DELTARUNE Chapter 2 Aルートへの行き方とエンディング解説

DELTARUNE Chapter 2 Aルート 完全攻略ガイド:行き方からエンディングまで徹底解説

Toby Fox氏が手掛ける待望のチャプター第2弾、DELTARUNE Chapter 2は、前作の興奮をそのままに、新たなキャラクター、舞台、そして深まる謎とともにプレイヤーの前に現れました。Chapter 1のラストで示唆された不穏な展開は、Chapter 2でさらに加速し、プレイヤーはクリス、スージィ、そしてラルセイとともに、再び「ダークワールド」での冒険へと繰り出します。

DELTARUNEの大きな特徴の一つに、プレイヤーの行動によって物語やキャラクターの描写が変化する「ルート」の存在があります。特にChapter 2では、その分岐がより顕著になり、多くのプレイヤーが到達するであろう「Aルート」(通称:通常ルート)と、特定の非道な行動によって進む「Snowgraveルート」(通称:Gルート、虐殺ルート)という、対照的な二つの道が用意されています。

この記事では、DELTARUNE Chapter 2の「Aルート」に焦点を当て、そのルートに到達するための進み方、ゲーム開始からエンディングまでの主要な出来事、そしてAルートのエンディングが持つ意味や伏線について、約5000語にわたって詳細に解説していきます。

Aルートは、Chapter 1をプレイした多くのプレイヤーが自然に選択するであろう、敵との戦闘を「Act」や「Spare」で平和的に終了させたり、あるいは敵を倒すことも含めても、特定の冷酷な行動を取らないことで到達するルートです。このルートでは、キャラクターたちの友情、成長、そして光の世界と闇の世界の間に横たわる様々な謎が描かれます。Snowgraveルートのような衝撃的な展開とは異なりますが、DELTARUNEの根幹にあるテーマや、今後の物語の方向性を示唆する重要な情報が散りばめられています。

それでは、DELTARUNE Chapter 2のAルートを巡る旅へと出発しましょう。

DELTARUNEにおける「ルート」とは?

DELTARUNEの世界では、プレイヤーの操作するキャラクター「クリス」の行動、特に戦闘における敵への対処が、物語の進行やキャラクターの関係性に影響を与えます。Undertaleにおける「Nルート」「Pルート」「Gルート」のような明確な名称は公式には使われていませんが、プレイヤー間では便宜上「Aルート」(通常ルート、非Snowgraveルート)や「Snowgraveルート」(虐殺ルート)といった通称で呼ばれています。

  • Aルート(通常ルート): この記事で解説するルートです。基本的な進行方針は、敵との遭遇時に「Fight」で倒すことも可能ですが、多くの場合は「Act」で敵の特定の状態を作り出し、「Spare」で戦闘を終了させることが推奨されます。また、後述するSnowgraveルートへの分岐条件(ノエルに特定の行動を取らせるなど)を満たさないことで進みます。Aルートでは、クリス、スージィ、ラルセイを中心に、多様なNPCとの交流や協力が描かれ、キャラクターたちの絆や成長が重視されます。
  • Snowgraveルート(虐殺ルート): 特定の条件下で、意図的に多くの敵を「IceShock」で凍らせて倒し続け、さらに特定の場所でノエルに協力を強制することで分岐するルートです。このルートでは物語の展開やキャラクターの描写が大きく変化し、非常に冷酷で救いのない結末を迎えます。この記事ではこのルートについては詳細に触れませんが、Aルートとの対比としてその存在を認識しておくことは、Aルートのエンディングをより深く理解する上で役立つでしょう。

この記事で解説するAルートは、厳密には「Snowgraveルートの条件を満たさなかった全てのルート」を指します。敵を一切倒さない「 pacifist(平和主義)ルート」もAルートの一種と言えますが、敵を倒してしまってもSnowgraveルートのフラグを満たさなければAルートとして進行します。ただし、多くの敵を倒しすぎると、一部のNPCのセリフなどが変化する可能性はあります。この記事では、より多くのプレイヤーが体験するであろう、敵との戦闘を「Act」や「Spare」で終わらせることを中心とした、比較的平和的な進行のAルートを前提とします。

Chapter 2:物語の始まり

Chapter 1のエンディング後、クリスとスージィは現実世界に戻り、クリスの家で目を覚まします。Chapter 1のラストでプレイヤーを驚かせた、クリスが自らの「魂」(プレイヤーを操作する赤いハート)を引き抜き、包丁を取り出すシーンの直接的な続きからChapter 2は始まりません。Chapter 2は、クリスとスージィが学校のコンピュータールームに呼び出されるところから始まります。

ミス・アルフィスのクラスで授業を受けるはずだったクリスとスージィは、コンピュータールームが騒がしいことに気づき、中に入ります。そこには、クラスメイトのノエルとバーリーがいます。バーリーは誇張した態度でノエルに何かのゲームを勧めており、ノエルは困惑した様子。突然、コンピュータールームが暗転し、部屋の中心に見たことのない「ダークファウンテン」が出現します。

クリス、スージィ、そしてノエルとバーリーは、この新しいダークファウンテンによって生成された「サイバーワールド(Cyber World)」へと引きずり込まれます。しかし、サイバーワールドに到着したのはクリスとスージィの二人だけ。ノエルとバーリーは行方不明になってしまいます。二人は現実世界に戻るため、そしてノエルとバーリーを探すために、この未知のダークワールドを探索することになります。

サイバーワールドの探索:Aルート進行ガイド

サイバーワールドは、その名の通り、コンピュータやインターネットをモチーフにした世界観が特徴です。クイーンと呼ばれるキャラクターがこの世界の支配者であり、彼女の目的はこの世界を拡張し、「光の使者(Lightners)」を支配することのようです。Aルートでは、このクイーンの野望を止め、現実世界に戻ることが主な目的となります。

サイバーワールドの探索は、いくつかの主要なエリアに分かれています。それぞれのエリアで起こる主要なイベントや、Aルートでの進み方について解説します。

1. サイバーフィールド (Cyber Field)

サイバーワールドに到着したクリスとスージィは、Chapter 1で登場した仲間、ラルセイと再会します。Chapter 1を経て、ラルセイはクリスとスージィとの友情を大切に思っており、二人の無事な再会を心から喜びます。Aルートでは、ラルセイは終始クリスとスージィの心強い仲間として、回復役やアドバイス役として活躍します。

  • ラルセイとの再会とチュートリアル: Chapter 1と同様、ラルセイは戦闘やパズルについてのチュートリアルを行います。サイバーワールドの敵は、Chapter 1の敵とは異なる特性を持っています。Aルートでは、敵を倒すのではなく「Act」や「Spare」で戦闘を終えることが基本となります。例えば、最初の敵である「ヴァール(Virovirokun)」は、ラルセイの「Heal Prayer」で回復させることでSpareできるようになります。
  • スージィの一時離脱: 探索を進めるうちに、スージィはバーリーを見かけたと言って、クリスとラルセイから離れて単独行動を取り始めます。ここからしばらくは、クリスとラルセイの二人での行動となります。
  • パズルと敵: サイバーフィールドには、移動を制限するレーザーや、特定のスイッチを踏むことで道が開けるパズルなどがあります。敵との遭遇も多くなりますが、基本的にはActとSpareで対処します。例えば、スパム(Maus)は、チーズをあげるActでSpare可能になります。

2. バトルゲート (Battle Gate)

サイバーフィールドを抜けると、バトルゲートと呼ばれるエリアに到着します。ここでは、スージィがクイーンの配下である「ヴィンセント・ヴァン・ゴーフ(Swatchling)」やその他の敵と戦っている場面に遭遇します。

  • スージィとの合流: スージィとの合流後、パーティーはクリス、スージィ、ラルセイの3人となり、冒険は本格化します。3人の連携が重要になります。
  • クイーンの追跡: クイーンはこのエリアから本格的にクリスたちの前に姿を現し、執拗に追跡してきます。彼女は車(?バイク?)に乗って現れ、様々な仕掛けを使って邪魔をしてきます。Aルートでは、クイーンは強大な敵として描かれますが、どこかユーモラスで、完全な悪として描かれるわけではありません。

3. リップル・ステーション (Ripple Station) ~ サイバーシティ (Cyber City)

サイバーゲートを抜けると、リップル・ステーションなどの都市部エリアに入ります。ここでは、より複雑なパズルや、個性的な敵キャラクター、そして重要なNPCとの出会いがあります。

  • ベルベット、スウィート、キョン(Sweet Cap’n Cakes): このエリアで度々遭遇する、音楽グループのような見た目の3人組です。彼らはクイーンの配下としてクリスたちの行く手を阻みますが、Aルートでは戦闘中に彼らを「Act」で盛り上げることで、「Spare」できるようになります。戦闘終了後も、様々な場所で再会し、彼らの人となりを知ることができます。彼らはAルートでは敵対から友好的な関係へと変化していきます。
  • パズル: このエリアには、光るパネルの上を通過する順番を当てるパズルや、特定の場所からジャンプして先に進むアクション要素などがあります。
  • スパムトンとの出会い: このエリアのどこかで、重要なキャラクターであるスパムトン(Spamton G. Spamton)と出会います。彼は胡散臭いセールスマンのようなキャラクターで、独特のセリフ回しが特徴です。Aルートでは、彼との最初の出会いでは特に重要なイベントは起こりませんが、彼の店でアイテムを購入したり、彼の話を聞いたりすることができます。Aルートにおける彼の重要性については、後述のボス戦解説で詳述します。
  • ノエルとバーリーの捜索: このエリアでも、ノエルとバーリーを探すイベントが続きます。特にノエルは、Chapter 2の物語において非常に重要な役割を担います。Aルートでは、ノエルはクイーンに利用されているような状況で登場し、彼女の不安やクリスとの過去の出来事が描かれます。バーリーは、クイーンに協力しているように見えますが、その真意は…

4. クイーンの洋館 (Queen’s Mansion)

サイバーワールドのクライマックスは、クイーンの巨大な洋館です。この洋館は様々なトラップ、パズル、そして敵に満ちています。

  • 洋館の探索: 洋館内は非常に広く、部屋ごとに異なる仕掛けがあります。メイドやバトラーなど、クイーンに仕えるユニークなNPCとの遭遇もあります。彼らも基本的にはActとSpareで対処できます。
  • バケツとロープの部屋: 物語の進行上重要なイベントが発生する部屋です。ノエルがクイーンに「バケツ」について尋ねられ、クリスがノエルにどう指示するかという選択肢が表示されます。Aルートでは、ノエルにバケツのことを思い出させないような選択肢を選びます。これにより、ノエルは危険な方向へ進まず、バーリーとの関係性にも影響が出ます。
  • バーリーとの対決: 洋館のどこかで、バーリーと対決することになります。バーリーはクイーンの力に魅せられている(または利用されている)ようで、クリスたちに戦いを挑んできます。Aルートでは、この戦闘もActとSpareで終えることができます。バーリーをSpareすると、彼は戦闘不能になりますが、後に回復します。Snowgraveルートでは、ノエルにIceShockを使わせてバーリーを倒すことになりますが、Aルートではそのような展開にはなりません。
  • アディソン (Addison): 洋館内で度々出会うカラフルなキャラクターたちです。彼らはネット広告のキャラクターのような見た目をしており、Aルートでは彼らとの交流を通じて、この世界の背景やスパムトンの過去についても少しずつ知ることができます。

主要ボス戦:Aルートでの対処法

DELTARUNEのボス戦は、独特のシステムと強烈なキャラクター性が特徴です。Chapter 2のAルートでプレイヤーが立ち向かう主要なボスは、スパムトンとクイーンです。

1. スパムトン (Spamton)

Aルートにおけるスパムトンとの戦闘は、隠しボスである「スパムトンNEO」とは異なります。洋館の地下にあるショップや、特定のイベントで彼と遭遇した場合に戦闘になる可能性があります。

  • Aルートでの戦闘: スパムトンは予測不能な動きと高速な攻撃を仕掛けてきます。彼の攻撃は基本的に回避に専念することになります。戦闘中に表示される「Act」の選択肢には、彼を Spare に近づけるためのヒントが隠されています。例えば、彼に対して特定の褒め言葉を言ったり、彼の商品(ガベージ)を彼に返したりすることで、彼の感情が変化し、Spareできる状態になります。Aルートでは、スパムトンをSpareすることで戦闘が終了します。彼は Spare された後も完全に消滅するわけではなく、他の場所で再会したり、彼に関する情報を得られたりします。
  • スパムトンNEO (隠しボス): Aルートでも、特定の条件を満たすとスパムトンNEOと戦うことができます。これは、洋館内で入手できる特定のアイテム(ディールメーカー装備など)を揃え、スパムトンがいる場所に特定のアイテムを持っていくことで発生する隠しボス戦です。スパムトンNEOは非常に強力ですが、AルートでもSpareすることが可能です。この記事はメインストーリーのAルートに焦点を当てているため、スパムトンNEOの詳細な攻略法は割愛しますが、Aルートでも彼との戦闘とその後の展開は非常に印象的です。ただし、Aルートのメインストーリーをクリアする上で、スパムトンNEOを倒す(またはSpareする)ことは必須ではありません。メインストーリー上では通常のスパムトンとの戦闘が発生し、それをSpareすることで物語が進みます。

2. クイーン (Queen)

クイーンはサイバーワールドの支配者であり、物語の最終ボスです。洋館の最上階で彼女との最終決戦が繰り広げられます。

  • Aルートでの戦闘: クイーンとの戦闘は、いくつかのフェーズに分かれています。彼女は巨大なメカに乗って登場し、様々な形態に変形しながら攻撃してきます。攻撃パターンは非常に多彩で、回避が重要になります。
    • 第一フェーズ: クイーンが巨大なメカに乗った状態。様々なレーザー攻撃やミサイル攻撃を仕掛けてきます。
    • 第二フェーズ: メカから降り、より人型に近い形態での戦闘。より素早い攻撃や、特定のパズル要素を含む攻撃を仕掛けてきます。
    • 第三フェーズ(最終): 形態が変化し、さらに激しい攻撃を仕掛けてきます。
  • ActとSpare: クイーンとの戦闘中にも、「Act」の選択肢が表示されます。Aルートでは、これらのActを駆使してクイーンを「Spare」可能な状態にすることが目標となります。例えば、彼女のメカに対して特定の行動を取ったり、彼女との会話の中で適切な選択肢を選んだりすることで、クイーンのSpare値が溜まっていきます。Spare値が一定量溜まると、Spareの選択肢が表示され、それを選ぶことで戦闘が終了します。
  • 戦闘の結末: Aルートでは、クイーンをSpareすることで、彼女との戦いは終わります。Spareされたクイーンは、完全に悪役として描かれるのではなく、どこか人間らしい感情や、彼女なりの支配の理由があったことが示唆されます。このSpareによる決着が、Aルートの平和的な解決と、キャラクター間の絆を深めるテーマを象徴しています。

サイバーワールドの終結と現実世界への帰還

クイーンとの戦闘後、サイバーワールドの物語はクライマックスを迎えます。

  • ダークファウンテンの封印: クイーンとの対話を経て、サイバーワールドのダークファウンテンを封印することになります。この作業は、光の使者であるクリス、スージィ、そしてラルセイの協力によって行われます。ラルセイがファウンテンに近づき、光の使者がファウンテンに触れることで封印されるという設定です。このシーンでは、3人の絆の強さが描かれます。
  • 仲間たちとの別れ: ダークファウンテンが封印されると、サイバーワールドにいたダークナーたちは消滅し、光の使者たちは現実世界へと戻ります。クイーンやベルベット、スウィート、キョンといった個性的なキャラクターたちとの別れが描かれます。彼らは再び現実世界のコンピュータールームにあるアイテム(コンピュータ、マウス、キーボードなど)に戻るのです。

Aルートのエンディング解説

サイバーワールドでの冒険を終え、現実世界に戻ってきたクリス、スージィ、ノエル、バーリー。彼らはコンピュータールームで目を覚まします。ここから、DELTARUNE Chapter 2のAルートのエンディングが始まります。このエンディングは、次のチャプターへの大きな伏線と、DELTARUNEの物語の根幹に関わる謎を含んでいます。

1. コンピュータールームにて

  • ノエルとバーリーの無事: 最初にノエルとバーリーの無事が確認されます。ノエルはサイバーワールドでの出来事に怯えつつも無事です。バーリーは、クイーンとの戦闘で負った怪我により腕を吊っていますが、命に別状はありません。Aルートでは、バーリーは怪我をするものの、生き延びてクリスたちと現実世界に戻ることができます。Snowgraveルートでは、バーリーは…(ここはAルート解説なので深掘りしない)。
  • スージィとラルセイ: スージィは、現実世界ではラルセイの姿が見えないことに少し寂しそうな様子を見せます。サイバーワールドでの冒険を通じて、スージィがラルセイに対して抱いていた偏見がなくなり、友情が芽生えたことが伺えます。特に、ラルセイが現実世界ではダークナーの姿を維持できないことを知った後のスージィの反応は印象的です。

2. 教会での別れ

学校から家に帰る途中、クリス、スージィ、ノエル、バーリーは教会の前で別れます。

  • ノエルとクリスの関係: ノエルはクリスに話しかけ、サイバーワールドでの出来事について言及します。彼女は、クリスが昔と少し変わったと感じているようです。Aルートでは、ノエルはクリスに対する好意や、過去の出来事(おそらく彼女の姉に関すること)についての複雑な感情を抱えていることが示唆されます。プレイヤーのAルートでの行動は、ノエルとの関係に影響を与えます。
  • バーリーの決意: バーリーは腕の怪我にもかかわらず、今後のゲーム大会への意欲など、彼らしい一面を見せます。サイバーワールドでの体験を経て、彼もまた何らかの変化があったことが伺えます。

3. スージィとの帰路

クリスとスージィは、学校のバス停でバスを待ちながら会話します。

  • スージィの変化: スージィは、ダークワールドでの冒険を通じてラルセイを「友達」と認識し、彼に会えないことを惜しむようになります。これはChapter 1から見ても顕著な彼女の成長であり、Aルートでキャラクター間の絆が深まったことを示しています。
  • ラルセイの正体に関する伏線: スージィは、ラルセイがフードを脱いだ姿をクリスに見せて欲しがるなど、ラルセイの正体に関する伏線も張られます。

4. クリスの家にて

クリスとスージィはクリスの家に到着し、トリエル先生が出迎えてくれます。トリエルは二人の帰りを心配しており、安心した様子です。

  • アズゴアの花屋: 家に入る前に、アズゴアが経営する花屋の前を通るイベントがあります。花屋は経営がうまくいっていないようで、アズゴアはトリエルとの関係についても悩んでいる様子です。
  • 夕食の準備: トリエルは、クリスとスージィのためにパイを作る準備を始めます。スージィはクリスの家に泊まることになり、二人はベッドで休みます。

5. 深夜の不穏な出来事

ここからが、Chapter 2 Aルートの最も衝撃的で、今後の物語を大きく左右するエンディングシーンです。

  • プレイヤーからの独立: スージィが寝静まった後、プレイヤーの操作する「魂」(赤いハート)は、クリスの体から離れます。そして、プレイヤーは「魂」を操作し、部屋の中を移動することができます。
  • 鳥かごへの閉じ込め: プレイヤーが操作する「魂」は、クリス自身の手によって、部屋の隅にあった「鳥かご」の中に閉じ込められてしまいます。この時点で、クリスはプレイヤーの意思から完全に独立して行動していることが明らかになります。
  • クリスの行動: プレイヤーの操作から解放されたクリスは、自らの意思で部屋の中を動き回ります。
    • シンクへ向かい、水を出します。
    • 包丁を取り出します。これはChapter 1のラストシーンを彷彿とさせます。
    • クリスの腕が、不気味で異形な形に変形します。
    • 部屋の中央、リビングの床に包丁を突き立てます。
    • 床から黒い霧のようなものが噴き出し、急速に広がります。
    • 新しい「ダークファウンテン」が、クリスの家のリビングに出現します。
  • Chapter 2 タイトルカード: 新しいダークファウンテンが出現したところで、Chapter 2のタイトルカード「A Lightner and a Darkner」(光の使者と闇の使者)が表示され、ゲームは終了します。

Aルートエンディングの意味するもの

この衝撃的なエンディングは、多くの謎と伏線を提示しています。その意味するところをいくつか考察してみましょう。

  • クリスの正体とプレイヤーとの関係: DELTARUNEの物語全体を通じて最も重要な謎の一つが、プレイヤーが操作する「魂」とクリスの関係です。Aルートのエンディングは、クリスが単なるプレイヤーの操り人形ではないことを明確に示します。クリスは自らの意識を持ち、プレイヤーの支配に抵抗している可能性があります。鳥かごに魂を閉じ込めるという行動は、クリスがプレイヤーからの解放を求めている、あるいはプレイヤーを排除しようとしているかのように見えます。
  • クリスの目的: クリスが新しいダークファウンテンを生成した目的は何でしょうか? 彼はなぜそのような力を持っているのでしょうか? これまでの章では、ダークファウンテンは既存の場所に自然発生するか、何者か(ルルー?)によって生成されるものとして描かれてきました。クリスが自らの意思でダークファウンテンを生み出す能力を持つことは、彼の正体や、彼が物語の裏で何を計画しているのかについて、大きな疑問を投げかけます。
  • 新しいダークワールドの誕生: クリスの家のリビングに生成されたダークファウンテンは、新しいダークワールドがそこに誕生したことを意味します。Chapter 3以降の舞台が、このリビングを基にしたダークワールドになる可能性が高いでしょう。
  • クリスの変形: 腕が異形に変形するシーンは、クリスがただの人間ではない、あるいは何かを内に秘めていることを示唆しています。Chapter 1のラストシーンでも同様の描写がありました。これはクリスの力の片鱗なのか、あるいは彼の本質的な姿なのか。
  • 「A Lightner and a Darkner」というタイトル: Chapter 2のタイトルカードがこのフレーズで締めくくられることは、この章の中心的なテーマを示唆しています。これは単にクリスとスージィ、あるいはクリスとラルセイの関係性を指しているだけでなく、クリス自身が光の使者でありながら、同時にダークファウンテンを生成するような「闇」の側面を持っていることを示唆しているのかもしれません。
  • 物語の根幹にあるテーマ: このエンディングは、「選択」と「自由意志」というDELTARUNEの根幹にあるテーマを強く押し出しています。プレイヤーはクリスを操作し、様々な選択を迫られますが、結局クリス自身はプレイヤーの意思から独立した行動を取り、プレイヤーの介入を拒絶します。これは、プレイヤーの「選択」が物語に影響を与える一方で、キャラクター自身の「自由意志」も存在するという、DELTARUNE特有の複雑な構造を示しています。

Aルートのエンディングは、Chapter 1のエンディングと同様に、物語の表面的な解決(サイバーワールドの平和な終結)とは裏腹に、クリス自身の行動によって新たな、そしてより大きな謎が生まれるという構造になっています。これは、DELTARUNEの物語が、プレイヤーが知覚している範囲を超えた、より大きなスケールで進行していることを示唆しています。

AルートとSnowgraveルートの対比

Aルートのエンディングの不穏さを理解するためには、Snowgraveルートの存在を簡単に振り返ることも有益です。Snowgraveルートでは、プレイヤーはノエルを操って仲間や敵を凍らせていき、最終的に孤独で破滅的な結末を迎えます。このルートは、プレイヤーの冷酷な「選択」が、キャラクターの自由意志を抑圧し、悲劇的な結果を招くことを極端に描いています。

一方Aルートでは、友情や協力によってサイバーワールドの危機を乗り越え、キャラクターたちは成長し、絆を深めます。しかし、エンディングではクリスがプレイヤーを拒絶し、自らの意思で新たなダークファウンテンを生み出します。これは、Aルートにおける平和的な「選択」の積み重ねが、クリス自身の内面に変化をもたらし、結果として彼の「自由意志」の発露へと繋がった可能性を示唆しているのかもしれません。あるいは、クリスの行動はルートに関わらず起こる運命的なものであり、プレイヤーの「選択」は表面的な出来事にのみ影響し、物語の根幹はクリス自身の意思によって動かされているのかもしれません。

Aルートのエンディングは、一見希望に満ちた冒険の終結に見えながらも、クリスの行動によって全てがひっくり返されるような衝撃を与えます。これは、たとえプレイヤーが善意をもって行動しても、物語はプレイヤーの思い通りには進まない、キャラクターには彼ら自身の運命があるのかもしれない、というDELTARUNEのテーマを強く示していると言えるでしょう。

結論:深まる謎と未来への期待

DELTARUNE Chapter 2のAルートは、サイバーワールドを舞台にした愉快で心温まる、そして時にはスリリングな冒険を描き出します。クリス、スージィ、ラルセイの3人の絆が深まり、ノエルやバーリーといった新しいキャラクターたちの魅力も存分に発揮されます。クイーンやスパムトンといった個性的なボスたちとの戦闘や対話も、このルートならではの体験です。

しかし、Aルートのエンディングは、これまでの明るい展開を覆し、DELTARUNEという物語が持つ根源的な不気味さや謎を改めてプレイヤーに突きつけます。プレイヤーが操作する「魂」とクリスの関係、クリスの隠された能力と目的、そして新しいダークファウンテンの生成。これらは全て、今後のチャプターで明らかになるであろう、DELTARUNEの世界観と物語の核心に関わる重要な伏線です。

Aルートのエンディングは、プレイヤーに強烈な疑問符を残しつつ、Chapter 3以降への期待を最高潮に高めます。クリスの家に誕生した新しいダークワールドで、一体何が起こるのでしょうか? クリスの真意とは? そして、プレイヤーはクリスの「自由意志」と、どのように向き合っていくのでしょうか?

DELTARUNE Chapter 2のAルートは、単なるストーリーの続編に留まらず、プレイヤーのゲーム体験そのもの、そしてゲームにおけるプレイヤーとキャラクターの関係性について深く考えさせる作品です。このエンディングを経て、多くのプレイヤーが次のチャプターを待ち望むことでしょう。DELTARUNEの物語は、まだ始まったばかりです。

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