも、曲ごとの設定が優先されます。

イコライザを使うことで、お使いのスピーカーやヘッドホンの特性に合わせて音質を最適化したり、好みの音に変えたりすることができます。

4.4 ミニプレイヤー

iTunesのウィンドウは通常多くのスペースを占めますが、音楽を再生している間だけ表示しておきたい場合など、よりコンパクトにしたいことがあります。そんな時は「ミニプレイヤー」機能が便利です。

  1. iTunesのメインウィンドウが表示されている状態で、ウィンドウの左上にある緑色の最大化/フルスクリーンボタン(Mac)をクリックするか、メニューバーの「表示」>「ミニプレイヤーに切り替え」を選択します。Windowsの場合は、ウィンドウ右上の最大化ボタンの隣にある四角いアイコンをクリックすることでも切り替えられます。
  2. iTunesウィンドウが、再生コントロールエリアとアートワークだけを表示する小さなウィンドウに変わります。
  3. ミニプレイヤーでも、再生/一時停止、次/前へ、ボリューム調整といった基本的な操作は可能です。アートワーク部分をクリックすると、再生中の曲情報や再生キューが表示されます。
  4. ミニプレイヤーから通常のウィンドウに戻すには、ミニプレイヤーウィンドウの左上にある緑色のボタン(Mac)をクリックするか、メニューバーの「表示」>「フルプレイヤーに切り替え」を選択します。Windowsの場合は、ウィンドウ右上のアイコンをもう一度クリックします。

ミニプレイヤーは、他の作業をしながら邪魔にならないように音楽だけを聴きたい場合に便利な表示モードです。

第5章:iTunes Storeの活用

iTunes Storeは、豊富な音楽、ムービー、TV番組などのデジタルコンテンツを購入またはレンタルできるオンラインストアです。iTunesとシームレスに連携しており、購入したコンテンツはすぐにライブラリに追加されます。

5.1 Apple IDの管理

iTunes Storeを利用するには、Apple IDが必要です。Apple IDは、iTunes Storeだけでなく、App Store、iCloud、Apple Music、FaceTimeなど、Appleの様々なサービスで共通して使用されるアカウントです。

  • サインイン/サインアウト:
    iTunes Storeを利用する際は、メニューバーの「アカウント」>「サインイン」からApple IDとパスワードを入力してサインインします。利用を終える際や、他のApple IDに切り替えたい場合は、「アカウント」>「サインアウト」を選択します。
  • アカウント情報の確認と編集:
    サインインした状態で、メニューバーの「アカウント」>「マイアカウントを表示…」を選択すると、アカウント情報のページが開きます。ここで、登録されているメールアドレス、パスワード、セキュリティ情報、支払い方法(クレジットカード情報など)、請求先住所、国/地域などの情報を確認・編集できます。これらの情報は、コンテンツの購入やレンタルに必須ですので、正確に登録しておく必要があります。
  • 購入履歴の確認:
    「マイアカウントを表示…」ページから、「購入履歴」の項目を探し、「すべて見る」などをクリックすると、これまでにiTunes Store(または他のAppleのストア)で購入したコンテンツのリストを確認できます。購入日、コンテンツの種類、価格などが表示されます。問題がある場合は、「問題を報告」リンクからAppleに問い合わせることも可能です。

5.2 コンテンツの検索と購入

iTunes Storeには膨大な数のコンテンツがあります。

  • 音楽、ムービー、TV番組、Podcastなどの検索:
    iTunesウィンドウの右上にある検索バーは、ライブラリだけでなくiTunes Store内のコンテンツも検索できます。検索バーにキーワードを入力すると、ライブラリとStoreの検索結果が同時に表示されます。Storeの検索結果の中から目的のコンテンツをクリックして、詳細ページに移動します。
  • プレビュー機能の利用:
    音楽の曲リストやアルバムページでは、曲名の横にある再生ボタン(アイコン)をクリックすると、通常30秒程度(曲によっては1分30秒程度)の試聴ができます。ムービーやTV番組の詳細ページでは、予告編動画が用意されていることが多く、再生ボタンをクリックして視聴できます。購入前に内容を確認できる便利な機能です。
  • 購入/レンタル手続き:
    コンテンツの詳細ページやリスト表示で、購入またはレンタルしたいアイテムの価格表示ボタンをクリックします。例えば、音楽のシングル曲なら「¥250」、アルバムなら「¥2000」、映画なら「¥500で購入 / ¥400でレンタル」といった表示になっています。
    ボタンをクリックすると、購入またはレンタルを確認するダイアログが表示されます。通常はApple IDのパスワード入力が求められます。パスワードを入力して「購入する」(または「レンタルする」)ボタンをクリックすると、取引が確定し、コンテンツのダウンロードが開始されます。

5.3 購入したコンテンツのダウンロード

iTunes Storeで購入またはレンタルしたコンテンツは、基本的に自動的にiTunesライブラリにダウンロードされます。

  • 購入後の自動ダウンロード:
    購入手続きが完了すると、iTunesは自動的にコンテンツのダウンロードを開始します。ダウンロードの進捗は、iTunesウィンドウ上部(再生コントロールエリアの下あたり)に表示されるダウンロードアイコン(下向き矢印の雲アイコン)や、メニューバーの「Store」>「ダウンロード」で確認できます。
  • 手動でのダウンロード開始:
    なんらかの理由で自動ダウンロードが開始されなかったり、途中で中断されたりした場合は、手動でダウンロードを再開できます。

    • メニューバーの「Store」>「ダウンロード」を選択します。未完了のダウンロードがあればリストが表示されます。「すべて再開」ボタンをクリックすると、保留中のダウンロードが再開されます。
    • また、既に購入済みのコンテンツは、iTunes Storeの該当ページや、アカウントの「購入済み」セクション(メニューバーの「アカウント」>「購入済み」)から再度ダウンロードできます(再ダウンロードに料金はかかりません)。
  • 中断したダウンロードの再開:
    ネットワーク接続の問題などでダウンロードが中断された場合でも、iTunesは中断箇所からダウンロードを再開できる場合があります。ダウンロード画面や、iTunesの再起動によって自動的に再開されることが多いです。

5.4 Wish List(ほしい物リスト)

すぐに購入しないけれど、後で購入を検討したいコンテンツがある場合、「Wish List(ほしい物リスト)」に追加しておくことができます。

  • iTunes Storeでコンテンツを閲覧中に、そのアイテムの価格表示の近くにあるハートマーク(♡)をクリックします。ハートが塗りつぶされた状態(❤️)になれば、Wish Listに追加されたことを示します。
  • Wish Listを確認するには、iTunes Storeのトップページやコンテンツ詳細ページにある「Wish List」リンク(通常は右上あたり)をクリックします。
  • Wish Listのアイテムから直接購入したり、リストから削除したりすることができます。

5.5 ギフト

iTunes Storeのコンテンツを他の人にプレゼントすることもできます。

  • 贈りたいコンテンツ(曲、アルバム、ムービーなど)の詳細ページを開きます。
  • 価格表示の近くにある「ギフトとして贈る」リンクをクリックします。
  • 贈り先の相手のメールアドレス、差出人の名前、メッセージなどを入力し、ギフトを贈る日付(すぐに贈るか、後日指定した日時に贈るか)を設定します。
  • 支払い方法を選択し、購入手続きを進めます。
  • 指定した日時に、相手にギフトコードが記載されたメールが送信されます。相手はそのコードをiTunesで引き換えることでコンテンツを受け取ることができます。

iTunes Storeは、あなたのエンターテイメントライフを豊かにするためのコンテンツ宝庫です。これらの機能を活用して、様々なデジタルコンテンツを楽しんでください。

第6章:iPhone/iPad/iPodとの同期

iTunesの非常に重要な役割の一つに、iPhone、iPad、iPodといったApple製デバイスとの連携があります。iTunesライブラリに保存されている音楽、ビデオ、写真などのコンテンツをデバイスに転送したり、デバイスのバックアップを作成したりするために「同期」機能を使用します。

注意: macOS Catalina (10.15) 以降のMacでは、iPhone/iPad/iPodの同期機能はiTunesからFinderに移行しました。この章は主にWindows版iTunes、またはmacOS Mojave (10.14) 以前のMac版iTunesを対象としています。

6.1 デバイスの接続

  • USBケーブル接続:
    デバイスに付属のUSBケーブルを使って、コンピューターとデバイスを接続します。正しく接続されると、iTunesがデバイスを認識し、ソースリスト/サイドバーの「デバイス」セクションにデバイス名が表示されます。
    初めてデバイスを接続した際には、「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージがデバイスの画面に表示されることがあります。信頼しないと同期やデータ転送ができないため、「信頼」をタップします。また、iTunes側でも「このiPhone(またはiPad/iPod)に接続する際にパスワードの入力が必要になることを許可しますか?」のようなメッセージが表示されることがあり、「続ける」などをクリックして許可します。
  • Wi-Fi同期の設定と利用:
    一度USBケーブルで接続して設定を行うと、次回からは同じWi-Fiネットワークに接続している間は、ケーブルなしでワイヤレスで同期できるようになります。

    1. デバイスをUSBケーブルで接続し、iTunesでデバイスの概要ページを表示します。
    2. 「オプション」セクションにある「この[デバイス]をWi-Fi経由で同期」にチェックを入れます。
    3. 右下の「適用」または「同期」ボタンをクリックして設定を保存します。
    4. 次回以降、コンピューターとデバイスが同じWi-Fiネットワークに接続され、iTunesが起動していれば、自動的に同期が行われるか、デバイスの概要ページで手動同期が可能になります。

6.2 デバイス情報の確認とバックアップ

デバイスを接続し、iTunesのデバイス概要ページを開くと、デバイスに関する様々な情報が表示されます。

  • 容量の確認:
    デバイスの容量が、音楽、ムービー、写真、アプリ、書類、その他といったカテゴリーごとにどのくらい使用されているかがグラフィカルに表示されます。空き容量も確認できます。これは、同期したいコンテンツがデバイスの容量に収まるかを確認する上で重要です。
  • iOSバージョン、シリアル番号などの確認:
    デバイスのモデル名の下に、iOS(またはiPadOS、iPod software)のバージョン、シリアル番号、モデル番号などが表示されます。
  • バックアップの作成と復元:
    デバイスのデータ(設定、アプリのデータ、写真やビデオ(iCloud写真がオフの場合)、連絡先、カレンダーなど)のバックアップを作成できます。

    • 「バックアップ」セクション: 「このコンピュータ」または「iCloud」のどちらにバックアップを作成するかを選択できます。
      • 「iCloud」: バックアップはインターネット経由でAppleのサーバーに保存されます。Wi-Fi接続時に自動的にバックアップされますが、iCloudストレージの容量制限があります。
      • 「このコンピュータ」: バックアップは接続しているコンピューターのストレージに保存されます。より多くのデータを保存できます。バックアップを暗号化するオプションもあります(パスワードが必要です)。暗号化すると、アカウント情報やヘルスケアデータなどもバックアップに含まれます。
    • 「今すぐバックアップを作成」ボタン: 選択している方法(このコンピュータまたはiCloud)で、その時点でのデバイスのバックアップを手動で作成します。
    • 「バックアップを復元…」ボタン: 以前作成したバックアップを選択し、デバイスに復元することができます。新しいデバイスにデータを移行する際や、デバイスを初期化してからデータを戻す際に使用します。

バックアップは、デバイスのデータが失われた場合の備えとして非常に重要です。定期的にバックアップを作成しておくことを強く推奨します。

6.3 同期設定

デバイスとiTunesライブラリ間で、どのコンテンツをやり取りするかを設定するのが同期設定です。デバイスの概要ページにある左側のリストで、同期したいコンテンツの種類(「ミュージック」「ムービー」「TV番組」「Podcast」「ブック」「写真」「ファイル共有」など)を選択して設定を行います。

  • 同期項目の選択:
    各コンテンツの種類(例: 「ミュージック」)をクリックすると、そのコンテンツに関する同期設定画面に切り替わります。

    • 「ミュージックを同期」などのように、同期したいコンテンツの種類にチェックを入れます。
    • 「すべての[コンテンツ]」または「選択した[コンテンツ]」のどちらを同期するかを選択します。
      • 「すべての[コンテンツ]」: ライブラリにあるその種類のコンテンツ全てをデバイスに転送します。デバイスの容量によっては全て収まらない場合があります。
      • 「選択した[コンテンツ]」: ライブラリの中から、同期したい項目を個別に選択します。音楽の場合は、選択したプレイリスト、アーティスト、アルバム、ジャンルのみを同期するといった設定ができます。これにより、デバイスの容量に合わせて必要なコンテンツだけを厳選して同期できます。
  • 選択したプレイリスト、アーティスト、アルバムのみを同期:
    「選択した[コンテンツ]」を選んだ場合に、表示されるリストから同期したい項目にチェックを入れていきます。例えば音楽なら、プレイリスト、アーティスト、アルバムといったカテゴリーで項目を選択できます。複数の項目にチェックを入れることが可能です。
  • 手動で項目を管理する方法:
    同期設定画面の一番下あたりにある「オプション」セクションに、「音楽とビデオを手動で管理」というチェックボックスがあります。これにチェックを入れると、同期設定(自動同期)が無効になり、iTunesライブラリからデバイスにコンテンツをドラッグ&ドロップで手動で追加できるようになります。特定の曲やビデオだけを素早く転送したい場合に便利ですが、ライブラリとデバイスの内容を一致させておくのが難しくなるため、基本的には自動同期を利用するのが推奨されます。

6.4 同期の実行

同期設定が完了したら、実際に同期を実行してコンテンツをデバイスに転送します。

  • 自動同期と手動同期:
    • 自動同期: デバイスをコンピューターに接続した際(またはWi-Fi同期が有効な場合は同じネットワークに接続した際)に、iTunesがデバイスを認識すると自動的に同期が開始されるように設定できます。デバイスの概要ページの「オプション」セクションにある「この[デバイス]を接続時に自動的に同期」にチェックが入っていると有効になります。
    • 手動同期: デバイスの概要ページの右下にある「同期」ボタンをクリックすることで、いつでも手動で同期を開始できます。設定変更を行った後などは、必ず「適用」ボタンまたは「同期」ボタンをクリックして設定を保存し、同期を実行してください。
  • 同期中の注意点:
    同期中は、iTunesウィンドウ上部に同期の進捗状況が表示されます。同期が完了するまで、デバイスをコンピューターから取り外したり、iTunesを終了したりしないでください。データが破損する可能性があります。同期が完了すると、進捗表示が消えるか、「同期が完了しました」といったメッセージが表示されます。デバイスを取り外す際は、ソースリスト/サイドバーのデバイス名の横にある「取り出す」ボタン(上向き三角に横棒のアイコン)をクリックしてからケーブルを取り外すのが安全です。

6.5 同期オプション

同期設定画面の「オプション」セクションには、いくつかの追加オプションがあります。

  • ビデオの解像度変換:
    容量を節約するために、デバイスへの同期時にビデオファイルの解像度をデバイスに適した形式に自動変換するオプションです。
  • 高ビットレート曲をAACに変換:
    CDからApple LosslessやWAVなどの高音質・大容量形式で取り込んだ曲を、デバイスへの同期時に自動的に指定したビットレートのAAC形式に変換するオプションです。デバイスのストレージ容量を節約できますが、変換には時間がかかり、元の高音質ではなくなります。
  • チェックマークのある項目だけを同期:
    iTunesライブラリで曲名の横にあるチェックボックスは、その曲を再生やシャッフル再生の対象に含めるかどうかを制御します。このオプションにチェックを入れると、チェックが入っていない曲はデバイスに同期されなくなります。ライブラリはそのままに、デバイスには聴きたい曲だけを転送したい場合に便利です。
  • 音楽フォルダを管理:
    このオプションを有効にすると、iTunesはライブラリに追加された音楽ファイルを自動的に「iTunes Media」フォルダ内に整理します。ファイル名やフォルダ構造をiTunesが管理するため、ライブラリの整合性が保たれやすくなります(第3章1.で触れた設定です)。

iPhoneなどとの同期は、iTunesの最もよく使われる機能の一つです。これらの設定を理解し、適切に利用することで、デバイスで快適にメディアを楽しむことができます。

第7章:その他の便利な機能

iTunesには、音楽管理やデバイス同期以外にも、様々な便利な機能が搭載されています。いくつか代表的なものを紹介します。

7.1 ホームシェア

ホームシェア機能を使うと、同一のローカルネットワーク(自宅のWi-Fiなど)に接続された最大5台のコンピューター間で、iTunesライブラリ内のコンテンツ(音楽、ムービー、TV番組、アプリなど)を共有できます。いちいちファイルをコピーしたり同期したりすることなく、他のコンピューターのライブラリを直接再生したり、自分のライブラリに取り込んだりできます。

  • 設定方法:
    1. コンテンツを共有したいすべてのコンピューターのiTunesで、メニューバーの「ファイル」>「ホームシェア」>「ホームシェアをオンにする」を選択します。
    2. Apple IDとパスワードを入力してサインインします。ホームシェアでは、同じApple IDを使う必要があります。
    3. ホームシェアがオンになると、ソースリスト/サイドバーの「ホームシェア」セクションに、同じApple IDでサインインしている他のコンピューターのライブラリが表示されます。
  • 利用方法:
    ソースリスト/サイドバーの「ホームシェア」に表示された他のコンピューターのライブラリ名をクリックすると、そのライブラリの内容を閲覧・再生できます。他のライブラリの曲を自分のライブラリに追加したい場合は、曲を選択してドラッグ&ドロップするか、右下の「取り込み」ボタンをクリックします。

ホームシェアは、家族がそれぞれコンピューターを持っている場合などに、メディアライブラリを共有するのに非常に便利な機能です。

7.2 Genius

Geniusは、あなたのiTunesライブラリに含まれる音楽データに基づいて、新しいプレイリストを自動的に作成したり、iTunes Storeで好みに合うと思われる曲を推薦したりする機能です。

  • Geniusプレイリスト:
    iTunesがライブラリを分析し、似た雰囲気やジャンルの曲をグループ化してGeniusプレイリストを作成します。特定の曲を1曲選択し、右クリックメニューから「Geniusプレイリストを作成」を選択すると、その曲と似た曲を集めたプレイリストが瞬時に生成されます。
  • Genius Mixes:
    iTunesがライブラリ内の曲を分析して、複数のジャンルや雰囲気に分類し、それぞれをミックスした連続再生リスト(Genius Mixes)を自動で作成します。ソースリストの「Genius Mixes」セクションに表示されます。新しい音楽の組み合わせを発見するのに役立ちます。
  • Geniusおすすめ:
    iTunes Storeにアクセスした際に、あなたのライブラリの傾向に基づいて、ストア内で購入できるおすすめの曲やアルバムを表示してくれます。

Genius機能を利用するには、メニューバーの「Store」>「Geniusをオンにする」を選択し、iTunesにライブラリ情報の匿名での収集・利用を許可する必要があります。プライバシーが気になる場合はオフにすることも可能です。

7.3 CD/DVDの作成

iTunesは、ライブラリ内の曲を組み合わせてオーディオCDやデータCD/DVDを作成する機能も持っています。

  1. CD/DVDに書き込みたい曲を集めたプレイリストを作成します。
  2. 作成したプレイリストをソースリストで選択します。
  3. 空のCD-R、CD-RW、DVD-Rなどをコンピューターのドライブに挿入します。
  4. メニューバーの「ファイル」>「プレイリストからディスクを作成」を選択します。
  5. ディスク作成設定ダイアログが表示されます。
    • ディスクフォーマット:
      • オーディオCD: 一般的な音楽CDプレーヤーで再生できる形式です。容量に制限があり、通常は最大約74〜80分の音楽を収録できます。インポート設定で選択した形式に関わらず、CD-DA形式に変換されて書き込まれます。
      • MP3 CD: MP3形式で圧縮された音楽ファイルを書き込みます。一般的な音楽CDより多くの曲を収録できますが、MP3形式に対応したプレーヤーでなければ再生できません。
      • データCDまたはDVD: ライブラリ内の音楽ファイルやその他のファイルを、元の形式のままデータファイルとして書き込みます。バックアップや、ファイルを別のコンピューターに移動したい場合などに適しています。容量は使用するメディア(CDまたはDVD)に依存します。
    • 書き込み速度: ドライブがサポートする速度を選択します。通常は最速で問題ありませんが、エラーが多い場合は速度を落とすことを検討します。
    • 曲と曲の間: オーディオCDの場合に、曲間に無音時間を設けるか、クロスフェードするか、または無音時間をなくすかを選択できます。
    • ボリュームの均一化: ディスク全体で音量を均一化するかどうかを選択できます。
  6. 設定を確認したら、「ディスクを作成」ボタンをクリックします。書き込みが開始されます。
  7. 書き込み中は時間がかかる場合があり、完了までコンピューターの操作が重くなることがあります。書き込みが完了するまでドライブからメディアを取り出さないでください。

CD作成機能は、古いカーステレオで聴きたい場合や、音楽をプレゼントしたい場合などに便利です。

7.4 環境設定

iTunesの様々な動作や表示をカスタマイズできるのが「環境設定」です。メニューバーの「編集」(Windows)または「iTunes」(Mac)>「環境設定」からアクセスできます。複数のタブに分かれており、それぞれ重要な設定が含まれています。

  • 一般: iTunesの起動時の動作、iTunes Mediaフォルダの場所、言語、ペアレンタルコントロールなどを設定できます。iTunes Mediaフォルダの場所は、ライブラリファイルが保存される場所であり、外付けHDDなどに変更することも可能です。
  • 再生: 前述のクロスフェード再生、サウンドチェック、イコライザ、再生履歴などを設定できます。
  • 共有: ホームシェアの設定、ライブラリをローカルネットワーク上の他のiTunesと共有する設定などを行います。
  • Store: iTunes Storeに関する設定です。自動ダウンロード、購入時の警告、評価とレビューに関する設定などがあります。
  • デバイス: iPhoneなどのデバイスに関する設定です。自動同期の有効/無効、Wi-Fi同期の設定、バックアップの場所の確認、リモート接続に関する設定などがあります。ここから既存のバックアップを削除することもできます。
  • 詳細: iTunes Mediaフォルダの管理方法(ファイルの整理、ライブラリへの追加時にiTunes Mediaフォルダにコピーするかどうか)、キャッシュ設定、miniプレイヤーの表示オプションなどを設定できます。特に、「iTunes Mediaフォルダを整理する」と「ライブラリに追加時にファイルを[iTunes Mediaフォルダ]にコピーする」のチェックボックスは、ライブラリのファイル管理方法に大きく影響するため重要です。通常は両方にチェックを入れておくことを推奨します。

環境設定を自分の使い方に合わせて調整することで、iTunesをより快適に利用できます。

第8章:よくあるトラブルと解決策

iTunesは安定したソフトウェアですが、コンピューター環境によっては予期せぬ問題が発生することもあります。ここでは、iTunesでよく発生するトラブルと、それぞれの基本的な解決策を紹介します。

8.1 iTunesが起動しない/フリーズする

  • 原因: バックグラウンドでプロセスが残っている、ソフトウェアの一時的な不具合、iTunesファイルの破損、他のソフトウェアとの競合など。
  • 解決策:
    1. コンピューターを再起動する: 多くの問題はコンピューターを再起動することで解消します。
    2. iTunesを強制終了する: タスクマネージャー(Windows: Ctrl+Shift+Esc)またはアクティビティモニタ(Mac: アプリケーション > ユーティリティ)を開き、「iTunes」に関連するプロセスを選択して「プロセスの終了」(Windows)または「終了」(Mac)をクリックします。その後、再度iTunesを起動してみます。
    3. セーフモードで起動する: iTunesを起動する際に、Shiftキー(Windows)またはOptionキー(Mac)を押したままにします。これにより、ライブラリを選択したり、新しいライブラリを作成したりするダイアログが表示されることがあります。既存のライブラリに問題がある場合は、新しいライブラリを作成して問題が解消するか確認します。
    4. iTunesを最新バージョンにアップデートまたは再インストールする: お使いのiTunesが最新バージョンでない場合は、アップデートを試みます。最新バージョンでも問題が解決しない場合は、一度iTunesをアンインストールしてから、Appleの公式サイトから最新版をダウンロードしてクリーンインストールを試みます。インストール手順は第1章を参照してください。
    5. セキュリティソフトの設定を確認する: セキュリティソフト(アンチウイルスソフトなど)がiTunesの正常な動作を妨げている可能性があります。一時的にセキュリティソフトを無効にしてiTunesが起動するか確認します。問題が解消する場合は、セキュリティソフトの設定でiTunesを信頼済みリストに追加するなどの対応が必要です。
    6. ハードウェアの問題: 非常に稀ですが、メモリやHDDの問題が原因でアプリケーションが不安定になることもあります。他のアプリケーションでも同様の問題が発生するか確認し、必要であればハードウェア診断を行います。

8.2 曲が追加できない/再生できない

  • 原因: ファイル形式がiTunesでサポートされていない、ファイルが見つからない(移動または削除された)、ファイルが破損している、DRM保護がかかっている、ファイルのアクセス権がないなど。
  • 解決策:
    1. ファイル形式を確認する: iTunesがサポートしている音楽ファイル形式は、AAC (.m4a), MP3 (.mp3), WAV (.wav), AIFF (.aiff), Apple Lossless (.m4a) です。これらの形式であるか確認します。サポートされていない形式の場合は、他のソフトウェアで対応形式に変換してからiTunesに追加します。
    2. ファイルの場所を確認する: iTunesに「!」マークが表示されている場合は、ファイルが見つかりません。ファイルが移動または削除されていないか確認し、必要であれば手動で場所を指定してリンクを修復します(第3章3.参照)。
    3. ファイルが破損していないか確認する: 他のメディアプレーヤーで再生できるか試してみます。他のプレーヤーでも再生できない場合は、ファイル自体が破損している可能性があります。元のソース(CDなど)から再度インポートするか、ファイルを再入手する必要があります。
    4. DRM保護を確認する: iTunes Storeで購入した一部の古いコンテンツや、他の音楽配信サービスからダウンロードしたファイルには、DRM(デジタル著作権管理)保護がかかっている場合があります。iTunesで購入したコンテンツは、購入に使用したApple IDで認証されたコンピューターでのみ再生できます。メニューバーの「アカウント」>「認証」>「このコンピューターを認証…」から認証を行います。他のサービスで購入したDRM付きファイルは、そのサービスや関連するソフトウェアが必要になる場合があります。
    5. ファイルのアクセス権を確認する: ファイルやフォルダにiTunesがアクセスするための適切なアクセス権があるか確認します。必要に応じてファイルやフォルダのプロパティからアクセス権を設定します。

8.3 iPhone/iPadが認識されない

  • 原因: USBケーブルの問題、USBポートの問題、コンピューターのドライバーの問題、デバイス側の設定、iTunesのバージョン、セキュリティソフトの干渉など。
  • 解決策:
    1. USBケーブルとUSBポートを交換してみる: 別のApple純正またはMFi認証済みのUSBケーブルを試します。また、コンピューター側の別のUSBポートに接続してみます。
    2. コンピューターとデバイスを再起動する: コンピューターとiPhone/iPadの両方を再起動します。
    3. 最新バージョンのiTunesを使用する: デバイスのiOSバージョンに対応したiTunesのバージョンを使用しているか確認します。iTunesは常に最新版にアップデートしておくことが推奨されます。
    4. Apple Mobile Device USB Driverを確認する(Windows): デバイスがiTunesで認識されるには、このドライバーが正しくインストールされている必要があります。デバイスを接続した状態で、デバイスマネージャーを開き、「ユニバーサル シリアル バス デバイス」または「ポータブル デバイス」などの項目に「Apple Mobile Device USB Driver」があるか確認します。問題がある場合は、ドライバーの更新や再インストールを試みます。Appleのサポートページに詳しい手順が掲載されています。
    5. 「このコンピュータを信頼しますか?」のプロンプトを確認する: デバイスを接続した際に、デバイス画面にこのメッセージが表示されていないか確認し、「信頼」をタップします。
    6. セキュリティソフトを一時的に無効にする: セキュリティソフトがデバイスとの通信をブロックしている可能性がないか確認します。
    7. Apple System Profiler/システム情報で確認する(Mac): デバイスを接続した状態で、「アプリケーション」>「ユーティリティ」フォルダにある「システム情報」(macOS Catalina以前は「Apple System Profiler」)を開き、USBの項目に接続したデバイスが表示されているか確認します。表示されない場合は、ハードウェア的な問題(ケーブル、ポート、デバイス本体)が考えられます。

8.4 同期がうまくいかない

  • 原因: デバイスの空き容量不足、iTunesとiOSのバージョン不一致、同期設定の問題、ライブラリファイルの破損、ネットワークの問題(Wi-Fi同期の場合)など。
  • 解決策:
    1. デバイスの空き容量を確認する: 同期しようとしているコンテンツが、デバイスの空き容量に収まるか確認します。デバイスの容量概要(第6章2.参照)で確認できます。容量が不足している場合は、同期するコンテンツを減らすか、デバイス上の不要なデータを削除して空き容量を増やします。
    2. iTunesとiOSのバージョンを確認する: iTunesとデバイスのiOSが最新バージョンであるか確認します。特に、新しいiOSバージョンに対応するためには、最新版のiTunesが必要な場合があります。
    3. 同期設定を確認する: デバイスの同期設定(第6章3.参照)が意図した通りになっているか確認します。「すべての[コンテンツ]」を選択している場合は、本当に全てのコンテンツを同期できる容量があるか確認し、「選択した[コンテンツ]」に切り替えて容量を調整することを検討します。
    4. 手動同期を試す: 自動同期がうまくいかない場合は、手動で「同期」ボタンをクリックして同期を開始してみます。
    5. デバイス上の同期設定をリセットする: デバイスの設定アプリを開き、「一般」>「[デバイス]を転送またはリセット」>「リセット」>「位置情報とプライバシーをリセット」をタップします。これにより、iTunesなど、コンピュータとの接続許可に関する設定がリセットされます。リセット後、再度コンピューターに接続し、「このコンピュータを信頼しますか?」というプロンプトが表示されたら「信頼」を選択して、iTunesでデバイスを認識させ、同期を試みます。
    6. iTunes Mediaフォルダとライブラリファイルの整合性を確認する: 環境設定の詳細タブで、「iTunes Mediaフォルダを整理する」と「ライブラリに追加時にファイルを[iTunes Mediaフォルダ]にコピーする」にチェックが入っているか確認します。これらの設定がオフになっている場合や、ライブラリファイル自体に問題がある場合は、ライブラリの整合性が失われている可能性があります。場合によっては、新しいiTunesライブラリを作成し、音楽ファイルを再度追加すると問題が解決することがあります(ただし、再生回数などの履歴情報は失われます)。
    7. Wi-Fi同期の場合、ネットワークを確認する: コンピューターとデバイスが同じWi-Fiネットワークに接続されているか、ネットワークが安定しているか確認します。ファイアウォールやセキュリティソフトが通信をブロックしている可能性がないか確認します。

8.5 iTunes Storeに接続できない

  • 原因: インターネット接続の問題、Appleサーバーの問題、ファイアウォールやセキュリティソフトの干渉、iTunesやOSのバージョン、Apple IDの問題など。
  • 解決策:
    1. インターネット接続を確認する: コンピューターがインターネットに正しく接続されているか確認します。ウェブブラウザで他のウェブサイトが見られるか試します。
    2. Appleサーバーの状態を確認する: Appleの公式サイトにあるシステム状況ページを確認し、iTunes Storeや関連サービスに障害が発生していないか確認します。
    3. iTunesを最新バージョンにアップデートする: 最新のiTunes Storeへの接続には、最新版のiTunesが必要な場合があります。
    4. ファイアウォールやセキュリティソフトの設定を確認する: ファイアウォールやセキュリティソフトがiTunesのインターネット接続をブロックしている可能性があります。iTunesの通信を許可するように設定を変更するか、一時的に無効にして接続できるか確認します。
    5. コンピューターの日付、時刻、タイムゾーンが正確か確認する: これらがずれていると、セキュリティ証明書の検証に失敗し、ストアに接続できないことがあります。自動的に設定されるようにしておくのが良いでしょう。
    6. Hostsファイルをリセットする(Windows): 非常に稀ですが、Hostsファイルが改変されていると特定のサイトにアクセスできなくなることがあります。MicrosoftのサポートページなどにHostsファイルをリセットする手順が掲載されています。
    7. Apple IDに問題がないか確認する: ウェブブラウザからApple IDのアカウントページにサインインできるか確認します。アカウントがロックされていないか、支払い情報に問題がないか確認します。

これらの基本的なトラブルシューティング手順は、多くの問題を解決するのに役立ちます。問題が解決しない場合は、Appleのサポートページを参照するか、Appleサポートに問い合わせることを検討してください。

おわりに:iTunesとともに歩むデジタルライフ

この記事では、iTunesの導入から始まり、画面構成、基本的なライブラリ管理、音楽再生、iTunes Storeの利用、そしてiPhoneなどのAppleデバイスとの同期といった、iTunesを使いこなす上で不可欠な基本的な操作方法について詳しく解説しました。さらに、ホームシェアやGeniusといった便利な機能、そしてよくあるトラブルとその対処法についても触れました。

iTunesは、登場以来、私たちのデジタルメディアの楽しみ方を大きく変えてきたソフトウェアです。特に音楽管理においては、CDからデジタルファイルへの移行、オンラインストアでの楽曲販売、そしてiPodやiPhoneといったポータブルデバイスとの連携において、常に中心的な役割を果たしてきました。

近年、Macにおいては、iTunesの機能がMusic、TV、Podcast、Finderといったより専門的なアプリケーションに分割・統合されるという大きな変化がありました。これは、ストリーミングサービスであるApple Musicの台頭や、各メディア体験のさらなる深化に対応するための進化と言えるでしょう。しかし、Windows版のiTunesは引き続き提供されており、ローカルに所有するメディアファイルの管理や、iPhoneなどのデバイス管理において、今後も重要なツールであり続けます。

iTunesは多機能ゆえに、最初は戸惑うことがあるかもしれません。しかし、この記事で紹介した基本的な操作を一つずつ試していくことで、必ず使いこなせるようになります。あなたの音楽、ビデオ、ポッドキャストといった大切なデジタルライブラリをiTunesでしっかりと管理し、いつでも好きな時に、好きな場所で、最高の状態で楽しめるようにしてください。

この記事が、あなたのiTunesを使ったデジタルライフをより快適で豊かなものにするための一助となれば幸いです。iTunesの機能を最大限に活用して、あなたのメディア体験をさらに深めていきましょう。


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