【初心者向け】Runwayの使い方ガイド


【初心者向け】Runwayの使い方ガイド:AIで動画制作の新しい扉を開こう!

はじめに:Runwayとは何か? なぜ今、Runwayなのか?

動画制作と聞いて、あなたはどんなイメージを抱きますか? 専門的なソフトウェア、高価な機材、そして習得に時間がかかるスキル… かつてはそうでした。しかし、AI技術の驚異的な進化は、この状況を大きく変えつつあります。

その最前線にいるのが、「Runway」です。

Runwayとは、AIを活用した動画生成・編集プラットフォームです。テキストや簡単な指示だけで全く新しい動画を生成したり、既存の動画や画像をAIの力で驚くほど簡単に加工したりすることができます。従来の動画編集ソフトのような複雑な操作や専門知識がなくても、クリエイティブなアイデアを素早く形にできるのがRunwayの最大の魅力です。

「動画を作ってみたいけど難しそう…」「もっと手軽に動画編集したい」「AIでどんなことができるのか試してみたい」—— もしあなたがそう感じているなら、Runwayはまさにうってつけのツールです。初心者の方でも直感的に操作できるように設計されており、あなたのクリエイティブな可能性を大きく広げてくれるでしょう。

この記事では、全くの初心者の方でもRunwayを使い始められるように、アカウント作成から基本的なAI機能、そして動画編集エディターの操作方法まで、詳細かつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたもRunwayを使ってアイデアを形にする楽しさを実感しているはずです。

さあ、RunwayでAI動画制作の新しい世界へ一緒に踏み出しましょう!

1. Runwayを始めるための第一歩:登録と基本画面の説明

Runwayを使い始めるのは非常に簡単です。まずはアカウントを作成しましょう。

1.1 アカウント作成方法

  1. Runway公式サイト(runwayml.com)にアクセスします。
  2. 画面中央や右上に表示されている「Try for Free」や「Sign Up」ボタンをクリックします。
  3. 登録画面が表示されます。Googleアカウント、またはメールアドレスとパスワードを使って登録できます。
    • Googleアカウントで登録: 「Sign Up with Google」をクリックし、指示に従ってGoogleアカウントを選択します。
    • メールアドレスで登録: 「Sign Up with Email」をクリックし、メールアドレス、パスワードを入力して「Sign Up」をクリックします。確認メールが届く場合があるので、指示に従って認証を完了させます。
  4. 簡単なアンケート(利用目的など)が表示されることがありますが、スキップしても構いません。

これでRunwayアカウントの作成は完了です!無料プランでRunwayの様々な機能を試すことができます。

1.2 Runwayのダッシュボード画面を知る

ログインすると、Runwayのダッシュボード(ホーム画面)が表示されます。ここがRunwayでの作業の出発点となります。画面構成を理解しましょう。

  • サイドバー(左側): 主な機能へのナビゲーションメニューです。
    • Home: ダッシュボードに戻ります。
    • Projects: 作成中の動画プロジェクトや、過去に作成・編集した動画プロジェクトの一覧が表示されます。
    • Assets: アップロードした画像、動画、音声などの素材、またはRunwayで生成したAI素材が一元管理されています。
    • AI Magic Tools: Runwayの核となるAI機能の一覧です。ここから様々なAIツールを選択して利用します。
    • Pricing: プランの詳細を確認できます。
    • Help: ヘルプセンターやチュートリアルにアクセスできます。
    • Account: アカウント設定や利用状況(クレジット数など)を確認できます。
  • メインエリア: 選択したメニューに応じた内容が表示されます。
    • Home画面では、最近のプロジェクト、よく使うAIツールへのショートカット、新しい機能の紹介などが表示されます。
    • AI Magic Toolsを選択すると、利用可能なAIツールが一覧で表示されます。
    • Projectsを選択すると、プロジェクト一覧が表示されます。
  • 上部バー:
    • 画面右上にはアカウントアイコンが表示され、設定やサインアウトができます。
    • クレジット数が表示されていることもあります(無料プランや有料プランで利用できるAI機能の処理能力を示すポイントのようなものです)。

まずは「AI Magic Tools」と「Projects」の場所を覚えておきましょう。AI Magic Toolsで素材を作成・加工し、Projectsでそれらの素材を使って動画プロジェクトを組み立てていく、という流れが基本になります。

1.3 Runwayのプランについて:無料 vs 有料

Runwayには無料プランといくつかの有料プランがあります。初心者の方はまず無料プランで試してみるのが良いでしょう。

  • 無料プラン (Free):
    • Runwayの基本的な機能(AI Magic Toolsの一部、動画編集エディター)を利用できます。
    • 利用には「クレジット」が必要です。AI機能を使うたびにクレジットが消費されます。無料プランでは一定数のクレジットが付与されますが、使い切ると回復するまで待つか、アップグレードが必要になります。
    • 生成できる動画の長さや解像度に制限があります(例: Gen-2動画は最大数秒、エクスポートは低解像度・ウォーターマーク付きなど)。
    • 利用できるAI Magic Toolsに制限がある場合があります。
    • プロジェクトの数や保存容量にも制限があります。
    • 商用利用は原則としてできません。
  • 有料プラン (Standard, Pro, Unlimitedなど):
    • より多くのクレジットが付与されるか、またはクレジット無制限(Unlimitedプラン)。
    • 生成・エクスポートできる動画の長さや解像度が向上します(フルHD、4Kなど)。
    • 生成される動画からウォーターマークが削除されます。
    • 利用できるAI Magic Toolsの種類が増えたり、より高性能なバージョンを利用できたりします。
    • プロジェクト数、保存容量が増加します。
    • 商用利用が可能です。

まずは無料プランで触ってみて、自分のやりたいことが無料プランの範囲で収まるか、それとももっと高度な機能や長い動画が必要かを判断するのがおすすめです。無料プランでも多くのAI機能を試すことができます。

2. AI Magic Toolsを使いこなす:驚きのAI機能群

Runwayの最もエキサイティングな部分は、この「AI Magic Tools」にあります。様々な種類のAIツールが用意されており、画像、動画、テキストなどを自在に操ることができます。ここでは、特に初心者におすすめのツールを中心に紹介します。

AI Magic Toolsは常に進化し、新しいツールが追加されたり既存のツールがアップデートされたりします。サイドバーの「AI Magic Tools」をクリックして、どんなツールがあるか見てみましょう。

2.1 テキストや画像から動画を生成:Gen-1 & Gen-2

Runwayの看板機能とも言えるのが、テキストや画像から動画を生成する機能です。特に「Gen-2」は、その表現力の高さで注目されています。

Gen-2: テキストや画像からリアルな動画を生成

Gen-2は、あなたが入力したテキスト(プロンプト)や、参照としてアップロードした画像/動画を元に、全く新しい動画を生成します。「未来的な都市を飛ぶドローン」といった抽象的な指示から、「木のテーブルの上に置かれた、蒸気を上げるコーヒーカップのクローズアップ」といった具体的な描写まで、様々なシーンを生成できます。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Gen-2」を選択します。
  2. Gen-2の画面が表示されます。ここで、動画を生成するための「モード」を選択します。
    • Text to Video: テキストプロンプトのみで動画を生成します。最もシンプルな方法です。
    • Text + Image to Video: テキストプロンプトと参照画像を組み合わせて動画を生成します。画像の内容や雰囲気を参考にしつつ、テキストで動きやスタイルを指示できます。
    • Image to Video: 参照画像のみで動画を生成します。画像に動きをつけたり、その画像から始まる短い動画を生成したりします。
    • Stylized: 参照動画(または画像)と参照画像(スタイル画像)を組み合わせて、参照動画の内容をスタイル画像のテイストで変換した動画を生成します。アートワークのスタイルを実写映像に適用するなど、クリエイティブな表現が可能です。
    • Storyboard: 静止画のシーケンス(絵コンテのようなもの)をアップロードし、それらを繋いだ動画を生成します。
    • Customization: 独自のモデルを学習させてより精度の高い生成を目指す機能(有料プラン)。
  3. ここでは最も基本的な「Text to Video」を例に進めます。
    • 画面中央の入力ボックスに、生成したい動画の内容を説明するテキスト(プロンプト)を入力します。日本語でも入力できますが、英語の方がより意図した結果を得やすい場合があります。Google翻訳などを活用するのも手です。
      • 良いプロンプトの例:「A cinematic shot of a futuristic car driving on a desert road at sunset, highly detailed, 4K, anamorphic lens flare」(夕焼けの砂漠の道を走る未来的な車の映画のようなショット、高精細、4K、アナモルフィックレンズフレア)
      • 具体的に、被写体、場所、時間帯、雰囲気、カメラワーク、画質などを記述すると、より詳細な結果が得られます。
    • 必要に応じて、生成オプションを設定します。
      • Settings: アスペクト比(縦横比、例: 16:9、1:1、9:16)、シード値(同じ設定で同じ結果を再現するための番号)、ネガティブプロンプト(生成してほしくない要素を指定)などを設定できます。初心者の方は最初はデフォルト設定でも構いません。
      • Motion Brush: 画像モードで特定の部分に動きを指定できます。(現在はText to Videoなど他のモードでも試行的な機能として利用可能)
      • Camera Motion: 生成される動画にカメラの動き(パン、ズーム、チルト、ロール)を追加できます。
  4. 「Generate」ボタンをクリックします。
  5. Runwayがプロンプトを解釈し、動画の生成を開始します。生成には数秒から数十秒(プロンプトや設定、サーバーの混雑状況による)かかります。
  6. 生成された動画がプレビューで表示されます。気に入った場合はダウンロードしたり、Assetsに保存したり、Runwayエディターで使ったりできます。気に入らなければ、プロンプトや設定を変更して再度生成することも可能です(その都度クレジットを消費します)。

プロンプト作成のヒント(Gen-2 Text to Video):

  • 具体的に: 漠然とした指示よりも、「何が(被写体)」「どこで(場所)」「どうしている(動きや状態)」「どんな雰囲気で(スタイル、照明、時間帯)」「どんな画角で(クローズアップ、広角)」「どんなカメラワークで(パン、ズーム)」といった具体的な情報を盛り込むほど、意図に近い結果が得られます。
  • キーワードを盛り込む: 「cinematic」「high quality」「4K」「unreal engine」「studio lighting」といった画質や雰囲気を指定するキーワードは効果的です。
  • 否定的な要素を避ける: 「~ではない」という否定形よりも、含めたい要素を肯定的に記述する方がAIは理解しやすい傾向があります。ただし、ネガティブプロンプト機能を使えば生成したくない要素を明示的に指定できます。
  • 試行錯誤: 一度で完璧な結果が得られるとは限りません。様々なプロンプトや設定を試して、AIの得意な表現や自分の意図を伝えるコツを掴みましょう。
Gen-1: 既存の動画をスタイライズして変換

Gen-1は、アップロードした動画を、テキストプロンプトや参照画像のスタイルで変換するツールです。Gen-2がゼロから動画を「生成」するのに対し、Gen-1は既存の動画を「加工・変換」するイメージです。例えば、実写映像をアニメ風にしたり、特定の画家のタッチで描かれたような動画にしたりできます。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Gen-1」を選択します。
  2. 「Video Input」に変換したい元の動画をアップロードまたはAssetsから選択します。
  3. 「Style Input」を選択します。
    • Preset: Runwayが用意した様々なスタイルプリセット(アニメ、粘土、スケッチなど)から選択します。
    • Image: スタイルとして適用したい画像をアップロードします。その画像の雰囲気や色、テクスチャなどを参照動画に適用しようとします。
    • Text: テキストプロンプトを入力し、その指示に基づくスタイルで動画を変換します。(例: “make it look like a watercolor painting”)
  4. 必要に応じて詳細設定を行います。
    • Style Strength: スタイルの適用度合いを調整します。強くしすぎると元の動画の形が崩れる場合があります。
    • Structure Consistency: 元の動画の動きや構造をどの程度維持するかを調整します。
  5. 「Generate」ボタンをクリックします。
  6. 生成された動画を確認し、必要であれば設定を調整して再生成します。

Gen-1は、手持ちの動画素材を全く新しい表現に生まれ変わらせたい場合に非常に強力です。

2.2 テキストや画像から画像を生成:Text to Image & Image to Image

動画だけでなく、Runwayは画像生成機能も提供しています。

Text to Image: テキストから画像を生成

MidjourneyやStable Diffusionのように、テキストプロンプトから画像を生成します。動画生成のための素材画像を作成したり、単体でイラストやイメージ画像を作成したりするのに便利です。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Text to Image」を選択します。
  2. 生成したい画像の内容を示すテキストプロンプトを入力します。
  3. 必要に応じて設定(アスペクト比、生成枚数、シード値など)を行います。
  4. 「Generate」ボタンをクリックします。
  5. 生成された画像を確認します。
Image to Image: 画像から画像を生成

参照画像を元に、テキストプロンプトや別の参照画像のスタイルを適用して新しい画像を生成します。既存の画像を様々なスタイルに変換したり、アイデアのバリエーションを生成したりするのに役立ちます。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Image to Image」を選択します。
  2. 「Input Image」に参照画像をアップロードまたはAssetsから選択します。
  3. 「Prompt」を入力します。(参照画像の内容を説明するプロンプト、または適用したいスタイルに関するプロンプト)
  4. 必要に応じて「Image Strength」(参照画像をどの程度反映するか)などの設定を調整します。
  5. 「Generate」ボタンをクリックします。

2.3 動画や画像の不要な部分を消す:Inpainting

Inpaintingツールは、画像や動画内の不要なオブジェクトや人物などをブラシで塗りつぶすだけで、周囲の情報を元に自然に消去してくれる魔法のようなツールです。通行人や電線、ロゴマークなどを簡単に削除できます。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Inpainting」を選択します。
  2. 編集したい画像または動画をアップロードまたはAssetsから選択します。
  3. 画面が表示されたら、画面左側のブラシツールを選択します。
  4. 消したい部分をブラシで丁寧に塗りつぶします。ブラシのサイズは調整可能です。動画の場合は、消したいオブジェクトが動くので、フレームごとに追従して塗りつぶす必要があります。(RunwayはAIがオブジェクトをある程度追跡してくれる機能もあります)
  5. 塗りつぶしが終わったら、画面上部または下部に表示される「Inpaint」または「Generate」ボタンをクリックします。(動画の場合は処理に時間がかかります)
  6. AIが塗りつぶした部分を周囲に馴染むように自動生成して置き換えます。
  7. 結果を確認し、必要であれば再度塗りつぶしたり、ブラシサイズを変えてやり直したりします。

動画の場合、オブジェクトが大きく動いたり、背景が複雑だったりすると、きれいに消すのが難しい場合もあります。

2.4 画像の背景を透明にする:Remove Background (Image)

写真の人物や物体の背景を、クリック一つで透明にしてくれるツールです。切り抜いた素材を別の画像と合成したり、デザイン素材として利用したりするのに便利です。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Remove Background (Image)」を選択します。
  2. 背景を透明にしたい画像をアップロードまたはAssetsから選択します。
  3. Runwayが自動で背景を認識し、切り抜きを行います。
  4. 結果を確認します。もし切り抜きが不十分な場合は、画面左側のツール(保持したい部分、削除したい部分をマークするなど)を使って手動で修正できます。
  5. 切り抜きが完了したら、PNG形式(透明情報を保持できる形式)でダウンロードします。

2.5 動画の背景を透明にする:Remove Background (Video)

Runwayの特に強力なAIツールの一つです。グリーンバックなどの専用の背景を使わずに、動画中の人物やオブジェクトの背景を透明にできます。クロマキー合成の手間なく、手軽に合成動画を作成できます。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Remove Background (Video)」を選択します。
  2. 背景を透明にしたい動画をアップロードまたはAssetsから選択します。
  3. 画面が表示されたら、ツールを使って切り抜きたい「対象(マスク)」を指定します。ブラシで人物をなぞる、クリックして対象を自動認識させる、といった方法があります。
  4. Runwayが選択した対象を動画全体で追跡し、背景を分離します。
  5. プレビューで結果を確認します。もし追跡がずれたり、不要な部分が切り抜かれていたりする場合は、マスクを修正できます。
  6. 切り抜きが完了したら、背景が透明になった動画をエクスポートできます。この動画は、Runwayエディターで別の背景と合成したり、背景透過情報をサポートする別の動画編集ソフトで利用したりできます。

精度は動画の内容(被写体と背景のコントラスト、動きの速さなど)によって変動しますが、簡単な動画であれば驚くほどきれいに背景を削除できます。

2.6 画像の一部に動きを加える:Motion Brush

静止画である画像の一部に、指定した方向や速さで動きを加えることができるユニークなAIツールです。写真の一部分だけを揺らしたり、流れ落ちる水を表現したりと、アイデア次第で様々な表現が可能です。

使い方:

  1. AI Magic Tools一覧から「Motion Brush」を選択します。
  2. 動きをつけたい画像をアップロードまたはAssetsから選択します。
  3. 画面が表示されたら、画面左側のブラシツールを選択し、動きをつけたい部分(例:水面、煙、髪の毛など)をブラシで塗りつぶします。
  4. 塗りつぶした部分に対して、動きの方向を示す矢印を描き込みます。矢印の長さや太さで動きの速さを調整できます。複数の部分に異なる動きをつけることも可能です。
  5. 必要に応じて、その他の設定(被写体や背景の固定など)を調整します。
  6. 画面右上の「Generate」ボタンをクリックします。
  7. 画像に動きが加わった短い動画が生成されます。

静止画にちょっとした魔法をかけるような感覚で使えます。

2.7 その他の便利なAI Magic Tools(一部抜粋)

Runwayには上記以外にも様々なAI Magic Toolsが用意されています。ここでは、いくつか主要なものを簡単に紹介します。

  • Erase and Replace: 動画・画像内のオブジェクトを消去し、プロンプトに基づいて新しいオブジェクトに置き換えます。
  • Scene Detection: アップロードした動画を、内容に基づいて自動的に複数のシーンに分割します。編集作業の効率化に役立ちます。
  • Blur Faces: 動画内の顔を自動的に検出し、プライバシー保護のためにぼかし処理を施します。
  • Subtitle: 動画の音声を自動的に認識し、字幕を生成します。多言語にも対応しています。
  • Transcribe: 音声をテキストに書き起こします。動画のセリフを書き出すのに便利です。
  • Slow Motion: 動画のフレーム間にAIが新しいフレームを生成し、滑らかなスローモーション動画を作成します。
  • Super Resolution: 画像や動画の解像度をAIの力で向上させます。
  • Color Grade: 動画の色調を簡単に補正・調整できます。プリセットも豊富です。
  • Frame Interpolation: フレームレートが低い動画に対して、フレーム間に新しいフレームを生成して動画をより滑らかにします。
  • Loop: 短い動画を違和感なくループ再生できるように変換します。GIFアニメーションなどの作成に便利です。

これらのAI Magic Toolsを組み合わせることで、非常に高度でユニークな動画素材を手軽に作成できます。まずは色々なツールを試してみて、どんなことができるのか体感してみましょう。無料プランではクレジット消費や機能制限があるため、生成する内容や回数には注意が必要です。

3. 動画編集エディターの使い方:素材を組み合わせて一つの作品に

AI Magic Toolsで魅力的な素材が準備できたら、次はRunwayの動画編集エディターを使ってそれらを一つの作品にまとめ上げます。AI生成素材だけでなく、自分で撮影した動画や画像、BGMなども組み合わせて編集できます。

3.1 エディター画面の構成を知る

エディターは従来の動画編集ソフトと似た画面構成をしています。

  • プレビューウィンドウ(中央上部): 編集中の動画を確認する画面です。再生、一時停止、早送りなどのコントロールがあります。
  • ツールパネル(左側): 動画編集に必要な様々なツールが並んでいます。
    • Assets (Media): アップロードした素材やAI生成素材を選んでタイムラインに配置します。
    • Text: テロップやタイトルを追加します。
    • Audio: BGMや効果音を追加します。
    • Transitions: シーン間の切り替え効果(トランジション)を追加します。
    • Effects: 動画全体または特定のクリップにエフェクトやフィルターを追加します(色調補正なども含む)。
    • Elements: 図形やスタンプなどのグラフィック要素を追加します。
    • Templates: テロップなどのテンプレートを利用できます。
    • Generative: AI生成機能をエディター内から直接利用できます(Gen-2など)。
  • インスペクター/設定パネル(右側): タイムラインで選択中のクリップや要素(動画、テキスト、画像など)の詳細設定やプロパティが表示されます。位置、サイズ、回転、透明度、速度、色調などを調整できます。
  • タイムライン(下部): 動画編集の根幹となる部分です。
    • 時間軸に沿って動画、音声、画像、テキストなどの「クリップ」を並べます。
    • 複数のトラック(レイヤー)があり、重ねて表示される要素(動画の上にテキスト、動画の上に別の動画など)は上のトラックにあるものが手前に表示されます。
    • 各クリップの長さ(デュレーション)を調整したり、分割したり、移動させたりする主要な操作を行います。

3.2 素材のインポートと配置

編集を始めるには、まずタイムラインに素材を配置する必要があります。

  1. エディターを開きます。(Runwayダッシュボードの「Projects」から新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開きます。)
  2. 画面左側のツールパネルで「Assets (Media)」を選択します。
  3. 「Upload」ボタンをクリックして、PCから編集したい動画、画像、音声ファイルをアップロードします。または、AI Magic Toolsで生成した素材はAssetsに自動的に保存されているので、そちらから選択できます。
  4. アップロードされた素材またはAssetsにある素材を、タイムラインにドラッグ&ドロップします。動画クリップは通常、動画トラックに配置されます。音声ファイルはオーディオトラックに、画像は動画トラックまたは画像トラックに配置されます。

3.3 基本的な編集操作

タイムラインに素材を配置したら、いよいよ編集作業です。

  • 再生とプレビュー: プレビューウィンドウの下にある再生ボタンをクリックするか、キーボードのスペースキーを押すと、タイムラインの現在の位置から動画が再生されます。プレビューを見ながら編集を進めます。
  • クリップの選択: タイムライン上のクリップをクリックすると選択されます。選択されたクリップはハイライト表示され、右側の設定パネルでプロパティを編集できるようになります。
  • クリップの移動: 選択したクリップをタイムライン上で左右にドラッグすることで、表示されるタイミングを変更できます。
  • クリップの長さ(デュレーション)調整: クリップの端(左右どちらか)にカーソルを合わせると矢印が表示されます。そのままドラッグすることで、クリップの長さを短くしたり長くしたり(元の素材の範囲内で)できます。これが「トリミング」の基本的な操作です。
  • クリップの分割: タイムライン上でクリップを分割したい位置に再生ヘッド(縦の白い線)を移動させます。クリップを選択した状態で、画面上部のツールバーや右クリックメニューにある「Split」または「分割」のようなアイコンをクリックします。一つのクリップが再生ヘッドの位置で二つに分割されます。
  • クリップの削除: 不要なクリップを選択し、キーボードのDeleteキーを押すか、右クリックメニューから削除を選択します。
  • クリップのコピー&ペースト: クリップを選択してコピー(Ctrl+C / Cmd+C)、再生ヘッドを移動させてペースト(Ctrl+V / Cmd+V)することで、同じクリップを複製できます。
  • クリップの重ね合わせ: 異なるトラックにクリップを配置することで、要素を重ねて表示できます。例えば、下のトラックに背景動画を置き、上のトラックにRemove Backgroundで切り抜いた人物動画を配置することで、合成動画を作成できます。

3.4 テキスト(テロップ)の追加

動画にタイトルやテロップを追加したい場合は、左側のツールパネルから「Text」を選択します。

  1. 「Add Text」をクリックするか、表示されるテキストテンプレートを選択してタイムラインにドラッグ&ドロップします。
  2. タイムラインに追加されたテキストクリップを選択します。
  3. 右側の設定パネルで、表示させたいテキスト内容を入力します。
  4. フォント、サイズ、色、位置、回転、透明度などの設定を調整します。アニメーション効果(フェードイン・アウト、スライドなど)を追加することも可能です。
  5. タイムライン上のテキストクリップを移動したり長さを調整したりして、表示タイミングと長さを設定します。

3.5 BGM・効果音の追加

動画の雰囲気を決める重要な要素が音楽や効果音です。

  1. 左側のツールパネルから「Audio」を選択します。
  2. Runwayが提供するライブラリからBGMや効果音を探すか、または自分で用意した音声ファイルをAssetsからアップロードします。
  3. 使いたい音声クリップをタイムラインのオーディオトラックにドラッグ&ドロップします。
  4. 音声クリップを移動したり長さを調整したりして、表示タイミングと長さを設定します。
  5. 音声クリップを選択し、右側の設定パネルで音量(レベル)を調整します。必要に応じて、フェードイン・アウトを設定して自然な始まりや終わりを演出します。

3.6 トランジションとエフェクト

動画クリップとクリップの間にスムーズな切り替え効果(トランジション)を追加したり、動画に視覚的な効果(エフェクト)を加えたりできます。

  • トランジション:
    1. 左側のツールパネルから「Transitions」を選択します。
    2. 豊富な種類のトランジション(クロスフェード、ワイプ、ズームなど)が表示されます。
    3. 追加したいトランジションを、タイムライン上の二つの動画クリップの間にドラッグ&ドロップします。
    4. トランジションクリップを選択し、右側の設定パネルで時間(デュレーション)や向きなどの設定を調整します。
  • エフェクト:
    1. 左側のツールパネルから「Effects」を選択します。
    2. フィルター、色調補正、歪み、パーティクルなどの様々なエフェクトが表示されます。
    3. 適用したいエフェクトを、タイムライン上の動画クリップにドラッグ&ドロップします。または、エフェクトを選択した状態でクリップを選択します。
    4. クリップを選択し、右側の設定パネルに表示されるエフェクトの設定項目で、効果の強さやパラメータを調整します。エフェクトは複数重ねて適用することも可能です。

3.7 AI Magic Toolsとエディターの連携

AI Magic Toolsで生成・加工した素材は、自動的にRunwayのAssetsに保存されます。エディターの「Assets (Media)」からそれらの素材を簡単に選択し、タイムラインに配置して編集に組み込むことができます。

また、一部のAI Magic Toolsはエディター内から直接アクセスできます。例えば、タイムライン上の動画クリップを選択した状態で、画面上部や右クリックメニューに表示されるAI機能のオプション(背景削除、スローモーションなど)を選択すると、そのクリップに対してAI処理を適用し、結果を新しいクリップとしてタイムラインに戻すことができます。これにより、編集作業とAI処理をシームレスに行き来できます。

4. プロジェクトの管理とエクスポート

編集作業が完了したら、プロジェクトを保存し、最終的な動画ファイルとして書き出します。

4.1 プロジェクトの自動保存と手動保存

Runwayエディターは、基本的に編集中に自動でプロジェクトを保存してくれます。これにより、予期せぬ中断が発生しても作業内容が失われにくくなっています。

手動で保存したい場合は、画面上部などに表示される保存アイコンやメニューから保存を実行できます。

4.2 エクスポート設定

作成した動画をPCに保存したり、オンラインで共有したりするためには、「エクスポート」という書き出し作業が必要です。エクスポート時には、動画の品質に関する設定を行います。

  1. エディター画面右上の「Export」ボタンをクリックします。
  2. エクスポート設定画面が表示されます。ここで以下の項目を設定します。
    • Resolution (解像度): 動画のサイズ(例: 1920×1080 (Full HD), 1280×720 (HD), 3840×2160 (4K) など)。解像度が高いほど高画質になりますが、ファイルサイズが大きくなり、エクスポート時間も長くなります。無料プランでは低解像度に制限される場合があります。
    • Frame Rate (フレームレート): 1秒あたりのフレーム数(例: 24fps, 30fps, 60fps)。フレームレートが高いほど動きが滑らかに見えます。通常は30fpsか24fpsが一般的です。
    • Format (形式): 動画ファイルの形式(例: MP4)。RunwayではMP4形式が一般的で、多くのデバイスやプラットフォームで再生可能です。
    • Quality (品質): 動画の圧縮率。高品質ほどファイルサイズが大きくなります。
    • Watermark (ウォーターマーク): 無料プランでエクスポートした動画にはRunwayのロゴ(ウォーターマーク)が入ります。有料プランではこれを削除できます。
  3. プロジェクト名もここで確認・変更できます。

4.3 エクスポートの実行

設定を確認したら、「Export」ボタンをクリックしてエクスポートを開始します。エクスポートには時間がかかります。動画の長さ、解像度、複雑さ、そしてRunway側のサーバー状況によって、完了までの時間は大きく変動します。エクスポートが完了すると、通知が届き、ファイルをダウンロードできるようになります。

エクスポートされた動画ファイルは、PCに保存したり、YouTubeやSNSにアップロードしたりと自由に利用できます。(無料プランの場合は商用利用に制限がある場合がありますので注意してください。)

4.4 プロジェクトの管理

Runwayダッシュボードの「Projects」からは、過去に作成したプロジェクト一覧を確認できます。プロジェクト名をクリックすれば、いつでも編集を再開できます。不要になったプロジェクトは削除することも可能です。

5. Runwayを使いこなすためのヒント

Runwayをより効果的に、そして楽しく使うためのいくつかヒントをご紹介します。

  • 無料プランの制限を理解する: 無料プランは素晴らしい出発点ですが、クレジットの消費、エクスポート時間や解像度の制限、ウォーターマークの存在など、いくつかの制限があります。これらの制限内で最大限に活用する方法を考えたり、必要に応じて有料プランへのアップグレードを検討したりしましょう。特にAI生成機能はクレジットを消費しやすいので、失敗を減らすためにもプロンプトは慎重に考え、プレビュー機能を活用しましょう。
  • クレジットを賢く使う: AI Magic Toolsを使用するたびにクレジットが消費されます。特に動画生成は多くのクレジットを消費します。まずは短い動画や低解像度で試してみて、意図した結果が得られることを確認してから、本番の長さや高解像度で生成するのがおすすめです。一度生成した結果を少しだけ修正したい場合でも、多くの場合クレジットが再消費されるため注意が必要です。
  • プロンプト作成のスキルを磨く(特にGen-2): AI動画生成のクオリティは、プロンプトの質に大きく左右されます。様々なプロンプトを試して、AIがどんな言葉にどう反応するのかを学ぶことが上達の鍵です。Runwayのコミュニティや他のユーザーが共有している成功事例のプロンプトを参考にすることも非常に有効です。
  • 複数のAI Magic Toolsを組み合わせる: Runwayの真価は、単一のツールを使うだけでなく、複数のツールを組み合わせてワークフローを構築できる点にあります。例えば、Text to Imageでコンセプトアートを生成し、それを参照画像としてGen-2で動画化する。または、Remove Backgroundで人物を切り抜き、Gen-2で生成した背景動画とエディターで合成するなど、様々な組み合わせが考えられます。
  • チュートリアルやコミュニティを活用する: Runwayの公式サイトには豊富なチュートリアル動画やヘルプドキュメントが用意されています。また、Discordなどのコミュニティに参加すれば、他のユーザーからヒントを得たり、自分の作品を共有したり、最新情報を入手したりできます。行き詰まった時や新しいアイデアが欲しい時に活用しましょう。
  • Runwayを「素材作成ツール」として使う: Runwayのエディター機能は基本的な動画編集には十分ですが、より高度な編集(複雑なアニメーション、細かい音声編集など)には他のプロ向けソフト(Adobe Premiere Pro, DaVinci Resolveなど)が必要になる場合があります。Runwayで強力なAI生成・加工ツールとして使い、作成した素材を他のソフトに持ち込んで最終編集を行う、という連携も可能です。Runwayは、従来の編集ワークフローにおける「素材作成」の部分を革新するツールとして位置づけることもできます。

6. よくある質問 (FAQ)

Q: 無料プランでどこまでできますか?
A: 無料プランでは、Gen-2を含む多くのAI Magic Toolsや動画編集エディターの基本的な機能を利用できます。ただし、クレジットの消費、生成できる動画の長さや解像度、エクスポート時のウォーターマークなど、いくつかの制限があります。Runwayの機能を試すには十分ですが、本格的な作品制作や商用利用には有料プランが必要です。

Q: 生成した動画や画像の著作権はどうなりますか?
A: Runwayで生成されたコンテンツの著作権は、一般的に生成したユーザーに帰属するとされています。ただし、利用規約を必ず確認してください。無料プランで生成したコンテンツの商用利用は制限されている場合がほとんどです。有料プランでは商用利用が許可されます。また、入力した素材(画像や動画)に著作権がある場合は、それらの素材の利用に関する権利関係にも注意が必要です。

Q: 日本語でプロンプトを入力できますか?
A: はい、Gen-2などのテキスト入力が必要なツールで日本語プロンプトを入力できます。ただし、英語の方がより意図した結果を得やすい傾向があります。複雑な指示や、よりクリエイティブな表現を求める場合は、英語での入力も試してみることをおすすめします。

Q: 動作環境を教えてください。
A: Runwayは主にWebブラウザ上で動作するクラウドベースのサービスです。高性能なPCやグラフィックカードは必須ではありませんが、快適に利用するためには、安定したインターネット接続と、ある程度のスペック(推奨されるブラウザ:Google Chrome、Firefox、Safariなど)が必要です。特に動画の生成やエクスポートには時間がかかるため、高速なインターネット環境が望ましいです。

Q: AI生成以外にも動画編集機能はありますか?
A: はい、Runwayには本格的な動画編集エディターが内蔵されており、カット、トリミング、テロップ追加、BGM追加、トランジション、エフェクトなどの基本的な編集作業を行うことができます。AI Magic Toolsで作成した素材と組み合わせて、一つの動画作品を仕上げることが可能です。

7. まとめ:AIと創造性の未来へ

Runwayは、AI技術を活用することで、これまで専門家だけが可能だった動画生成や高度な加工を、初心者でも手軽に行えるようにした画期的なプラットフォームです。Text to Videoによるアイデアの具現化、動画からの背景削除、画像への動きの追加など、そのAI Magic Toolsはあなたのクリエイティブな可能性を大きく広げてくれるでしょう。

この記事では、Runwayの基本的な使い方として、アカウント登録からAI Magic Toolsの主要な機能、そして動画編集エディターの使い方までを詳しく解説しました。まずは無料プランで実際にRunwayに触れてみて、AIがもたらす動画制作の新しい体験をしてみてください。

最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、Runwayの直感的なインターフェースと強力なAI機能は、きっとあなたの想像力を刺激し、動画制作を楽しいものにしてくれるはずです。試行錯誤を繰り返しながら、あなただけのユニークな作品を生み出してください。

AI技術は日々進化しており、Runwayも常に新しい機能が追加され、性能が向上しています。Runwayを使い続けることで、あなたは動画制作の未来の最前線に立ち続けることができるでしょう。

さあ、Runwayを使って、あなたのアイデアをAIの力で動画にしてみましょう!


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール