Asus Zenbook S 13 OLED徹底レビュー:失敗しない選び方と評価【約5000語の完全ガイド】
はじめに
薄型軽量ノートPC市場において、常に注目を集める存在であるASUSのZenbookシリーズ。中でも「Zenbook S 13 OLED」は、その名の通り、驚異的な薄さと軽さに加えて、圧倒的に美しいOLED(有機EL)ディスプレイを搭載することで、多くのユーザーから高い評価を得ています。
「究極のモバイルノートPC」とも称されるZenbook S 13 OLEDですが、決して安価な製品ではありません。また、その特徴的な仕様ゆえに、万人向けの製品というわけでもありません。購入を検討している方の中には、「本当に自分の用途に合っているのだろうか?」「OLEDディスプレイってどうなの?」「どのモデルを選べば失敗しないの?」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ASUS Zenbook S 13 OLED(主に最新世代のUX3405、旧世代のUX3404なども含めたシリーズ全体の特徴として解説)について、その魅力から弱点、そして失敗しないための選び方まで、約5000語というボリュームで徹底的に掘り下げていきます。
この記事を読めば、Zenbook S 13 OLEDがどのようなノートPCなのか、あなたのニーズに合っているのか、そしてもし購入するならどの構成を選べば良いのかが明確になるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、あなたのノートPC選びの参考にしてください。
Zenbook S 13 OLEDとは? シリーズのコンセプト
ASUS Zenbook Sシリーズは、「薄さ」と「軽さ」にこだわり抜いた、ASUSのフラッグシップモバイルノートPCラインナップです。その中でも「13 OLED」は、13.3インチという持ち運びに最適なサイズ感に、Zenbook Sシリーズが誇る極限までの薄さと軽さ、そして「OLEDディスプレイ」という他にはない強力な武器を備えています。
シリーズのコンセプトは明確です。それは、「モビリティとビジュアル体験の妥協なき両立」。場所を選ばずに仕事をしたり、クリエイティブな作業をしたり、あるいは高品質なエンターテイメントを楽しんだりするユーザーにとって、最高の体験を提供することを目指しています。
- モビリティ: 驚異的な薄さと軽さにより、ノートPCを持ち運ぶことによる負担を最小限に抑えます。常にバッグに入れて持ち歩き、必要な時にさっと取り出して使える。フットワークの軽いビジネスパーソンや学生に最適です。
- ビジュアル体験: OLEDディスプレイの搭載により、これまでのノートPCでは味わえなかったレベルの美しい画面を提供します。写真や動画の色を正確に見たいクリエイター、映画やドラマを最高の画質で楽しみたいユーザーにとって、この上ない魅力となります。
ただし、薄さ・軽さを追求するがゆえのトレードオフも存在します。高性能なCPUを搭載していても、その性能をフルに引き出すには冷却性能の限界があり、また、物理的な制限からポート類も最小限に抑えられています。これらの点を理解した上で選ぶことが、「失敗しない選び方」の鍵となります。
次の章からは、Zenbook S 13 OLEDの各要素について、詳細な評価を行っていきます。
Zenbook S 13 OLED 徹底評価
ここでは、Zenbook S 13 OLEDの各機能を詳細にレビューし、その長所と短所を明らかにします。
1. デザインと外観:極限まで削ぎ落とされた美しさ
Zenbook S 13 OLEDの最大の魅力の一つは、そのデザインです。
- 薄さ・軽さ: Zenbook S 13 OLED(特に最新世代のUX3405)は、驚異的な薄さと軽さを実現しています。厚さは約1cm(最薄部)、重さは約1kgを切るモデルがラインナップされています。これは、一般的な13インチクラスのモバイルノートPCと比較してもトップクラスであり、カバンに入れてもほとんど重さを感じさせません。この圧倒的なモビリティは、頻繁に持ち運ぶユーザーにとって最大のメリットとなります。
- 参考:多くの一般的な13インチノートPCは厚さ1.5cm以上、重さ1.2kg以上が多い。
- 素材感と質感: 本体には高品質なマグネシウム-アルミニウム合金などの軽量かつ高強度の素材が使用されており、触れた時の質感も非常に洗練されています。触り心地の良いマットな仕上げや、ASUSのこだわりが感じられる細かいディテールが、所有欲を満たしてくれます。特に最新世代で採用された「セラミックホワイト」などのカラーは、環境に配慮した製造プロセスで作られている点も特徴です。
- カラーバリエーション: 落ち着いたバサルトグレーや、特徴的なセラミックホワイトなど、洗練されたカラーが用意されています。どちらの色も高級感があり、ビジネスシーンからプライベートまで違和感なく溶け込みます。
- 耐久性: 薄く軽いにも関わらず、MIL規格(米軍の物資調達基準)に準拠した高い耐久性を備えているモデルもあります。落下や振動、高温・低温などの過酷な環境にも耐えうる設計は、安心して持ち運ぶための重要な要素です。
- ポート配置と数: ここはZenbook S 13 OLEDの数少ない弱点の一つと言えます。極限の薄さを追求した結果、搭載されているポートは必要最低限に絞られています。
- USB Type-C (Thunderbolt 4またはUSB 3.2 Gen 2) x 2
- HDMI (フルサイズ) x 1
- オーディオコンボジャック x 1
HDMIポートが搭載されているのはモバイルノートとして嬉しい点ですが、USB Type-Aポートがないため、多くの従来の周辺機器を接続するにはUSBハブやアダプターが必須となります。また、SDカードスロットなどもありません。複数の周辺機器を同時に接続することが多い場合は、別途ドッキングステーションやハブの購入を検討する必要があります。
評価: デザインと外観に関しては、薄さ、軽さ、質感ともに最高レベルです。モバイル性を最重視するユーザーにとっては、これ以上の選択肢は少ないでしょう。ただし、ポート数の少なさは明確なデメリットであり、自身の使い方と照らし合わせて許容できるかを確認する必要があります。
2. ディスプレイ:息をのむ美しさのOLED
Zenbook S 13 OLEDの最大の特徴であり、最大の魅力と言えるのが、搭載されているOLED(有機EL)ディスプレイです。
- OLEDの圧倒的な優位性:
- 真の黒: OLEDはピクセル一つ一つが自発光するため、完全に消灯したピクセルは文字通り真っ黒になります。これにより、液晶ディスプレイでは表現できない圧倒的なコントラスト比を実現し、暗いシーンでもディテールが潰れず、映像に深みが増します。
- 鮮やかな発色と広い色域: DCI-P3 100%など、非常に広い色域をカバーしており、豊かな色彩を表現できます。写真や動画の色を正確に再現できるため、クリエイティブな作業(写真編集、動画編集、デザインなど)にも最適です。また、鮮やかな色は、Webサイト閲覧や動画視聴などの日常使いでも高い満足感を与えてくれます。
- 高速な応答速度: 応答速度が非常に速いため、画面のスクロールや動画再生時に残像がほとんどありません。これにより、滑らかで目に優しい表示が可能になります。
- HDR対応: 高いコントラスト比と広い色域を活かし、HDRコンテンツを美しく表示できます。対応する映画やドラマを視聴する際に、よりリアルで臨場感のある映像を楽しめます。
- 解像度とアスペクト比: 多くのモデルで2.8K(2880 x 1800ピクセル)という高解像度を採用しています。これにより、非常に精細な表示が可能で、小さな文字もくっきりと表示され、複数のウィンドウを開いても作業スペースを広く確保できます。また、アスペクト比は16:10を採用。一般的な16:9のディスプレイよりも縦方向の表示領域が広いため、Webサイト閲覧やドキュメント作成などでスクロールする回数を減らすことができ、作業効率が向上します。
- 輝度: ピーク輝度は高いものの、一般的なSDRコンテンツ表示時の輝度は液晶ほど高くない場合もあります。明るい屋外での使用には限界がある可能性も考慮が必要です。
- ブルーライト低減: OLEDは構造上、ブルーライトの発生量が液晶よりも少ないという特性があります。さらに、ASUS独自のブルーライト低減技術と組み合わせることで、長時間の使用でも眼精疲労を軽減する効果が期待できます。テュフ・ラインランドなどの認証も取得しているモデルが多いです。
- 画面サイズ (13.3インチ): モバイル性と視認性のバランスに優れたサイズです。小さすぎず、それでいて気軽に持ち運べる絶妙なサイズ感と言えます。
OLEDの注意点:焼き付きのリスク
OLEDディスプレイは非常に高品質ですが、一点注意しておきたいのが「焼き付き」のリスクです。同じ静止画を長時間表示し続けると、その痕跡が画面に残ってしまう可能性があります。ASUSは、このリスクを低減するための様々な対策(ピクセルシフト、タスクバーの自動非表示、スクリーンの自動調光など)をソフトウェアで提供しています。しかし、完全にリスクをゼロにすることはできません。日常的に同じアプリを長時間フルスクリーンで表示し続けるような使い方をする場合は、この点を理解しておく必要があります。一般的な使い方であれば、過度に心配する必要はありませんが、念のため対策機能はオンにしておくことを推奨します。
評価: ディスプレイはZenbook S 13 OLED最大の強みです。OLEDによる圧倒的な画質は、一度体験すると後戻りできないほどの魅力があります。色にこだわるクリエイターや、最高の映像美を求めるエンターテイメントユーザーにとっては、このディスプレイのためだけに選ぶ価値があると言えるでしょう。ただし、焼き付きのリスクと明るい場所での視認性には注意が必要です。
3. パフォーマンス:モバイル向けCPUの可能性
Zenbook S 13 OLEDには、その世代ごとに最新のモバイル向けCPUが搭載されています。薄型軽量ボディの中で、どの程度のパフォーマンスを発揮できるのでしょうか。
- 搭載されるCPU: 主にIntel Core Ultraシリーズ(最新世代UX3405など)や、Core iシリーズ(第13世代UX3404など)の高性能モバイル向けCPUが搭載されます。
- Intel Core Ultraシリーズ: 最新世代のCPUで、CPUコア、GPU(Intel Arc Graphics)、そしてNPU(Neural Processing Unit)を統合したタイルアーキテクチャが特徴です。特にNPUはAI処理に特化しており、AIを活用した機能(画像編集、ビデオ会議のノイズ除去など)の効率化や、電力効率の向上に貢献します。マルチコア性能も向上しており、日常的なタスクはもちろん、軽めのクリエイティブ作業もこなせるポテンシャルを秘めています。
- Intel Core iシリーズ (第13世代など): 前世代のCPUですが、Office作業、Webブラウジング、メール、動画視聴といった一般的な用途であれば、十分すぎるほどの性能を発揮します。
- 統合GPU (Intel Arc Graphicsなど): CPUに統合されたグラフィックス機能ですが、Core Ultraシリーズに搭載されるIntel Arc Graphicsは、従来のIntel Iris Xe Graphicsと比較して大幅に性能が向上しています。これにより、写真編集(Photoshop)、軽めの動画編集(Premiere Proの単純な編集)、そしてSteamなどで販売されている比較的軽量なゲームであれば、ある程度快適に動作させることが可能です。ただし、本格的な3Dゲームや、高解像度・長尺の動画編集など、負荷の高い作業には向いていません。
- RAM容量: 16GBまたは32GBのモデルが主流です。薄型モデルのため、基本的にRAMはオンボード(マザーボードに直接搭載)されており、後から増設することはできません。マルチタスクを頻繁に行う方や、クリエイティブ作業を考慮するなら、余裕を持って16GB以上、可能であれば32GBを選択するのが理想的です。
- ストレージ (SSD): 高速なNVMe SSDが搭載されています。容量は512GBまたは1TBが一般的です。SSDの速度はOSやアプリケーションの起動速度、ファイルの読み書き速度に直結するため、快適な使用感に大きく貢献します。容量については、OSやアプリケーション、そして個人データを考慮して選びましょう。写真や動画を大量に保存する場合は、1TBあると安心です。
- 実際の使用感:
- 日常作業: Officeアプリケーション、Webブラウジング(多数タブを開いても)、メール、動画視聴などは非常に快適です。キビキビとした動作でストレスを感じることはほとんどありません。
- 軽めのクリエイティブ作業: 写真編集や、シンプルなテロップ入れ程度の動画編集であれば十分可能です。OLEDディスプレイの色精度と合わせて、高い満足度が得られるでしょう。
- 負荷の高い作業: 大規模なデータ処理、複雑な動画編集、3Dモデリング、最新のPCゲームなどは、このクラスの薄型ノートPCには荷が重いです。性能を発揮しきる前に、冷却性能の限界に達し、サーマルスロットリング(熱による性能制限)が発生する可能性があります。
- 冷却性能とファンノイズ: 薄型軽量ボディの中に高性能CPUを詰め込んでいるため、負荷の高い作業を行うとファンが高速で回転し、それなりのノイズが発生します。また、熱もボディの一部に集中する傾向があります。日常的な軽作業ではファンは静か、あるいは停止していることが多いですが、高負荷時はそれなりに音がすること、および本体が熱くなることは覚悟しておく必要があります。ASUS独自の冷却技術(IceCoolなど)で効率化は図られていますが、物理的な制約には限界があります。
評価: Zenbook S 13 OLEDは、モバイル向けCPUとしては高いパフォーマンスを発揮します。日常的な作業や軽めのクリエイティブ作業であれば十分にこなせる性能を持っています。特にCore Ultra世代のモデルは、AI機能の活用や内蔵GPUの性能向上により、活用の幅が広がっています。ただし、薄型軽量であることの代償として、高負荷時の冷却性能とファンノイズには課題があります。自身のメインの用途が、このPCの得意な領域(日常作業、軽めのクリエイティブ)に収まっているかを確認することが重要です。
4. キーボードとタッチパッド:快適な入力環境
ノートPCの使い心地を左右する重要な要素の一つが、キーボードとタッチパッドです。
- キーボード:
- 打鍵感: 薄型ノートPCながら、比較的しっかりとした打鍵感を実現しています。キーストロークは深いとは言えませんが、適度な反発力があり、長時間のタイピングでも疲れにくいように設計されています。ASUS独自のエルゴセンスキーボードなどが採用されています。
- 配列: 一般的な日本語配列または英語配列です。一部Fnキーとの組み合わせで使う機能キーがありますが、主要なキーの配置に大きな癖はありません。ただし、Enterキー周辺や矢印キー周りのレイアウトはモデルによって若干異なる場合があり、慣れが必要な場合もあります。
- バックライト: 標準でキーボードバックライト機能を搭載しています。暗い場所での作業に便利で、明るさも調整可能です。
- タッチパッド:
- 操作性: 広々としたタッチパッドは、滑らかな操作感を提供します。ジェスチャー操作(ピンチズーム、2本指スクロール、3本指・4本指ジェスチャーなど)にもスムーズに対応しており、外付けマウスなしでも快適に操作できます。
- NumberPad (オプション): モデルによっては、タッチパッドがテンキーとして機能する「NumberPad」機能を搭載しています。数値入力が多い作業をする場合に非常に便利です。必要な時にタッチパッド上のアイコンをタップすることで、テンキーモードとタッチパッドモードを切り替えられます。
- 材質: ガラス製など、高品質な素材が使われており、指の滑りが非常に良いです。
評価: キーボードとタッチパッドは、薄型ノートPCとしては非常に高いレベルでまとまっています。日常的なタイピング作業であれば十分に快適で、特にタッチパッドの操作性は優秀です。NumberPad機能は、数値入力の多いユーザーにとっては非常に魅力的なオプションとなります。
5. バッテリー駆動時間:モビリティの要
モバイルノートPCにとって、バッテリー駆動時間は非常に重要です。
- バッテリー容量: Zenbook S 13 OLEDには、比較的大きめのバッテリー(例: 63Whrなど)が搭載されているモデルが多いです。
- 公称値と実測値: ASUSの公称値では、最大15時間以上といった非常に長い駆動時間が謳われています。しかし、これは最もバッテリー消費が少ない状態で測定された理想値です。実際の使用シーンでは、画面輝度、CPU負荷、Wi-Fi使用状況などによって大きく変動します。
- 実測値の傾向: Web閲覧や簡単なドキュメント作成といった軽作業中心であれば、一日(8時間程度)は十分持つことが多いです。しかし、動画視聴を続けたり、少し負荷の高い作業(動画編集など)を行ったりすると、駆動時間は短くなります。OLEDディスプレイは、明るい表示や白色表示が多いほど消費電力が大きくなる傾向があります。
- 充電速度とUSB PD: USB Type-Cポートからの充電(USB PD – Power Delivery)に対応しています。付属のACアダプターはもちろん、対応するモバイルバッテリーや他のUSB PD充電器からも充電できるため、非常に便利です。急速充電にも対応しており、短時間でかなりの量を充電できます。
評価: バッテリー駆動時間は、使い方によって大きく変動しますが、一般的なモバイルノートPCとしては標準以上のパフォーマンスを発揮します。一日中外出先で作業する場合でも、使い方によってはACアダプターなしで乗り切れる可能性があります。USB PD対応は、荷物を減らす上で大きなメリットです。ただし、OLEDの特性上、画面表示内容によってはバッテリー消費が大きくなる点に注意が必要です。
6. サウンド:薄型ながらこだわりも
ノートPCのスピーカーは期待できないと思われがちですが、Zenbook S 13 OLEDは薄型ながらサウンドにもこだわりが見られます。
- スピーカーの配置と音質: 底面またはキーボード面上部にスピーカーが配置されています。Harman Kardonなどのオーディオメーカーと共同開発されているモデルが多く、薄型ノートPCとしては比較的クリアで迫力のあるサウンドを実現しています。
- Dolby Atmos対応: 立体的な音響を楽しめるDolby Atmosに対応しているモデルもあります。動画視聴や音楽鑑賞の際に、より没入感のある体験ができます。
- マイク: AIノイズキャンセリング機能を備えたマイクを搭載しています。ビデオ会議などで周囲の騒音を軽減し、自分の声をクリアに相手に届けられます。
評価: サウンドは、薄型ノートPCとしては健闘していると言えます。高品質なスピーカーとDolby Atmos対応により、動画視聴や音楽鑑賞を十分に楽しめます。ただし、本格的なリスニングには外部スピーカーやヘッドホンの使用が推奨されます。AIノイズキャンセリングマイクは、オンラインコミュニケーションが多い現代において非常に便利な機能です。
7. その他の機能
- Webカメラ: HD解像度(720p)またはフルHD解像度(1080p)のWebカメラを搭載しています。画質は一般的なノートPCと同等レベルで、明るい場所であれば問題なく使用できます。薄型ベゼルの影響もあり、画質は最高レベルではありませんが、ビデオ会議には十分なレベルです。
- 生体認証: 顔認証(Windows Hello対応IRカメラ)または指紋認証センサーを搭載しています。ログインが素早く安全に行えるため、非常に便利です。モデルによっては両方に対応している場合もあります。
- Wi-Fi規格: 最新のWi-Fi 6E規格に対応しているモデルが多いです。対応するルーターと組み合わせることで、より高速で安定したワイヤレス通信が可能です。
- ASUS独自のソフトウェア (MyASUSなど): システム診断、アップデート管理、バッテリー充電モードの設定、ファンプロファイルの設定など、様々な便利機能を提供するソフトウェアがプリインストールされています。これらのツールを使うことで、PCの状態を最適に保ったり、自分好みにカスタマイズしたりできます。
Zenbook S 13 OLEDのメリット・デメリットまとめ
これまでの評価を踏まえ、Zenbook S 13 OLEDのメリットとデメリットをまとめます。
メリット:
- 圧倒的な薄さ・軽さ: モバイル性は現存するノートPCの中でも最高クラス。持ち運びの負担が極めて少ない。
- 息をのむOLEDディスプレイ: 真の黒、高コントラスト、鮮やかな発色、広い色域により、最高のビジュアル体験を提供。クリエイティブ作業やエンタメに最適。
- 洗練されたデザインと高品質な素材: 所有欲を満たす美しいデザインと高い質感。
- モバイル向けとしては十分なパフォーマンス: 日常作業から軽めのクリエイティブ作業まで快適にこなせる。Core Ultra世代はAI性能も向上。
- 快適なキーボードとタッチパッド: タイピング、カーソル操作ともにストレスが少ない。NumberPad搭載モデルは便利。
- USB PD対応: 汎用性の高い充電方式で、モバイル運用が楽になる。
- 高いセキュリティ機能: 顔認証または指紋認証で素早く安全にログイン。
- AIノイズキャンセリングマイク: オンラインコミュニケーションの質を高める。
デメリット:
- ポート数が少ない: USB Type-Aがないなど、周辺機器の接続にハブやアダプターが必須になる場合が多い。
- 高負荷時の冷却性能とファンノイズ: 薄さゆえに、CPU/GPUに高い負荷をかけると熱を持ちやすく、ファンノイズも大きくなる。
- OLEDの焼き付きリスク: 同じ静止画を長時間表示し続けると、画面に痕跡が残る可能性がある(対策機能はあるがゼロにはならない)。
- 価格: 高度な技術と高品質な素材を使用しているため、比較的高価。
- 修理・アップグレードの難しさ: 薄型設計のため、分解や部品交換が難しく、RAMやSSDもオンボードであることが多い。
失敗しないZenbook S 13 OLEDの選び方
Zenbook S 13 OLEDの購入で後悔しないためには、自分の用途と予算、そしてこのPCの特性をよく理解することが重要です。以下のポイントを考慮して選びましょう。
1. 自分の主な用途を明確にする:
- 最優先が「圧倒的なモビリティ」と「最高の画面品質」か?
- Zenbook S 13 OLEDは、この2点を求めるユーザーに最も適しています。頻繁に持ち運び、外出先で写真や動画を扱ったり、高画質で映像コンテンツを楽しんだりするなら、最高の選択肢の一つです。
- 主にどのような作業を行うか?
- Web閲覧、メール、Office作業、動画視聴などの日常使い: Core i5またはCore Ultra 5相当のCPU、16GB RAM、512GB SSDで十分です。
- 写真編集、軽めの動画編集、デザインなどのクリエイティブ作業: より高性能なCore i7またはCore Ultra 7相当のCPU、32GB RAM、1TB SSDを推奨します。特に動画編集はRAMとストレージ容量が重要になります。
- 本格的な動画編集、3Dモデリング、PCゲームなど: Zenbook S 13 OLEDはこれらの用途には向きません。より高性能なCPU・GPUを搭載した厚みのあるノートPCやデスクトップPCを検討すべきです。
- 周辺機器の接続頻度は高いか?
- USB Type-A、SDカードリーダー、有線LANポートなどを頻繁に使用する場合、Zenbook S 13 OLEDでは別途USBハブやドッキングステーションが必須になります。これが許容できるか、あるいはハブを持ち運ぶことを厭わないかを考慮しましょう。
2. CPU、RAM、ストレージの構成を選ぶ:
- CPU:
- Core i5 / Core Ultra 5: 日常使い、軽作業向け。コストパフォーマンスに優れる。
- Core i7 / Core Ultra 7: クリエイティブ作業や、より将来的な余裕を求める方向け。パフォーマンスが必要な作業を少しでも行う可能性があるならこちらを推奨。特にCore Ultra 7は内蔵GPUの性能も向上しており、できることの幅が広がります。
- RAM:
- 16GB: 一般的な用途には十分な容量。多くのユーザーにとって実用的な選択肢。
- 32GB: クリエイティブ作業、多数のアプリケーションを同時に起動するヘビーマルチタスカー向け。将来的なことを考えて余裕を持たせたい場合にも。後から増設できないため、迷ったら多い方を選んだ方が後悔しにくいかもしれません。
- ストレージ (SSD):
- 512GB: OS、アプリケーション、一般的なドキュメントなどを保存するのに十分な容量。クラウドストレージを積極的に利用するならこれでもOK。
- 1TB: 写真、動画、ゲームなど、容量の大きいデータを多く保存する場合に推奨。安心して使える容量です。
3. OLEDディスプレイは本当に必要か?
- OLEDディスプレイはZenbook S 13 OLEDの最大の特徴であり、価格にも影響します。
- OLEDを選ぶべき人: 色精度が重要なクリエイティブ作業をする人、最高の映像美で映画やドラマを楽しみたい人、黒が引き締まった美しい画面に強いこだわりがある人。これらの要素がZenbook S 13 OLEDを選ぶ最大の動機になるはずです。
- OLEDでなくても良い人: 一般的なWeb閲覧やOffice作業が中心で、そこまで画面の色やコントラストにこだわりがない人。バッテリー持ちを少しでも長くしたい人(OLEDは白色表示で消費電力が大きくなる)。画面焼き付きのリスクを完全に避けたい人。この場合は、他の液晶ディスプレイ搭載のモバイルノートPCも検討する価値があります。Zenbookシリーズには液晶モデルも存在します。
4. 予算とのバランスを考える:
- Zenbook S 13 OLEDは高価な部類に入るノートPCです。必要なスペックと予算を考慮し、最もバランスの取れたモデルを選びましょう。
- 旧モデル(UX3404など)が、型落ちで価格が下がっている場合もあります。最新世代(UX3405など)のCore Ultraやデザイン・機能の進化が必要かどうかを検討し、予算重視であれば旧モデルも選択肢に入れるのは賢いかもしれません。ただし、旧モデルは新モデルに比べて性能、バッテリー持ち、デザインなど、様々な面で劣る可能性がある点は理解しておく必要があります。
5. 購入前に実機を確認する(可能であれば):
- 特にキーボードの打鍵感やOLEDディスプレイの見え方(色味、明るさ、反射具合など)は、実際に触ってみるのが一番です。家電量販店などで実機が展示されている場合は、ぜひ確認してみましょう。薄さ・軽さも、カタログスペックだけでは伝わりにくい部分です。
旧モデルとの比較(UX3404 vs UX3405など)
Zenbook S 13 OLEDシリーズは毎年アップデートされています。最新世代(例: UX3405)と前世代(例: UX3404)の主な違いを把握しておくと、どちらを選ぶかの参考になります。
- CPU世代: 最大の違いは搭載されるCPUです。最新世代はCore Ultraシリーズ、前世代はCore iシリーズ(第13世代など)が中心となります。Core Ultraは性能向上に加え、内蔵GPUの強化やAI処理用のNPU搭載が大きな進化点です。
- デザイン・筐体: 細かいデザインの変更や、素材の見直しが行われていることがあります。特に最新世代では、環境に配慮した素材が採用されたり、より薄型・軽量化が進んだりする傾向があります。ポート構成も変更される可能性があります。
- OLEDパネル: OLEDパネルそのものも改良されている可能性があります。最大輝度、色精度、応答速度、焼き付き対策などが改善されている場合があります。
- その他の機能: Webカメラの解像度、Wi-Fi規格、バッテリー容量など、細かな仕様がアップデートされている可能性があります。
最新世代は当然性能や機能面で優れていますが、価格も高くなる傾向があります。日常使いが中心で、最新の高性能や機能にそこまでこだわらない場合は、型落ちとなった旧モデルがお得な選択肢となることもあります。ただし、将来的な使用を考えると、できる限り新しい世代を選んだ方が長く快適に使える可能性は高いです。
競合機種との比較
Zenbook S 13 OLEDを検討する上で、他の人気モバイルノートPCとの比較も重要です。主な競合としては以下のようなモデルが挙げられます。
- Dell XPS 13: 薄型軽量かつ高品質なモバイルノートPCの代表格です。Zenbook S 13 OLEDと同様に洗練されたデザインと高性能なスペックが特徴ですが、OLEDディスプレイは搭載されていないモデルが多いです(まれにオプションであることも)。ポート数は同様に少ない傾向があります。品質・デザイン重視なら強力な競合です。
- HP Spectre x360 13: 2-in-1タイプのコンバーチブルノートPCです。ディスプレイが360度回転し、タブレットとしても使用できる汎用性の高さが特徴です。OLEDモデルも存在し、Zenbook S 13 OLEDと同様に美しい画面を提供します。ペン入力に対応しているモデルもあります。変形機構やペンが必要ならこちら。
- Apple MacBook Air (Mシリーズチップ搭載モデル): Windows OSにこだわらないなら、最も強力な競合の一つです。Appleシリコンによる高いパフォーマンスと驚異的なバッテリー駆動時間、そして完成度の高いmacOSが魅力です。Retinaディスプレイ(液晶)は非常に高品質ですが、OLEDのようなコントラスト比はありません。価格帯も近いです。WindowsでOLEDが必要ならZenbook S 13 OLED、そうでなければMacBook Airも有力な選択肢です。
- Lenovo Yoga Slimシリーズなど: 他メーカーの薄型軽量、OLEDディスプレイ搭載モデルも増えています。ASUS Zenbook S 13 OLEDは、その中でも特に「薄さ」「軽さ」「OLEDの品質」のバランスに優れている点、そして洗練されたデザインが差別化ポイントと言えるでしょう。
Zenbook S 13 OLEDは、「究極の薄さと軽さ」と「圧倒的なOLEDディスプレイの美しさ」という、明確な強みを持っています。これらのポイントに最も魅力を感じるならば、他の競合とは一線を画す選択肢となります。
総合評価と結論
ASUS Zenbook S 13 OLEDは、間違いなく現行のモバイルノートPC市場において、非常に魅力的で個性的な製品です。その最大の特徴である「驚異的な薄さと軽さ」と「息をのむほど美しいOLEDディスプレイ」は、特にモビリティを重視し、かつビジュアル体験に妥協したくないユーザーにとって、非常に強力な武器となります。
日常的な作業であれば、搭載されるCPU、RAM、SSDは十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮し、快適なユーザーエクスペリエンスを提供します。キーボードやタッチパッドも使いやすく、生体認証やAIノイズキャンセリングマイクといった便利機能も充実しています。USB PD対応により、充電の汎用性が高い点も、モバイル運用において大きなアドバンテージです。
しかし、完璧な製品というわけではありません。極限の薄さゆえに犠牲になっている「ポート数の少なさ」は、多くの周辺機器を使用するユーザーにとっては大きな制約となります。また、高負荷時の冷却性能とファンノイズ、そしてOLED特有の「焼き付きリスク」についても理解しておく必要があります。価格も決して安くはありません。
Zenbook S 13 OLEDはこんな人におすすめ!
- PCを頻繁に持ち運び、軽さを最優先したい人
- 写真編集、デザイン、動画編集(軽め)など、色精度が重要なクリエイティブ作業を行う人
- 映画やドラマなど、高画質な映像コンテンツを最高の美しさで楽しみたい人
- 洗練されたデザインと高品質な質感にこだわる人
- ノートPCに最高のディスプレイを求める人
- USB Type-Aポートなどを頻繁に使う必要がなく、ハブの運用に抵抗がない人
逆に、こんな人にはあまり向かないかも…
- 本格的な動画編集、3Dグラフィックス、PCゲームなど、非常に高いGPU性能を必要とする人
- 多数の周辺機器を同時に、かつ頻繁に接続する人(ポート不足に悩む可能性が高い)
- バッテリー駆動時間を何よりも重視し、OLEDの消費電力増大リスクを避けたい人
- 予算を最大限に抑えたい人(同等性能の液晶モデルの方が安価な場合がある)
- 画面焼き付きのリスクを絶対に避けたい人
価格に見合う価値があるか?
Zenbook S 13 OLEDは、その価格に見合うだけの特別な価値を提供できるノートPCです。それは、他の製品ではなかなか得られない「圧倒的なモビリティ」と「唯一無二のOLEDディスプレイ体験」です。この2つの要素に強い魅力を感じ、そのためにトレードオフ(ポート数、高負荷時の冷却など)を許容できるのであれば、非常に満足度の高い買い物になるでしょう。単に薄くて軽い高性能なノートPCを探しているだけであれば、他の選択肢も検討すべきですが、「OLEDの美しさ」という付加価値に惹かれるのであれば、Zenbook S 13 OLEDは唯一無二の存在と言えます。
今後の展望
Zenbook S 13 OLEDシリーズは、今後もASUSのフラッグシップモバイルノートPCとして、最新のCPUや技術を搭載しながら進化を続けていくでしょう。特に、OLEDディスプレイの技術進化(焼き付きリスクの低減、高輝度化など)や、モバイル向けCPUの性能向上、そしてAI機能の更なる活用などにより、さらに魅力的な製品になっていくことが期待されます。
まとめ
この記事では、ASUS Zenbook S 13 OLEDについて、その詳細な評価と失敗しないための選び方、そして競合機種との比較など、多角的な視点から解説しました。
Zenbook S 13 OLEDは、その薄さ、軽さ、そして圧倒的に美しいOLEDディスプレイという、明確で強力な個性を持つノートPCです。しかし、その特性ゆえに、万人向けの製品ではありません。自身のライフスタイル、主な用途、そしてPCに求めるものを明確にし、この記事で解説したメリット・デメリット、選び方のポイントを参考に、Zenbook S 13 OLEDがあなたのニーズに合っているかをじっくり検討することが、購入で後悔しないための最も重要なステップです。
もしあなたが、最高のモビリティと最高のビジュアル体験を同時に手に入れたいと考えているなら、ASUS Zenbook S 13 OLEDはきっと、あなたの期待を超える満足感を与えてくれるでしょう。
あなたのノートPC選びが成功することを願っています。