はい、承知いたしました。「これで解決!NASのIPアドレスを調べる手順」と題し、NASのIPアドレスを調べるための詳細な手順を含む約5000語の記事を作成します。
これで解決!NASのIPアドレスを調べる手順【あらゆる方法を網羅】
はじめに:なぜNASのIPアドレスが必要なのか?
NAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ)は、家庭やオフィスでデータを一元管理・共有するための非常に便利なデバイスです。写真、動画、ドキュメントなどの大切なデータを保存したり、複数のPCやスマートフォンからアクセスして共有したり、さらには自動バックアップ先として利用したりと、その用途は多岐にわたります。
しかし、NASの設定変更や、特定のソフトウェア(NAS付属のユーティリティや、特定のアプリケーションなど)からのアクセス、あるいはWebブラウザ経由での管理画面へのログインなどを行う際に、NASの正確なIPアドレスが必要となる場面が頻繁にあります。
IPアドレスは、ネットワーク上にあるデバイス(パソコン、スマートフォン、プリンター、そしてNASなど)それぞれに割り振られる、インターネットにおける「住所」のようなものです。この住所が分からなければ、私たちはそのデバイスに正確にたどり着くことができません。
普段、パソコンからNASにファイルアクセスする場合、多くの方はエクスプローラー(Windows)やFinder(macOS)のネットワーク共有機能を使って、NASの「名前」(ホスト名)を指定してアクセスしているかもしれません。この場合、裏側ではOSが自動的にNASのホスト名をIPアドレスに変換して通信を行ってくれています。非常に便利な機能ですが、この「名前解決」がうまくいかない場合や、ホスト名ではアクセスできない特定の管理機能を使う場合には、どうしてもIPアドレスそのものが必要になります。
「NASを設置したけど、どうやって設定画面にログインするの?」「NASがネットワーク上に見つからない!」「特定のアプリから接続したいけど、IPアドレスを求められる…」といった状況に遭遇したことがある方も多いのではないでしょうか。特に、ネットワークの設定に詳しくない方にとっては、このIPアドレス探しが最初の大きな壁となることがあります。
本記事は、まさにその「IPアドレスが分からない」という問題を「これで解決!」するための、あらゆる方法を網羅した詳細なガイドです。初心者の方でも理解できるよう、基本的なネットワークの仕組みから説明し、最も簡単で一般的な方法から、少し専門的な方法まで、順を追って解説していきます。約5000語に及ぶ詳細な説明を通じて、あなたがNASのIPアドレスを見つけ出し、快適なNASライフを送るための一助となれば幸いです。
さあ、一緒にNASのIPアドレスを見つけ出す旅に出かけましょう。
1. NASのIPアドレスが分からなくなる理由:ネットワークの基本を理解する
NASのIPアドレスがなぜすぐに分からないことがあるのかを理解するために、まずは家庭や小規模オフィスで一般的なネットワーク環境の仕組みを簡単に見ていきましょう。
1.1. IPアドレスの種類:プライベートIPとグローバルIP
まず、IPアドレスには大きく分けて二つの種類があります。
- グローバルIPアドレス: インターネット上で唯一の、世界に一つだけのIPアドレスです。ウェブサイトのサーバーや、インターネットに直接接続されているデバイスに割り当てられます。あなたの自宅やオフィスのネットワーク全体に対しても、インターネットサービスプロバイダ(ISP)からグローバルIPアドレスが割り当てられているのが一般的です。
- プライベートIPアドレス: 家庭やオフィスなどの閉じたネットワーク内(ローカルネットワーク)でのみ有効なIPアドレスです。同じネットワーク内でIPアドレスが重複しないように管理されていれば、インターネット全体から見て重複していても問題ありません。NASに割り当てられるIPアドレスは、通常はこのプライベートIPアドレスです。
NASのIPアドレスを知りたい場合、それはローカルネットワーク内のプライベートIPアドレスのことです。このプライベートIPアドレスは、通常、以下の範囲のいずれかから選ばれて使用されます。
- 10.0.0.0 から 10.255.255.255
- 172.16.0.0 から 172.31.255.255
- 192.168.0.0 から 192.168.255.255
日本の家庭やオフィスでは、192.168.x.x
の範囲(特に 192.168.1.x
や 192.168.0.x
、192.168.11.x
など)がよく使われます。
1.2. IPアドレスの割り当て方法:DHCPと固定IP
デバイスにプライベートIPアドレスを割り当てる方法には、主に二つあります。
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol): ネットワークの中心にあるルーター(またはDHCPサーバー機能を持つ機器)が、ネットワーク上のデバイス(PC、スマホ、NASなど)に対して、一時的かつ自動的にIPアドレスを割り当てる仕組みです。多くの家庭や小規模オフィスネットワークでは、このDHCP方式が標準的に使われています。ケーブルを繋いだりWi-Fiに接続したりすると、自動的にIPアドレスが割り振られるのは、このDHCPのおかげです。
- 固定IPアドレス(スタティックIPアドレス): デバイスごとに、ネットワーク管理者が手動で特定のIPアドレスを割り当てる方法です。一度設定すれば、ネットワークに接続するたびに同じIPアドレスが使用されます。サーバー機器やネットワークプリンターなど、常に同じアドレスでアクセスしたい機器に設定されることが多いです。
NASの初期設定では、多くの場合DHCPが有効になっています。そのため、ルーターに繋ぐとルーターからIPアドレスが割り振られます。このIPアドレスは、DHCPサーバー(ルーター)の再起動や、NASや他のデバイスの接続状況の変化によって、将来的に変更される可能性があります。
これが、NASのIPアドレスが分からなくなる主な理由の一つです。「前にアクセスできたIPアドレスでNASに繋がらなくなった」という場合、NASに割り当てられたIPアドレスがDHCPによって変更されてしまった可能性があります。
1.3. ルーターの役割:ネットワークの中心
家庭や小規模オフィスネットワークにおいて、ルーターは非常に重要な役割を果たします。
- インターネット接続: ローカルネットワーク全体を代表してインターネットに接続します。
- IPアドレス管理(DHCPサーバー): ネットワーク上のデバイスにプライベートIPアドレスを割り当てて管理します。
- ルーティング: ローカルネットワーク内のデバイス間の通信や、ローカルネットワークとインターネット間の通信の経路を制御します。
- ファイアウォール: 外部からの不正アクセスを防ぐためのセキュリティ機能を提供します。
NASは必ずこのルーター(またはルーターの下にあるスイッチングハブ)に接続されます。そのため、ルーターはネットワーク上のどのデバイスにどのようなIPアドレスを割り当てているかを知っています。このルーターの機能を利用することが、NASのIPアドレスを調べるための非常に有効な手段となります(後述)。
1.4. サブネットとデフォルトゲートウェイ
ネットワークを理解する上で、「サブネット」と「デフォルトゲートウェイ」も重要なキーワードです。
- サブネット: 大きなネットワークを小さなまとまり(サブネット)に分割したものです。同じサブネット内のデバイスは直接通信できますが、異なるサブネットのデバイスと通信するにはルーターを経由する必要があります。IPアドレスと「サブネットマスク」という値によって、そのIPアドレスがどのサブネットに属するかが決まります。例えば、IPアドレスが
192.168.1.50
でサブネットマスクが255.255.255.0
の場合、192.168.1.x
の範囲が同じサブネットになります。 - デフォルトゲートウェイ: ローカルネットワークから外部(インターネットや他のサブネット)へ通信するための「出口」となる機器のIPアドレスです。通常はルーターのプライベートIPアドレスがこれにあたります。例えば、あなたのPCのIPアドレスが
192.168.1.50
なら、デフォルトゲートウェイは192.168.1.1
や192.168.1.254
といった、ルーターのIPアドレスになっていることが多いです。
なぜこれが重要かというと、NASとIPアドレスを調べたいパソコンが同じサブネットに接続されている必要があるからです。異なるサブネットにいる場合、NAS検索ツールやネットワークスキャンがうまく動作しないことがあります。ルーターのIPアドレス(デフォルトゲートウェイ)を知ることは、後述するルーターの管理画面へのアクセスや、ネットワークスキャンの範囲を特定する上で非常に役立ちます。
これらの基本的なネットワークの仕組みを理解しておくと、後述する様々なIPアドレス検索方法がなぜ有効なのか、あるいはなぜうまくいかない場合があるのかが分かりやすくなります。
2. IPアドレスを調べる前に確認すること(前提条件)
NASのIPアドレスを探し始める前に、いくつか確認しておくべき重要な前提条件があります。これらが満たされていないと、どの方法を試してもNASを見つけることができません。
- NAS本体の電源が入っているか?
- 当たり前のようですが、NASの電源が入っていて、正常に起動完了しているかを確認してください。前面のLEDランプなどで状態を確認できるはずです。
- NASがネットワークケーブルでルーター(またはスイッチングハブ)に正しく接続されているか?
- NASの背面にあるLANポートと、ルーターやスイッチングハブのLANポートが、断線していないLANケーブルでしっかりと接続されているか確認してください。LANポートの近くにあるLEDランプが点灯・点滅していれば、物理的な接続は確立しています。
- IPアドレスを調べたいパソコン(またはスマートフォン)が、NASと同じネットワークに接続されているか?
- これが最も重要です。IPアドレスはローカルネットワーク内で有効な住所です。NASとあなたのパソコンが、同じルーターに接続されている必要があります。
- 有線接続の場合:NASと同じルーターまたは同じスイッチングハブに有線で繋がっているか確認。
- 無線接続(Wi-Fi)の場合:NASが繋がっているルーターのWi-Fiに、パソコンやスマートフォンも接続しているか確認。もし自宅に複数のアクセスポイントがある場合、NASが繋がっているネットワークとは別のネットワークにパソコンが繋がっていると、同じローカルネットワーク内にいても異なるサブネットになるなどして、簡単には見つけられないことがあります。最も確実なのは、NASと同じルーターのLANポートに有線でパソコンを接続して調べる方法です。
- 確認方法: あなたのパソコンのIPアドレスを確認してみてください。Windowsならコマンドプロンプトで
ipconfig
、macOSならターミナルでifconfig
またはシステム環境設定のネットワーク情報から確認できます。NASのIPアドレスは、通常あなたのPCと同じサブネット(例:192.168.1.x
)にあるはずです。もしPCのIPアドレスが192.168.1.50
で、サブネットマスクが255.255.255.0
なら、NASのIPアドレスも192.168.1.1
から192.168.1.254
の間のいずれかである可能性が高いです。(ただし、ルーター自身や他の機器が使用しているIPアドレスは除きます。)
- これが最も重要です。IPアドレスはローカルネットワーク内で有効な住所です。NASとあなたのパソコンが、同じルーターに接続されている必要があります。
これらの基本的な項目を確認したら、いよいよ具体的なIPアドレスの調査方法に進みましょう。
3. NASのIPアドレスを調べる具体的な方法(簡単な順に)
ここからは、実際にNASのIPアドレスを調べるための具体的な手順を、比較的簡単で確実性の高い方法から順に紹介していきます。
方法1:NASメーカー提供の専用ユーティリティソフトを利用する(最もおすすめ!)
多くのNASメーカーは、自社製のNASをネットワーク上で簡単に検索・設定するための専用ユーティリティソフトウェアを提供しています。この方法が、初心者の方にとって最も簡単で確実性が高い場合が多いです。
なぜおすすめなのか?
* NAS独自の検出プロトコルを使用するため、OSのネットワーク機能に依存しにくい。
* 同じネットワーク(サブネット)にいれば、高確率で見つけられる。
* IPアドレスだけでなく、ホスト名、モデル名、シリアル番号、ファームウェアバージョンなどの詳細情報も表示してくれることが多い。
* 見つかったNASに対して、IPアドレスの表示だけでなく、管理画面へのリンクや基本的な設定変更、ネットワークドライブのマッピングなどの機能が統合されていることがある。
主要メーカーのユーティリティソフトウェア例:
- Synology (シノロジー): Synology Assistant
- QNAP (キューナップ): QNAP Qfinder Pro
- Buffalo (バッファロー): NAS Navigator2
- I-O DATA (アイ・オー・データ): MagicolorStart / Landisk Connector
- ELECOM (エレコム): NAS Link Navigator
- ASUSTOR (アサスター): ASUSTOR Control Center
- Western Digital (WD): WD Discovery (旧WD Accessなど)
手順:
- ユーティリティソフトのダウンロード:
- 使用しているNASのメーカー公式サイトにアクセスします。
- 「サポート」「ダウンロード」「製品情報」などのページを探します。
- お使いのNASのモデル名を入力して検索するか、製品カテゴリーから探します。
- ダウンロードページに「ユーティリティ」「ツール」「ソフトウェア」といった項目があるはずです。
- お使いのパソコンのOS(Windows/macOSなど)に合ったユーティリティソフトウェアをダウンロードします。通常は無料です。
- ユーティリティソフトのインストール:
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、画面の指示に従ってインストールします。特別な設定は不要な場合が多いです。セキュリティソフトやOSのファイアウォールに関する警告が出る場合がありますが、メーカー公式のものであれば基本的に許可して問題ありません。
- ユーティリティソフトを起動する:
- インストールが完了したら、スタートメニューやアプリケーションフォルダからユーティリティソフトを起動します。
- NASの検索(スキャン)を実行する:
- ソフトを起動すると、自動的にネットワーク上のNASを検索し始めるか、「検索」「スキャン」「更新」といったボタンが表示されるので、それをクリックします。
- しばらく待つと、ネットワーク上で検出されたNASのリストが表示されます。
- 目的のNASを見つけ、IPアドレスを確認する:
- 表示されたリストの中から、あなたのNASを見つけます。モデル名やホスト名(設定していれば)、MACアドレスなどが識別の手がかりになります。
- リストの項目の中に、そのNASに割り当てられているIPアドレスが表示されています。このIPアドレスを控えておきましょう。
- NASの管理画面にアクセスする:
- 多くのユーティリティソフトは、リストからNASを選択して「接続」「設定画面を開く」といったボタンをクリックすることで、Webブラウザで管理画面を開くことができます。もしボタンがなくても、表示されたIPアドレスをWebブラウザのアドレスバーに入力すればアクセスできます。(例:
http://192.168.1.100
またはhttps://192.168.1.100
– 後述のポート番号も参照)
- 多くのユーティリティソフトは、リストからNASを選択して「接続」「設定画面を開く」といったボタンをクリックすることで、Webブラウザで管理画面を開くことができます。もしボタンがなくても、表示されたIPアドレスをWebブラウザのアドレスバーに入力すればアクセスできます。(例:
この方法の注意点:
- 必ず同じネットワーク(同じサブネット)に接続したパソコンから実行してください。
- メーカーによっては、比較的新しいモデルでないと対応するユーティリティが提供されていない場合もあります。
- セキュリティソフトやOSのファイアウォールが、ユーティリティソフトのネットワーク検索機能をブロックしている可能性があります。その場合は一時的に無効にするか、特定のプログラムやポートを許可する設定が必要になる場合があります。
もしメーカーサイトが見つからない、またはソフトが古い、対応OSがない場合…
この方法が最も推奨されますが、もしメーカーサイトが見つからない、古いモデルでサポートが終了している、OSに対応するソフトがない、といった場合は、次の方法を試してください。
方法2:ルーターの管理画面から確認する(非常に確実!)
NASは必ずルーター(またはルーターの下にあるスイッチングハブ)に接続されます。ルーターはネットワーク上のデバイスにIPアドレスを割り当てる役割(DHCPサーバー)を担っているため、どのデバイスにどのIPアドレスを割り当てたかを記録しています。この情報をルーターの管理画面から確認する方法は、非常に確実性が高いです。
なぜ確実なのか?
* DHCPでIPアドレスが割り当てられている限り、ルーターは割り当てたIPアドレスを把握している。
* メーカーユーティリティのように特定のプロトコルに依存しない。
* ネットワークに接続されているほぼ全てのデバイスの情報が得られる。
手順:
- ルーターの管理画面にアクセスするためのIPアドレス(デフォルトゲートウェイ)を調べる:
- ルーターの管理画面にアクセスするには、まずそのルーター自身のプライベートIPアドレスを知る必要があります。これは通常、あなたのパソコンの「デフォルトゲートウェイ」として設定されています。
- Windowsの場合:
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
cmd
と入力して「OK」をクリックするか、検索バーに「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力して起動します。- コマンドプロンプトが開いたら、
ipconfig
と入力してEnterキーを押します。 - 表示される情報の中から、「Default Gateway」(または「デフォルト ゲートウェイ」)の行を探します。その右側に表示されているIPアドレスがルーターのIPアドレスです。(例:
192.168.1.1
や192.168.0.1
、192.168.11.1
など)
- macOSの場合:
- 「アプリケーション」フォルダを開き、「ユーティリティ」フォルダの中にある「ターミナル」を起動します。
- ターミナルが開いたら、
netstat -rn
と入力してEnterキーを押します。 - 表示されるルーティングテーブルの中から、「default」または「0.0.0.0」の行を探します。その行の「Gateway」または「Next Hop」の列に表示されているIPアドレスがルーターのIPアドレスです。(例:
192.168.1.1
など) - より簡単な方法として、「システム設定」(macOS Ventura以降)または「システム環境設定」(macOS Monterey以前)を開き、「ネットワーク」を選択し、現在接続しているネットワーク(Wi-FiまたはEthernet)を選び、「詳細」または「TCP/IP」タブを確認すると、ルーターのIPアドレス(ルーターまたはデフォルトゲートウェイと表示)が表示されている場合があります。
- iOS/Androidの場合:
- 接続しているWi-Fiネットワークの設定情報を確認します。「i」マークや歯車アイコンなどをタップすると、IPアドレス、サブネットマスク、ルーター(またはデフォルトゲートウェイ)のIPアドレスが表示されます。
- その他: ルーター本体の側面に貼られたラベルや、付属のマニュアルにデフォルトのIPアドレスが記載されている場合があります。
- Webブラウザでルーターの管理画面にアクセスする:
- 調べたルーターのIPアドレスを、パソコンやスマートフォンのWebブラウザ(Chrome, Edge, Safari, Firefoxなど)のアドレスバーに入力してEnterキーを押します。(例:
http://192.168.1.1
) - ルーターのログイン画面が表示されます。
- 調べたルーターのIPアドレスを、パソコンやスマートフォンのWebブラウザ(Chrome, Edge, Safari, Firefoxなど)のアドレスバーに入力してEnterキーを押します。(例:
- ルーターの管理画面にログインする:
- ルーターのユーザー名とパスワードを入力してログインします。
- ユーザー名とパスワードが分からない場合:
- ルーター本体のラベルやマニュアルに初期設定のユーザー名・パスワードが記載されていることが多いです。
- よくあるデフォルト値としては、ユーザー名が
admin
、パスワードがpassword
、admin
、空欄、またはルーターのシリアル番号下数桁などです。 - もし初期設定から変更していて忘れてしまった場合は、ルーターを工場出荷時設定にリセットする方法がありますが、これを実行するとネットワーク設定が全て初期化されるため、インターネット接続なども含めて再設定が必要になり、非常に手間がかかるため最後の手段と考えてください。リセットボタンは通常、ルーターの側面に小さな穴として存在し、細いピンなどで数秒間長押しすることで実行できます。
- ルーターの管理画面内で接続デバイスのリストを探す:
- ルーターの管理画面のメニュー構成はメーカーや機種によって大きく異なりますが、以下のような項目を探してください。
- 「接続デバイス一覧」「DHCPクライアントリスト」「端末情報」「ネットワークマップ」「接続中の機器」「LAN側設定」など
- これらの項目の中に、現在ルーターに接続されているデバイスのリストが表示されています。
- ルーターの管理画面のメニュー構成はメーカーや機種によって大きく異なりますが、以下のような項目を探してください。
- リストからNASを見つけ、IPアドレスを確認する:
- 表示されたデバイスリストには、デバイスのIPアドレス、MACアドレス、ホスト名などが表示されていることが多いです。
- リストの中からあなたのNASを見つけます。識別する手がかりとしては:
- ホスト名: NASを設定した際に指定した名前や、メーカーのデフォルト名(例:
SYNOLOGY
,QNAP
,LANDISK
などに続けてシリアル番号やMACアドレス下数桁が付いていることが多い)。 - MACアドレス: 全てのネットワーク機器固有の物理アドレスです。NAS本体のラベルにMACアドレスが記載されていることが多いので、リストに表示されたMACアドレスと照合します。MACアドレスの最初の6桁はメーカーによって決まっているので、リストから「Synology」「QNAP」「Buffalo」といったメーカー名を探すこともできます(ルーターがベンダー名を合わせて表示してくれればですが)。
- IPアドレスの範囲: NASは通常、あなたのPCと同じサブネット内のIPアドレスが割り当てられているはずです。ルーター自身やあなたのPC以外のIPアドレスの中で、NASと思われる名前やMACアドレスを探します。
- ホスト名: NASを設定した際に指定した名前や、メーカーのデフォルト名(例:
- 目的のNASが見つかったら、そこに表示されているIPアドレスを控えます。
- NASの管理画面にアクセスする:
- ルーターの管理画面でIPアドレスを確認したら、そのIPアドレスをWebブラウザのアドレスバーに入力してNASの管理画面にアクセスします。
この方法の注意点:
- ルーターの機種によって管理画面のレイアウトやメニュー構成が大きく異なります。目的の項目が見つからない場合は、ルーターのマニュアルを参照するか、メーカーのサポート情報を確認してください。
- ルーターにログインできない場合、この方法は使えません。
- リストに多数のデバイスが表示される場合、目的のNASを見つけるのが難しい場合があります。ホスト名やMACアドレスを事前に確認しておくと役立ちます。
方法3:ネットワークスキャンツールを使用する(少し専門的だが強力)
メーカーユーティリティが見つからない、ルーターの管理画面にアクセスできない、あるいはネットワーク上の全てのデバイスを一覧したい、といった場合には、市販またはフリーで提供されているネットワークスキャンツールが有効です。これらのツールは、指定したIPアドレスの範囲に対してアクセスを試み、応答があったデバイスのIPアドレスやホスト名、MACアドレス、開いているポートなどの情報を収集してリスト表示してくれます。
主なネットワークスキャンツール例(Windows/macOS対応の代表的なもの):
- Angry IP Scanner: 軽量で高速なオープンソースのIPスキャナー。
- Advanced IP Scanner: Windows向けの有名なフリースキャナー。
- Nmap: 高機能なネットワーク探索・セキュリティ監査ツール(コマンドラインツールだが、ZenmapというGUI版もある)。より専門的。
ここでは、比較的使いやすい「Angry IP Scanner」や「Advanced IP Scanner」を例に手順を説明します。
手順:
- ネットワークスキャンツールのダウンロードとインストール:
- 上記のようなツール名で検索し、公式ウェブサイトからソフトウェアをダウンロードします。フリーソフトウェアの場合、信頼できるサイトからダウンロードするように注意してください。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
- ネットワークスキャンツールを起動する:
- インストールが完了したら、ツールを起動します。
- スキャンするIPアドレスの範囲を指定する:
- ツールには通常、「IP Range」(IPアドレスの範囲)を指定する欄があります。ここに、スキャンしたいネットワークのIPアドレス範囲を入力します。
- スキャン範囲の特定方法:
- あなたのパソコンのIPアドレスとサブネットマスクを確認します(前述の
ipconfig
コマンドなど)。 - 例えば、あなたのPCのIPアドレスが
192.168.1.50
で、サブネットマスクが255.255.255.0
の場合、ネットワークアドレスは192.168.1.0
、ブロードキャストアドレスは192.168.1.255
となります。このネットワークで使用されているプライベートIPアドレスの範囲は、通常192.168.1.1
から192.168.1.254
までです。(.0
と.255
は通常、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスとして予約されており、通常のデバイスには割り当てられません) - したがって、スキャン範囲は「開始IP:
192.168.1.1
」から「終了IP:192.168.1.254
」となります。 - もしサブネットマスクが
255.255.0.0
の場合(172.16.x.x
や10.x.x.x
のネットワークで時々見られます)、IPアドレス172.16.5.10
なら、範囲は172.16.0.1
から172.16.255.254
と非常に広くなります。家庭や小規模オフィスでは通常255.255.255.0
ですが、念のため確認してください。 - 最も簡単なのは、あなたのPCのIPアドレスの最後の数字だけを
1
にしたものを開始IP、254
にしたものを終了IPとすることです(例: PCが192.168.1.50
なら範囲は192.168.1.1
–192.168.1.254
)。
- あなたのパソコンのIPアドレスとサブネットマスクを確認します(前述の
- スキャンを実行する:
- IPアドレス範囲を指定したら、「開始」「Scan」「Start」といったボタンをクリックしてスキャンを開始します。
- ツールは指定された範囲のIPアドレスに対して順にネットワーク上の応答を確認していきます。
- スキャン結果からNASを見つけ、IPアドレスを確認する:
- スキャンが完了すると、応答があったデバイスのリストが表示されます。リストには通常、IPアドレス、ホスト名、MACアドレス、開いているポートなどの情報が含まれます。
- リストの中からNASを見つけます。識別する手がかりはルーターの方法と同様です:
- ホスト名: NASの名前(Synology, QNAP, Buffaloなどを含むことが多い)。
- MACアドレス: メーカー名が表示されていることが多い(例:
Synology
,QNAP
,Buffalo
)。MACアドレス自体をNAS本体のラベルと照合することも有効です。 - 開いているポート: NASの管理画面やサービスが使用するポート番号が表示されていることがあります。一般的なNASのWeb管理画面のポート番号は、HTTPが
80
または5000
/8080
、HTTPSが443
または5001
/8081
などです。リストにこれらのポートが開いているIPアドレスがあれば、それがNASである可能性が高いです。
- 目的のNASが見つかったら、そのIPアドレスを控えます。
この方法の注意点:
- スキャン範囲を広くしすぎると時間がかかります。
- ファイアウォール(パソコンやルーター)の設定によっては、スキャンへの応答がブロックされ、NASが見つからない場合があります。
- 複数のNASや他のネットワーク機器がある場合、リストが長くなり、目的のNASを特定するのが難しくなることがあります。ホスト名やMACアドレスによる識別が重要になります。
- フリーツールの場合、提供元や利用規約を確認し、安全なツールを使用してください。
方法4:コマンドプロンプト/ターミナルを使用する(技術的な知識が必要)
少し技術的な知識が必要ですが、OSに標準搭載されているコマンド(ping
, arp -a
, nmap
など)を使ってNASのIPアドレスを探すことも可能です。
4.1. pingコマンドでホスト名を解決する
NASが設定したホスト名(ネットワーク名)で名前解決できる場合、その名前に対してpingコマンドを実行することでIPアドレスが分かります。
手順:
- コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(macOS)を起動する。
- pingコマンドを実行する:
- NASのホスト名が分かっている場合(例:
mynas
やsynology-nas
など)、以下のコマンドを実行します。
bash
ping <NASのホスト名>
(例:ping mynas
) - もし成功すれば、以下のような応答が表示され、ホスト名の横に括弧で囲まれてIPアドレスが表示されます。
Pinging mynas [192.168.1.100] with 32 bytes of data:
Reply from 192.168.1.100: bytes=32 time=1ms TTL=64
...
この例では、NASのIPアドレスは192.168.1.100
です。
- NASのホスト名が分かっている場合(例:
この方法の注意点:
- NASにホスト名が設定されている必要があります。
- WindowsのNetBIOSやmacOSのBonjour/mDNSといった名前解決の仕組みが正しく機能している必要があります。これらの仕組みはネットワーク環境によってはうまく動作しないことがあります。
- NASやパソコンのファイアウォールがICMPパケット(pingで使用されるパケット)をブロックしている場合、応答が得られずIPアドレスも表示されません。
4.2. arp -a コマンドでARPキャッシュを表示する
あなたのパソコンが最近通信したことのあるデバイスのIPアドレスとMACアドレスの対応リスト(ARPキャッシュ)を表示させるコマンドです。もし以前にそのNASと通信したことがあるなら、リストに載っている可能性があります。
手順:
- コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(macOS)を起動する。
- arp -a コマンドを実行する:
bash
arp -a - 表示されたリストからNASを見つける:
- IPアドレスと、それに対応するMACアドレスのリストが表示されます。
- リストの中から、NASのMACアドレスと一致する行を探します。NASのMACアドレスは本体ラベルなどで確認できます。MACアドレスの最初の6桁(ベンダーコード)で「Synology」「QNAP」などを判断できる場合もあります。
この方法の注意点:
- このリストは、コマンドを実行した時点から最近通信したデバイスの情報しか含まれていません。NASと全く通信したことがない場合や、通信から時間が経過している場合はリストに表示されません。
- リストにはネットワーク上の多数のデバイスが表示されるため、MACアドレスなどでの正確な識別が必須です。
4.3. nmapコマンド(上級者向け)
nmap
は非常に強力なネットワークスキャンコマンドですが、使いこなすにはある程度の知識が必要です。前述のネットワークスキャンツール(Angry IP Scannerなど)のコマンドライン版のようなものと考えられます。
手順例(Windows/macOS共通 – nmapのインストールが必要):
nmap
をダウンロード・インストールします(公式ウェブサイトから)。- コマンドプロンプト/ターミナルを起動します。
- 以下のコマンドでネットワーク範囲をスキャンします(例:
192.168.1.1
から192.168.1.254
の範囲をスキャン)。
bash
nmap 192.168.1.1-254 - スキャン結果からNASを見つけます。
nmap
はIPアドレス、ホスト名、開いているポートなどを詳細に表示します。特定のNASメーカーが使用するポート(例: 5000/5001 for Synology, 8080/8081 for QNAP)が開いているIPアドレスを探すのが有効な方法の一つです。
この方法の注意点:
nmap
のインストールが必要です。- コマンドオプションが多数あり、使いこなすには学習が必要です。
- ファイアウォールにブロックされる可能性があります。
- ネットワークによっては、
nmap
の使用がセキュリティポリシーに違反する場合や、他の機器に負荷をかける可能性があります。
方法5:Windowsのネットワーク機能やmacOSのFinderから探す(見つかる可能性あり)
OS標準のネットワーク共有機能を通じて、NASが見つかることがあります。これはIPアドレスを直接表示するわけではありませんが、NASにアクセスできればそこからIPアドレスを確認できる場合があります。
5.1. Windowsの場合(エクスプローラーのネットワーク)
Windowsのエクスプローラーの「ネットワーク」を開くと、同じネットワークグループ内に存在する共有リソース(NASや共有フォルダを設定したPCなど)が表示されることがあります。
手順:
- エクスプローラーを開きます。
- 左側のナビゲーションペインにある「ネットワーク」をクリックします。
- しばらく待つと、ネットワーク上のデバイスやコンピューターが表示されます。
- 表示されたリストの中に、あなたのNASの名前(ホスト名)やアイコンが表示されていないか探します。
- もしNASが見つかったら、そのアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- プロパティ画面の中に、NASのIPアドレスが表示されている場合があります(「場所」やネットワーク関連の情報欄)。
この方法の注意点:
- NASがSMB/CIFS(Windowsファイル共有)機能を有効にしており、Windowsのネットワーク検出が正しく機能している必要があります。
- ネットワーク環境によっては、正しく表示されないことがあります。
- 見つかってもプロパティにIPアドレスが表示されない場合もあります。
5.2. macOSの場合(Finderのネットワークまたは場所)
macOSのFinderのサイドバーにある「ネットワーク」や「場所」(macOSのバージョンによる)には、ネットワーク上の共有コンピュータやサーバーが表示されることがあります。
手順:
- Finderを開きます。
- Finderウィンドウのサイドバーにある「場所」または「ネットワーク」セクションを探します。
- ここに表示されている共有リソースの中から、あなたのNASの名前を探します。
- NASが見つかったら、それに接続します。接続後に、Finderのメニューバーから「ファイル」>「情報を見る」(または
Command + i
)で情報を表示すると、サーバーアドレスとしてホスト名が表示されることが多いですが、IPアドレスが表示される場合もあります。 - 確実にIPアドレスを確認するには、NASに接続した後、ターミナルで
netstat -f inet
と入力して、NASのホスト名に対応するIPアドレスを探すといった、より技術的な方法が必要になる場合があります。あるいは、接続後に方法4.2で紹介したarp -a
コマンドを実行すると、NASのIPアドレスがARPキャッシュに登録されている可能性が高いです。
この方法の注意点:
- NASがAFP(Apple Filing Protocol)やSMB(Windowsファイル共有)機能を有効にしており、macOSからアクセス可能になっている必要があります。
- Finderに表示されても、IPアドレスが直接簡単に確認できるとは限りません。
方法6:NAS本体のディスプレイやランプ、初期設定時の情報から探す(稀だが可能性あり)
一部の高性能なNASモデルには、IPアドレスを含むネットワーク情報を表示できる小さな液晶ディスプレイが搭載されている場合があります。また、初期設定時にIPアドレスが表示される製品もあります。
手順:
- NAS本体のディスプレイを確認する:
- もしNASにディスプレイが付いている場合、メニュー操作や表示項目の切り替えでIPアドレスを表示できる機能がないか確認します。マニュアルを参照してください。
- 本体のランプの点滅パターンを確認する:
- 非常に稀ですが、特定のランプの点滅パターンや色でネットワーク状態(IPアドレス割り当ての有無など)を示唆するNASがあるかもしれません。マニュアルで確認してください。
- 初期設定時の情報を思い出す/確認する:
- NASを初めてセットアップした際に、セットアップウィザードの画面にIPアドレスが表示されたかもしれません。当時の画面のスクリーンショットがないか探したり、設定時にメモを取っていなかったか確認したりします。
- 一部のNASは、初期設定時に特定のデフォルトIPアドレス(例: 192.168.1.100 など)を使用することがあります。ただし、これはDHCPサーバーがない環境でのフォールバックアドレスであることが多く、DHCPが有効な環境ではルーターから別のIPアドレスが割り当てられている可能性が高いです。
この方法の注意点:
- ディスプレイ搭載モデルは限られます。
- 初期設定時のIPアドレスは、DHCPにより変更されている可能性が非常に高いです。
4. 見つからない場合のトラブルシューティング
上記の方法を試してもNASのIPアドレスが見つからない、あるいは見つけたIPアドレスにアクセスできない場合は、以下の点を確認してみてください。
- NASは本当に起動していますか? 電源が入っているか、エラーを示すランプが点滅していないか再確認。
- NASはネットワークケーブルで正しく接続されていますか? LANポートのLEDランプの状態を確認。ケーブルを抜き差ししてみる。別のLANケーブルを試してみる。
- NASとパソコンは同じネットワーク(同じルーター)に接続されていますか? PCを有線でルーターの空いているLANポートに接続し直して再試行するのが最も確実です。Wi-Fiの場合、正しいSSIDに接続しているか確認。
- パソコンのファイアウォール(Windows Defender Firewall, macOS Firewallなど)がNAS検索やアクセスをブロックしていませんか? 一時的に無効にして試してみるか、NASメーカーのユーティリティソフトやWebブラウザからのアクセスを許可する設定を確認。
- ルーターのファイアウォール設定で、ローカルネットワーク内のデバイス間の通信が制限されていませんか? ルーターの管理画面で、LAN側からの特定のIPアドレスやポートへのアクセスがブロックされていないか確認(設定を変更した覚えがなければ、通常は問題ないはずですが)。
- NASに固定IPアドレスを設定していませんか? もし過去に固定IPアドレスを設定し、そのアドレスを忘れてしまった場合、上記の方法では見つけられないことがあります(特に、DHCPの範囲外のアドレスを設定した場合)。その場合は、NASを工場出荷時設定にリセットすることで、DHCPでIPアドレスを取得できるようになりますが、データが消える可能性があるため、手順をよく確認してください(メーカーやモデルによってリセット手順や影響範囲が異なります)。通常、リセットはボタンを長押しするなどして行いますが、設定だけがリセットされる「設定リセット」と、データも消える「完全リセット」があるため注意が必要です。IPアドレスが分からないだけであれば、「設定リセット」でネットワーク設定だけを初期化できる可能性があります。
- IPアドレスは分かったがアクセスできない場合:
- プロトコルとポート番号を確認: Web管理画面へのアクセスは、多くの場合
http://[IPアドレス]
またはhttps://[IPアドレス]
ですが、NASによっては標準以外のポート番号を使用します(例:http://[IPアドレス]:5000
,https://[IPアドレス]:5001
for Synology,http://[IPアドレス]:8080
,https://[IPアドレス]:8081
for QNAP)。メーカーマニュアルや公式サイトで確認してください。HTTPSの場合、証明書エラーが出る場合がありますが、NASの自己署名証明書であれば安全上の問題はありません(警告を無視して続行)。 - NASのサービスが停止していないか: NASのシステム(OS)が正常に起動しているか、Webサーバーなどのサービスが停止していないか、本体ランプなどで確認。
- プロトコルとポート番号を確認: Web管理画面へのアクセスは、多くの場合
- ネットワーク上の他の機器とIPアドレスが重複していませんか? 特に手動で固定IPアドレスを設定した場合に起こりやすいです。ルーターのDHCPクライアントリストやネットワークスキャンツールで、目的のIPアドレスが他の機器に割り当てられていないか確認。IPアドレスが重複すると、通信が不安定になったり、一方の機器しかアクセスできなくなったりします。
5. IPアドレス確認後の推奨設定:固定IP化またはDHCP予約
NASのIPアドレスを無事に見つけ出せたら、今後のアクセスをより安定させるために、そのIPアドレスを固定化するか、ルーターでDHCP予約を設定することを強くお勧めします。
なぜ固定化/DHCP予約が良いのか?
- 安定したアクセス: NASのIPアドレスが常に一定になるため、Webブラウザのブックマーク、ネットワークドライブのマッピング、バックアップソフトウェアの設定などで、毎回IPアドレスが変わる心配がなくなります。
- 名前解決の信頼性向上: ホスト名でのアクセスが不安定な場合でも、IPアドレス直打ちで常に確実にアクセスできます。
- 特定のサービス利用の容易化: ポートフォワーディング(外部からのアクセス)設定を行う際に、NASのIPアドレスが変わってしまうと設定が無効になってしまいます。固定化/DHCP予約しておけば、ポートフォワーディング設定も安定します。
固定IPアドレスの設定方法:
この設定はNASの管理画面から行います。
- WebブラウザでNASの管理画面にアクセスします(今回見つけたIPアドレスを使用)。
- 管理者ユーザーでログインします。
- ネットワーク設定または接続設定の項目を探します。(例: 「ネットワークインターフェース」「LAN設定」「TCP/IP」など)
- 通常、「DHCP」が選択されている設定を、「手動設定」または「固定IPアドレスを使用する」に変更します。
- 以下の情報を手動で入力します。
- IPアドレス: 現在NASに割り当てられているIPアドレス、または今後NASに使用させたいIPアドレス。ただし、ルーターのDHCP配布範囲外のアドレスを選択するように注意してください。 例えば、ルーターのDHCPが
192.168.1.100
から192.168.1.200
の範囲でIPアドレスを配布しているなら、NASには192.168.1.2
から192.168.1.99
または192.168.1.201
から192.168.1.254
の範囲で、他の固定IP機器と重複しないアドレスを選びます。 - サブネットマスク: あなたのネットワークのサブネットマスクを入力します。通常は
255.255.255.0
です。(PCのipconfig
結果などで確認できます) - デフォルトゲートウェイ: ルーターのプライベートIPアドレスを入力します。(PCの
ipconfig
結果などで確認できます) - DNSサーバー: 通常はルーターのIPアドレス、または契約しているISPのDNSサーバー、あるいはパブリックDNS(
8.8.8.8
や1.1.1.1
など)を入力します。デフォルトゲートウェイと同じで問題ない場合が多いです。
- IPアドレス: 現在NASに割り当てられているIPアドレス、または今後NASに使用させたいIPアドレス。ただし、ルーターのDHCP配布範囲外のアドレスを選択するように注意してください。 例えば、ルーターのDHCPが
- 設定を保存/適用します。NASが再起動したり、一時的にネットワーク接続が切断されることがあります。設定後に新しい固定IPアドレスでNASにアクセスできるか確認してください。
DHCP予約(IPアドレス固定割り当て)の設定方法:
この設定はルーターの管理画面から行います。NAS側はDHCP有効のままで構いません。ルーターに「このMACアドレスを持つデバイスには、常にこのIPアドレスを割り当てる」と覚えさせる設定です。
- Webブラウザでルーターの管理画面にアクセスし、ログインします(前述の方法2を参照)。
- DHCP設定またはLAN設定の項目を探します。(例: 「DHCPサーバー」「アドレス予約」「IPアドレス固定割り当て」「静的IPアドレス設定」など)
- DHCP予約の設定画面で、以下の情報を入力します。
- MACアドレス: IPアドレスを固定したいNASのMACアドレス。ルーターの接続デバイス一覧(方法2)やNASメーカーユーティリティ(方法1)、NAS本体のラベルなどで確認できます。
- 割り当てるIPアドレス: そのMACアドレスを持つNASに常に割り当てたいIPアドレス。通常はルーターのDHCP配布範囲内のアドレスから選びます。 他の機器が既に使用していないか確認してください。
- 設定を保存/適用します。
どちらの方法が良いか?
- 固定IP(NAS側で設定): NAS単体でIPアドレスを管理できますが、ルーターのDHCP配布範囲と重複しないように注意が必要です。ネットワーク構成を変更した際に、NAS側のIPアドレス設定も変更する必要が生じる場合があります。
- DHCP予約(ルーター側で設定): IPアドレス管理をルーターに一元化できます。IPアドレスの重複を防ぎやすく、ルーター側で設定すればNAS側はDHCPのままで良いため簡単です。ルーターを交換した場合は再設定が必要になります。
特別な理由がなければ、ルーター側でのDHCP予約が比較的簡単で推奨される方法です。ただし、古いルーターや機能の少ないルーターではDHCP予約機能がない場合もあります。その場合はNAS側で固定IPアドレスを設定します。
6. まとめ:あなたに最適なIPアドレス確認方法は?
ここまで、NASのIPアドレスを調べるための様々な方法を詳細に解説してきました。これらの方法のどれがあなたにとって最適か、状況に応じて選びましょう。
-
まず最初に試すべき最も簡単な方法:
- NASメーカー提供の専用ユーティリティソフト を使う。NASのメーカー名と「ユーティリティ」「ダウンロード」などで検索し、公式サイトから入手して試してみてください。
-
メーカーソフトが使えない、あるいは見つからない場合に試す方法:
- ルーターの管理画面から確認する。ルーターのログイン情報が必要になりますが、ネットワーク上のデバイス情報をルーターが正確に把握しているため、非常に確実な方法です。
-
上記の方法でも見つからない、またはより詳細な情報を得たい場合に試す方法:
- ネットワークスキャンツールを使用する。IPアドレス範囲を指定してネットワーク上のデバイスを網羅的に検索できます。ホスト名やMACアドレス、開いているポートなどからNASを特定します。
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技術的な知識がある方向けの方法:
- コマンドプロンプト/ターミナルを使用する (
ping
,arp -a
など)。特定の条件(ホスト名解決やARPキャッシュなど)が満たされれば有効ですが、万能ではありません。
- コマンドプロンプト/ターミナルを使用する (
-
補助的な方法、または特定の環境で有効な方法:
- WindowsのエクスプローラーやmacOSのFinderから探す。ネットワーク共有機能が有効で、OSのネットワーク検出が機能していれば表示される可能性があります。
- NAS本体のディスプレイや初期設定時の情報から探す。限定的な方法です。
どの方法を選択する場合でも、NASとパソコンが同じネットワークに正しく接続されていることが最も重要な前提条件です。
NASのIPアドレスが特定できれば、Webブラウザから管理画面にアクセスして詳細な設定を行ったり、他のデバイスからファイル共有にアクセスしたり、NASの機能を最大限に活用できるようになります。
一度NASのIPアドレスが分かったら、将来的に探し直す手間を省くために、本記事の5章で紹介した「固定IP化」または「DHCP予約」の設定を強くお勧めします。また、NASのホスト名を分かりやすい名前に設定しておくと、メーカーユーティリティやネットワークスキャン、あるいはPingコマンドなどで見つけやすくなります。
終わりに
NASのIPアドレス探しは、多くの方にとって最初の難関かもしれません。しかし、本記事で解説した様々な方法のいずれかを試せば、きっとあなたのNASを見つけ出すことができるはずです。もし一つの方法でうまくいかなくても、諦めずに別の方法を試してみてください。
ネットワークの仕組みは少し複雑に感じられるかもしれませんが、IPアドレスはネットワーク上の住所であり、ルーターはその住所録を管理する役割を担っている、というイメージを持っていただければ、理解しやすかったかと思います。
本記事が、あなたのNASのIPアドレス探しの「これで解決!」となることを心より願っています。無事にIPアドレスが見つかったら、ぜひNASの多彩な機能を活用して、より便利で快適なデジタルライフを楽しんでください。
もしこの記事を読んでも解決しない場合や、特殊なネットワーク環境で困っている場合は、NASメーカーのサポート窓口や、お使いのルーターメーカーのサポート窓口に問い合わせることも検討しましょう。その際には、試した方法や、パソコンのIPアドレス、ルーターの機種名などの情報を伝えるとスムーズに対応してもらえるはずです。
これで、あなたのNAS探しはもう怖くありません!