SteamエラーコードE20が出たら試す5つの対処法:詳細解説
Steamを使用中に「エラーコードE20」に遭遇し、ゲームのプレイやストアへのアクセスができなくなり、困惑されている方もいらっしゃるでしょう。E20エラーは、特にネットワーク接続やSteamクライアント自体の問題に関連して発生することが多いエラーです。このエラーが表示されると、オンラインサービスに接続できない、ログインできない、あるいは特定の機能が利用できないといった状況に陥りがちです。
しかし、幸いなことに、エラーコードE20は、適切なトラブルシューティングを行うことで解決できる場合がほとんどです。このエラーに直面した場合に試すべき、効果的で実践的な5つの対処法を、それぞれ詳細に解説します。約5000語という長大な記事の中で、それぞれの対処法について、なぜそれが効果的なのか、具体的な手順、注意点などを網羅的に説明することで、読者の皆様がご自身の環境でエラーを解決するための一助となることを目指します。
この解説を通じて、エラーの原因を理解し、冷静に一つずつ対処法を試していくことで、再び快適なSteamライフを取り戻せることを願っています。
はじめに:SteamエラーコードE20とは何か、なぜ発生するのか
SteamエラーコードE20は、通常、Steamクライアントがサーバーと正常に通信できない場合に表示されるエラーです。これは、ログイン時、ストアへのアクセス時、ゲームのダウンロードやアップデート時、さらにはゲームプレイ中に発生する可能性があります。
このエラーコードが示す具体的な内容は、Steam側から明確に定義されているわけではありませんが、ユーザーの報告やコミュニティでの議論から、主に以下のような原因が考えられます。
- ネットワーク接続の問題: 最も一般的な原因です。インターネット回線自体の不調、ルーターやモデムの問題、Wi-Fiの不安定さ、LANケーブルの断線などが挙げられます。Steamクライアントは常にサーバーとの通信を必要とするため、ネットワークが不安定だとE20エラーが発生しやすくなります。
- Steamサーバー側の問題: まれに、Steamのサーバー自体に障害が発生している場合があります。メンテナンス中であったり、一時的な過負荷によってサービスが停止している場合、ユーザー側にはE20のような接続エラーとして表示されることがあります。
- ローカル環境の干渉: パソコンの設定、セキュリティソフト(ファイアウォールやアンチウイルス)、プロキシ設定、VPNなどがSteamの通信を妨げている可能性があります。これらのソフトウェアがSteamの通信を不正なものと誤認し、ブロックしてしまうことがあります。
- Steamクライアントのファイル破損または設定の問題: Steamクライアント自身のファイルが破損している、またはキャッシュや一時ファイルに問題がある場合も、正常な通信ができずにエラーが発生することがあります。また、Steamのベータ版プログラムに参加している場合、ベータ版特有のバグが原因でエラーが出ることもあります。
- Windowsシステムの問題: Windowsのネットワーク設定、DNSキャッシュの問題、あるいはWindows自体が古い、またはシステムファイルに問題がある場合なども、間接的にSteamの通信に影響を与えることがあります。
これらの原因を踏まえ、以下に紹介する5つの対処法は、ネットワーク接続からローカル環境、そしてSteamクライアント自体にわたる幅広い範囲をカバーしています。基本的なものから順に試していくことで、エラーの原因を特定し、解決に繋げることが期待できます。
対処法 1:パソコン、Steam、ネットワーク機器を全て再起動する
なぜ効果的なのか?
コンピュータやネットワーク機器は、長時間稼働していると一時的な不具合が発生することがあります。メモリリーク、プロセスのスタック、ネットワーク設定の一時的な誤りなどが蓄積し、正常な動作を妨げることがあります。これらの多くの問題は、機器を再起動することでリフレッシュされ、初期状態に戻ることで解消されます。これは、コンピュータのトラブルシューティングにおける最も基本的かつ効果的な「魔法の呪文」のようなものです。Steamクライアントだけでなく、パソコン全体、そしてインターネット接続の要であるルーターやモデムを再起動することで、問題の原因がどこにあってもリセットを試みることができます。
Steamクライアント自体のプロセスが固まっている、あるいはバックグラウンドで正常に終了できていない場合も、再起動によって解決することがあります。また、ルーターやモデムの再起動は、ISP(インターネットサービスプロバイダ)との接続をリフレッシュし、割り当てられているIPアドレスが更新されたり、内部的なエラー状態が解消されたりする効果があります。Wi-Fiを使用している場合は、Wi-Fiルーターの不調が原因である可能性もゼロではありません。
具体的な手順:
この対処法は、以下の3つのステップを順番に行うことが重要です。
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Steamクライアントを完全に終了する:
- まずは、Steamウィンドウの右上にある「×」ボタンをクリックします。これにより、通常はウィンドウが閉じられますが、Steamクライアント自体はバックグラウンドで動作し続けていることがあります。
- Steamを完全に終了するには、Steamウィンドウの左上にあるメニューから「Steam」 > 「終了」を選択します。
- それでも不安な場合は、Windowsのタスクマネージャーを開き(Ctrl + Shift + Escキー、またはCtrl + Alt + Delキーから選択)、プロセスタブで「Steam Client Bootstrapper」「Steam Client WebHelper」などのSteam関連のプロセスが実行されていないことを確認します。もし実行されている場合は、右クリックして「タスクの終了」を選択し、強制的に終了させます。
- 補足: Steamのシステムトレイアイコン(画面右下の通知領域にあるアイコン)を右クリックし、「終了」を選択する方法でも、Steamを完全に終了させることができます。
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パソコンを再起動する:
- Steamクライアントが完全に終了したことを確認したら、パソコンを再起動します。
- Windowsのスタートメニューから「電源」オプションを選択し、「再起動」をクリックします。
- 単にログオフしたり、スリープ状態にしたりするのではなく、「再起動」または「シャットダウン」してから再度電源を入れるようにしてください。「シャットダウン」を選択した場合、完全に電源が切れるのを待ってから、手動で電源ボタンを押して起動します。これは、Windows 10以降の「高速スタートアップ」機能が有効になっている場合、通常のシャットダウンではカーネルセッションが完全に終了しないことがあるためです。完全なリフレッシュのためには、電源を完全に切るか、「再起動」を選択するのが確実です。
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ルーターとモデム(またはONU)を再起動する(電源の抜き差し):
- パソコンが完全にシャットダウンしたか、再起動のプロセスに入ったのを確認したら、次にルーターとモデム(インターネット回線終端装置、ONUなどとも呼ばれます)を再起動します。
- これらの機器の電源アダプターをコンセントから抜きます。
- 重要: 電源を抜いたまま、少なくとも30秒〜1分程度待ちます。これは、機器内部のコンデンサに蓄積された電力を放電させ、設定や状態を完全にリセットするために必要な時間です。単に短い時間で抜き差しするだけでは、十分なリセット効果が得られないことがあります。
- 待機時間が経過したら、まずモデムまたはONUの電源アダプターをコンセントに差し込みます。機器のランプが安定するまで数分待ちます。
- 次に、ルーターの電源アダプターをコンセントに差し込みます。こちらも、電源ランプやインターネット接続ランプが安定するまで数分待ちます。Wi-Fiルーターの場合は、Wi-Fiのランプも確認してください。
- モデムとルーターの再起動が完了し、両方の機器が正常に動作していることをランプの状態で確認したら、パソコンの電源を入れ、Windowsを起動します。
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Steamを起動し、エラーが解消されたか確認する:
- パソコンが起動し、インターネットに接続されていることを確認したら、Steamクライアントを起動します。
- ログイン画面が表示されたら、通常通りログインします。
- エラーコードE20が表示されずに、Steamストアやライブラリに正常にアクセスできるか確認してください。
注意点:
- ルーターやモデムの再起動手順は、機器のモデルやメーカーによって若干異なる場合があります。取扱説明書を参照するか、機器のランプの状態(通常、電源、DSL/光回線、インターネット接続などのランプが点灯または点滅します)を確認して、正常に起動しているか判断してください。
- マンションタイプのインターネットなどで、壁のLANポートから直接パソコンやルーターに繋いでいる場合、建物全体の設備に問題がある可能性もゼロではありません。その場合は、管理会社やインターネットプロバイダに問い合わせる必要があるかもしれません。
- この対処法は最もシンプルですが、意外と多くの接続問題を解決できます。他の複雑な手順に進む前に、必ず最初に試すべき方法です。
対処法 2:インターネット接続の状態を確認し、ルーターの設定を見直す
なぜ効果的なのか?
エラーコードE20が接続に関連するものであることから、インターネット接続自体の状態が不安定であったり、ルーターの設定がSteamの通信を妨げている可能性が考えられます。インターネットに繋がっているように見えても、帯域幅が極端に狭い、パケットロスが発生している、あるいは特定のポートが閉じられているなどの問題があると、Steamのような常時接続を必要とするアプリケーションは正常に動作できません。また、ルーターに内蔵されているファイアウォール機能や、UPnP(Universal Plug and Play)設定などが影響している可能性もあります。
具体的な手順:
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インターネット接続の基本的な確認:
- 他のデバイスでインターネットに接続できるか確認: スマートフォンや別のパソコンなど、同じネットワークに接続している他のデバイスでウェブサイトを閲覧したり、オンラインサービスを利用したりできるか確認します。もし他のデバイスでも接続が不安定な場合、ルーターやモデム、またはインターネット回線自体に問題がある可能性が高いです。
- 速度テストを実行: インターネットの速度テストサイト(例: Google Speed Test, Fast.com, Ookla Speedtest)にアクセスし、現在の回線速度を測定します。Steamの利用には、ある程度の速度が必要です。特にダウンロードやアップデートを行う場合は、安定した帯域幅が求められます。速度が極端に遅い、あるいは測定自体が失敗する場合は、接続に問題があります。
- Pingテストを実行: コマンドプロンプトを開き(Windows検索バーに「cmd」と入力)、Steamサーバーや一般的なサーバーに対してPingテストを行います。例えば、
ping google.com
またはping steamcommunity.com
と入力してEnterキーを押します。- Ping応答時間(タイムアウトしないか、ミリ秒単位の時間)が安定しているか確認します。極端に長い時間(例: 数百ミリ秒)がかかる、あるいは「要求がタイムアウトしました」というメッセージが頻繁に出る場合は、通信経路に問題があるか、パケットロスが発生しています。
ping -t google.com
のように-t
オプションを付けると、中断するまで継続的にPingを送信できます。これにより、パケットロス(Lost = ロスト)がどれだけ発生しているかを確認できます。パケットロス率が高い場合、ネットワーク機器や回線に深刻な問題がある可能性があります。
-
有線接続と無線接続を切り替えてみる:
- 現在Wi-Fiで接続している場合は、可能な限りLANケーブルを使用して有線接続に切り替えてみてください。Wi-Fiは便利ですが、電波干渉や距離によって接続が不安定になりやすいという欠点があります。有線接続で問題なくSteamが使える場合、Wi-Fi環境に原因がある可能性が高いです。
- 逆に、有線接続で問題が発生している場合は、別のLANケーブルを試したり、パソコン側のLANポートに問題がないか確認したりします。
-
ルーターの設定確認と調整:
- ルーターの再起動(対処法1で既に実施しているはずですが、改めて): 前述の通り、ルーターとモデムの電源を完全に切ってから再起動します。
- ルーターの管理画面にアクセス: ウェブブラウザを開き、ルーターの管理画面のIPアドレス(よくあるのは
192.168.1.1
や192.168.0.1
など)を入力してアクセスします。ユーザー名とパスワードを入力してログインします(分からない場合はルーターの取扱説明書や本体を確認するか、購入元やプロバイダに問い合わせてください)。 - ファームウェアの更新: ルーターのファームウェア(内蔵ソフトウェア)が古い場合、不具合が発生することがあります。管理画面からファームウェアのバージョンを確認し、最新版への更新が提供されていないかチェックします。更新手順はルーターによって異なりますので、取扱説明書を参照してください。
- ファイアウォール設定の確認: ルーターにも外部からの不正アクセスを防ぐためのファイアウォール機能が搭載されている場合があります。この設定が厳しすぎる場合、Steamが必要とする通信ポートをブロックしている可能性があります。一時的にルーターのファイアウォール設定を弱めるか、特定のポート(後述)を開放することで問題が解決するかテストできます。(ただし、セキュリティリスクが高まるため、問題解決後は元の設定に戻すか、Steamに必要なポートのみを開放するように設定し直すことを強く推奨します。)
- UPnP(Universal Plug and Play)の有効化: UPnPは、ネットワーク上のデバイスが自動的にポートマッピングを設定するための機能です。オンラインゲームなどで必要とされることが多いため、ルーターの設定でUPnPが有効になっているか確認します。無効になっている場合は有効にしてみてください。ただし、UPnPにはセキュリティ上のリスクも指摘されているため、有効にする際は注意が必要です。
- Steamが必要とするポートの確認: Steamは特定のネットワークポートを使用して通信を行います。ルーターのファイアウォールやポートフォワーディング設定で、これらのポートがブロックされていないか確認します。Steamが使用する主なポートは以下の通りです(UDPとTCPの両方を使用します)。
- Steam Client: UDP 27000 – 27015 (Game client traffic)
- Steam Client: UDP 27015 – 27030 (Typically match making and Valve Anti-Cheat (VAC) secure servers)
- Steam Client: TCP 27014 – 27050 (Steam downloads, Steam server browser)
- Steam Client: UDP 4380 (Steamworks P2P networking and matchmaking)
- Steam Web API: TCP 80 and 443 (Used by Steam In-Game Browser)
- Steam Client: UDP 27031 and 27036 (For Steam In-Home Streaming)
- Steam Client: TCP 27036 and 27037 (For Steam In-Home Streaming)
- これらのポートを個別に開放する(ポートフォワーディング設定)必要があるかどうかは環境によりますが、通常はUPnPが有効になっていれば自動的に処理されることが多いです。もしUPnPが有効でも問題が解消しない場合や、より厳密なセキュリティ設定を行いたい場合は、手動でこれらのポートを開放することを検討します。ポートフォワーディングの設定方法はルーターの取扱説明書を参照してください。
- DHCP設定の確認: ルーターがパソコンにIPアドレスを正しく割り当てているか確認します。通常は自動で割り当てられますが、まれに設定がおかしくなっていることがあります。
-
モデムやONUの確認:
- モデムやONUのランプ状態を確認し、回線事業者との接続が正常に行われているか確認します。ランプの意味は機器によって異なりますので、取扱説明書を参照してください。
- もしこれらの機器自体に問題がある、あるいは接続が不安定な場合は、契約しているインターネットプロバイダ(ISP)や回線事業者に問い合わせる必要があります。
注意点:
- ルーターの設定変更は、誤った操作を行うとインターネット接続自体ができなくなる可能性があります。設定を変更する際は、現在の設定をメモするなどして、元に戻せるように準備しておきましょう。
- ルーターの管理画面のログイン情報(ユーザー名、パスワード)は、デフォルト設定から変更しておくことを強く推奨します。
- ポートフォワーディングの設定は、セキュリティリスクを高める可能性があります。必要最低限のポートのみを開放し、不要になったら設定を削除するなど、慎重に行ってください。
- ISPによっては、特定の通信を制限している場合があります。ルーターの設定をいくら変更しても改善しない場合は、ISPに問い合わせてみるのも一つの手です。
対処法 3:Steamクライアントのダウンロードキャッシュをクリアし、関連ファイルを検証・修復する
なぜ効果的なのか?
Steamクライアント自体に保存されているキャッシュデータが破損していたり、クライアントのプログラムファイルの一部が不整合を起こしていたりすると、正常な通信や動作が妨げられることがあります。特に、ダウンロードキャッシュは、ゲームのダウンロードやアップデートに関する一時ファイルが保存される場所であり、ここに問題があるとダウンロードエラーや接続エラーが発生しやすくなります。また、Steamクライアントが使用するWebブラウザのキャッシュやCookieも、ストアページの表示など、Steamの一部機能に影響を与える可能性があります。Steamクライアントの「修復」機能は、クライアントのサービスに関する問題を検出・修正するのに役立ちます。
具体的な手順:
-
Steamのダウンロードキャッシュをクリアする:
- Steamクライアントを起動し、左上のメニューから「Steam」 > 「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウの左側メニューから「ダウンロード」を選択します。
- 「ダウンロード」設定画面の下部にある「ダウンロードキャッシュをクリア」ボタンをクリックします。
- 確認のダイアログが表示されるので、「OK」をクリックします。
- Steamからログアウトするように求められます。「OK」をクリックすると、Steamが再起動し、再度ログインが必要になります。
- ダウンロードキャッシュをクリアしても、インストール済みのゲームファイル自体は削除されません。ダウンロードに関する一時ファイルのみが削除されます。
-
SteamのWebブラウザデータを削除する:
- Steamクライアントを起動し、左上のメニューから「Steam」 > 「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウの左側メニューから「ブラウザ」を選択します。
- 「ブラウザ」設定画面の下部にある「Webブラウザデータ全てを削除」ボタンをクリックします。
- 確認のダイアログが表示されるので、「OK」をクリックします。これにより、ブラウザの履歴、Cookie、キャッシュなどがクリアされます。
- 「WebブラウザのCookieを削除」ボタンもありますが、「Webブラウザデータ全てを削除」を選択すればCookieも含まれます。
-
Steamクライアントのサービスを修復する(上級者向け):
- この方法は、Steamクライアントの内部的なサービスに問題がある場合に有効ですが、コマンドプロンプトを使用するため、少し専門的な手順になります。
- Steamクライアントを完全に終了します(タスクマネージャーでもSteam関連プロセスがないか確認)。
- Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
-
コマンドプロンプトウィンドウが表示されたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
bash
"C:\Program Files (x86)\Steam\bin\SteamService.exe" /repair- 注意: 上記のコマンドは、Steamをデフォルトの場所にインストールしている場合 (
C:\Program Files (x86)\Steam
) を想定しています。もしSteamを別のドライブやフォルダにインストールしている場合は、"..."
の部分を実際のインストールパスに置き換えてください。Steamのインストール場所が分からない場合は、Steamアイコンを右クリックして「プロパティ」を選択し、「リンク先」のパスを確認してください。パスにスペースが含まれている場合は、必ずダブルクォーテーション ("
) で囲んでください。- コマンドを実行すると、特に何も表示されないように見えるかもしれませんが、Steamのサービスが再登録・修復されます。処理には数分かかる場合があります。
- 修復プロセスが完了したら、コマンドプロンプトウィンドウを閉じます。
- パソコンを再起動します。(重要: この修復コマンドを実行した後は、パソコンの再起動が推奨されます。)
- パソコンの再起動後、Steamクライアントを起動し、エラーが解消されたか確認します。
- 注意: 上記のコマンドは、Steamをデフォルトの場所にインストールしている場合 (
-
Steamクライアントを管理者として実行してみる:
- Steamクライアントのショートカットアイコンまたは実行ファイル(通常は
steam.exe
)を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。 - これにより、Steamがシステムリソースやファイルへのアクセス許可をより多く持つことができるため、権限の問題によって発生していたエラーが解消される場合があります。ただし、これは一時的な解決策として試すのが一般的です。恒久的に管理者実行に設定することも可能ですが、セキュリティ上の懸念がないわけではありません。
- Steamクライアントのショートカットアイコンまたは実行ファイル(通常は
-
Steamベータプログラムからの脱退(または参加):
- Steamのベータプログラムに参加している場合、開発途中の機能や修正が含まれているため、不安定になることがあります。ベータプログラムから脱退することで、より安定した公開リリース版に戻し、問題が解決するか試すことができます。
- Steamクライアントを起動し、「Steam」 > 「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウの左側メニューから「アカウント」を選択します。
- 「ベータへの参加」の項目を確認します。もし「Steam Beta Update」などが表示されている場合、「変更」ボタンをクリックします。
- ドロップダウンメニューから「なし – オプトアウト(Opt out of all beta programs)」を選択し、「OK」をクリックします。
- Steamからログアウトするように求められます。「OK」をクリックすると、Steamが再起動し、公開リリース版に戻ります。
- 補足: もし現在ベータプログラムに参加しておらず、上記の対処法を全て試しても改善しない場合は、逆に一時的にベータプログラムに参加してみることで、最新の修正が適用されて問題が解決する可能性もゼロではありません。ただし、これはあくまで可能性であり、逆に別の問題が発生するリスクも伴います。
注意点:
- ダウンロードキャッシュやWebブラウザデータのクリアは、ゲームファイルそのものには影響しませんが、一部の設定や履歴がリセットされる可能性があります。
- Steamサービス修復コマンドを実行する際は、Steamのインストールパスを間違えないように慎重に行ってください。誤ったパスで実行しても害はありませんが、効果もありません。
- 管理者として実行する際は、毎回手動で行うか、ショートカットのプロパティから設定できます(ショートカットを右クリック > プロパティ > 互換性タブ > 「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェック)。
- ベータプログラムへの参加・脱退は、クライアントの更新を伴います。ネットワークの状態によっては時間がかかる場合があります。
対処法 4:ファイアウォールとアンチウイルスソフトの設定を確認・調整する
なぜ効果的なのか?
ファイアウォールやアンチウイルスソフトなどのセキュリティソフトウェアは、パソコンをマルウェアや不正アクセスから保護するために非常に重要です。しかし、これらのソフトウェアが過剰に厳格な設定になっている場合、Steamクライアントやその通信を潜在的な脅威と誤認し、通信をブロックしたり、動作を制限したりすることがあります。特に、Steamはインターネット経由で様々なサーバーと通信するため、セキュリティソフトの監視対象になりやすく、E20エラーの原因となる可能性があります。
具体的な手順:
-
ファイアウォール設定の確認と例外の追加:
- Windows Defender ファイアウォール: ほとんどのWindowsユーザーはWindows Defender ファイアウォールを使用しています。
- Windowsの検索バーに「ファイアウォール」と入力し、「Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可する」を選択します。
- 開いたウィンドウで、リストの中に「Steam」または「Steam Client Bootstrapper」があるか確認します。もしリストにある場合は、プライベートネットワークとパブリックネットワークの両方にチェックが入っているか確認します。チェックが入っていない、あるいはリストにない場合は、「設定の変更」ボタンをクリックし、リストをスクロールして「Steam」を探します。
- 「Steam」が見つかったら、両方のボックスにチェックを入れます。
- もしリストに「Steam」がない、あるいはチェックボックスがグレーアウトしている場合は、「別のアプリを許可」ボタンをクリックします。
- 「参照」ボタンをクリックし、Steamのインストールフォルダにある実行ファイル
steam.exe
を選択します(デフォルトのパスはC:\Program Files (x86)\Steam\steam.exe
)。 - 選択したら「追加」をクリックし、追加された「Steam」に対してプライベート・パブリック両方のチェックを入れます。「OK」をクリックして設定を保存します。
- ゲームによっては、Steamだけでなくゲーム本体の実行ファイルもファイアウォールで許可する必要がある場合があります。E20エラーが特定のゲームを起動しようとした際に出る場合は、そのゲームの実行ファイルも同様にファイアウォールで許可してみます。
- サードパーティ製ファイアウォール: Norton, McAfee, ESET, AVG, Bitdefenderなど、Windows Defender以外のファイアウォールソフトを使用している場合は、そのソフトウェア固有の設定画面を開きます。
- 「ファイアウォール設定」「アプリケーション制御」「プログラム許可」などの項目を探します。
- Steamクライアント(
steam.exe
)を、通信を許可する(「信頼する」「許可」など)プログラムとして登録または追加します。設定方法はソフトウェアによって大きく異なるため、使用しているファイアウォールソフトのヘルプドキュメントを参照してください。
- Windows Defender ファイアウォール: ほとんどのWindowsユーザーはWindows Defender ファイアウォールを使用しています。
-
アンチウイルスソフトの設定確認と例外の追加:
- 使用しているアンチウイルスソフトの設定画面を開きます。
- 「リアルタイムスキャン」「ファイルシールド」「検疫」などの項目を探します。
- Steamのインストールフォルダ全体(デフォルトでは
C:\Program Files (x86)\Steam
)を、スキャンの対象から除外する設定(「例外設定」「除外パス」など)に追加します。これは、アンチウイルスソフトがSteamのファイルを誤ってマルウェアとして検出したり、ファイルのアクセスをブロックしたりするのを防ぐためです。 - 注意: フォルダ全体を除外することには、そのフォルダ内にマルウェアが混入しても検出されなくなるという潜在的なリスクがあります。このリスクを理解した上で実行してください。より安全なのは、Steamの実行ファイル (
steam.exe
) やSteamClientService (SteamService.exe
) など、特定のファイルだけを除外リストに追加することです。 - 多くのアンチウイルスソフトには「ゲームモード」や「サイレントモード」のような機能があります。これらの機能を有効にすると、ゲームプレイ中に通知やスキャンを抑制できますが、これが逆に通信を妨げる原因になる可能性もゼロではありません。一時的にこれらのモードを無効にして試してみるのも一つの手です。
-
ファイアウォールまたはアンチウイルスソフトの一時的な無効化(テスト目的のみ):
- 警告: セキュリティソフトを無効にすると、パソコンはマルウェアや不正アクセスに対して非常に脆弱な状態になります。この手順は、原因特定のための一時的なテストとしてのみ実行し、問題が解決したかどうかを確認したら、すぐに設定を元に戻すか、再度有効にしてください。 無効化中に危険なウェブサイトにアクセスしたり、信頼できないファイルをダウンロードしたりすることは絶対に避けてください。
- Windows Defender ファイアウォールを一時的に無効にするには、Windowsの検索バーに「ファイアウォール」と入力し、「Windows Defender ファイアウォールを有効または無効にする」を選択します。ネットワークの種類ごとにファイアウォールを無効にするオプションが表示されます。
- サードパーティ製セキュリティソフトを無効にする手順は、ソフトウェアによって異なります。通常は、タスクトレイのアイコンを右クリックするか、ソフトウェアのメインウィンドウから「リアルタイム保護を一時停止」「ファイアウォールを無効にする」などのオプションを選択します。
- セキュリティソフトを無効にした状態でSteamを起動し、エラーが解消されるか確認します。もしこれでエラーが出なくなるのであれば、原因はセキュリティソフトの設定にある可能性が極めて高いです。
- 重要: テストが終わったら、必ずセキュリティソフトを再度有効にしてください。
注意点:
- セキュリティソフトの設定は、使用している製品やバージョンによって大きく異なります。具体的な設定方法については、そのソフトウェアの公式ドキュメントやサポート情報を参照するのが最も確実です。
- 複数のセキュリティソフト(特にファイアウォール機能やリアルタイム保護機能を持つもの)を同時にインストールしていると、互いに干渉し合って問題が発生することがあります。通常、セキュリティソフトは一つだけをインストールして使用することが推奨されます。
- 会社のネットワークなど、管理された環境でパソコンを使用している場合、セキュリティ設定が管理者によって厳しく管理されている可能性があります。その場合は、自分で設定を変更する前に、ネットワーク管理者に相談してください。
対処法 5:DNS設定を変更し、ネットワーク設定をリセットする
なぜ効果的なのか?
DNS(Domain Name System)は、steamcommunity.com
のようなウェブサイトのドメイン名や、Steamが通信するサーバーのホスト名を、インターネット上のコンピュータが理解できるIPアドレス(例: 104.115.206.138
)に変換するシステムです。例えるなら、インターネット上の「電話帳」のようなものです。通常、このDNSサーバーは契約しているインターネットプロバイダ(ISP)によって提供されますが、ISPのDNSサーバーに一時的な問題が発生している、応答が遅い、あるいは特定のアドレスの解決に失敗しているなどの場合、Steamが必要とするサーバーへの接続がうまくいかず、E20エラーを含む様々な接続問題が発生することがあります。
このような場合、Google Public DNSやCloudflare DNSのような、一般に公開されている高速で信頼性の高いDNSサーバーに変更することで、問題が解消されることがあります。
また、Windowsのネットワーク設定自体に問題が生じている可能性もあります。特に、WinsockカタログやTCP/IPスタックなどが破損したり、不整合を起こしたりしている場合、正常なネットワーク通信ができなくなります。これらの設定をリセットすることで、クリーンな状態に戻し、問題を解決できることがあります。
具体的な手順:
-
DNS設定をPublic DNSに変更する:
- Windowsの検索バーに「ネットワーク接続」と入力し、「ネットワークの状態」または「ネットワーク接続を表示」を選択します。
- 使用しているネットワークアダプター(Wi-Fi接続なら「Wi-Fi」、有線接続なら「イーサネット」など)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- プロパティウィンドウの中にある「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」ボタンをクリックします。
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択します。
- 優先DNSサーバーと代替DNSサーバーのアドレスを入力します。代表的なPublic DNSとして、以下のようなものがあります。
- Google Public DNS:
- 優先DNSサーバー:
8.8.8.8
- 代替DNSサーバー:
8.8.4.4
- 優先DNSサーバー:
- Cloudflare DNS:
- 優先DNSサーバー:
1.1.1.1
- 代替DNSサーバー:
1.0.0.1
- 優先DNSサーバー:
- Google Public DNS:
- どちらか一方を選択し、それぞれのフィールドに正確に入力します。
- 「設定を終了するときにアダプターの設定を検証する」にチェックを入れておくと、設定後に検証が実行されます。(必須ではありませんが、問題確認に役立ちます。)
- 「OK」をクリックしてTCP/IPv4プロパティウィンドウを閉じます。
- ネットワークアダプターのプロパティウィンドウも「OK」をクリックして閉じます。
-
DNSキャッシュをフラッシュする:
- DNSサーバーの設定を変更したら、パソコンに以前のDNS情報がキャッシュされている可能性があるため、そのキャッシュをクリアする必要があります。
- コマンドプロンプトを管理者として実行します(手順は対処法3を参照)。
-
以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
bash
ipconfig /flushdns
* 「DNS リゾルバー キャッシュが正常にフラッシュされました。」と表示されれば成功です。
* コマンドプロンプトを閉じます。
-
Windowsネットワーク設定をリセットする(上級者向け):
- この手順は、ネットワーク関連の設定を広範囲にリセットするため、実行後にはWi-Fiパスワードの再入力などが必要になる場合があります。他の対処法で改善しない場合に検討してください。
- Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
-
以下のコマンドを一つずつ入力し、それぞれの実行後にEnterキーを押します。
bash
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
* それぞれのコマンドは以下の処理を行います。
*netsh winsock reset
: Winsockカタログをリセットします。これは、ネットワーク関連のプログラムがインターネットにアクセスする際のインターフェースに関する設定です。
*netsh int ip reset
: TCP/IPスタックをリセットします。これは、インターネット通信の根幹となるプロトコル設定です。
*ipconfig /release
: 現在割り当てられているIPアドレスを解放します。
*ipconfig /renew
: DHCPサーバーから新しいIPアドレスを再取得します。
* 全てのコマンドの実行が完了したら、コマンドプロンプトを閉じます。
* 重要: これらのネットワークリセットコマンドを実行した後は、必ずパソコンを再起動してください。 リセットされた設定がシステム全体に反映されるために必要です。
* パソコンの再起動後、Wi-Fiに接続している場合はパスワードの再入力が必要になることがあります。インターネットに接続されていることを確認します。
-
プロキシ設定の確認:
- 意図せずプロキシサーバーが設定されていると、Steamの通信がブロックされることがあります。
- Steamクライアントを起動し、「Steam」 > 「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウの左側メニューから「プロキシ」を選択します。
- 通常は「プロキシなし」が選択されているべきです。もし「プロキシを手動で設定」にチェックが入っていて、意図しない設定になっている場合は、「プロキシなし」を選択し、「OK」をクリックします。
- Windows自体のプロキシ設定も確認します。Windowsの検索バーに「プロキシ」と入力し、「プロキシ設定」を選択します。「手動プロキシ セットアップ」の項目で、「プロキシ サーバーを使う」がオフになっているか確認します。
-
VPNの使用を一時的に停止する:
- VPN(Virtual Private Network)を使用している場合、VPNサーバーやVPNクライアントソフトウェア自体がSteamの通信を妨げている可能性があります。
- 一時的にVPN接続を切断またはVPNクライアントソフトウェアを終了した状態でSteamを起動し、エラーが解消されるか確認してください。
- VPNを切断して問題が解消する場合、使用しているVPNサービスまたは設定に原因があると考えられます。VPNサービスによっては、特定のアプリケーション(ゲームなど)に対してVPNを使用しない設定(スプリットトンネルなど)が可能な場合もあります。
注意点:
- DNSサーバーの設定変更は、インターネット接続の速度や安定性に影響を与える可能性があります。変更後に他のウェブサイトへのアクセスなども含めて、インターネット接続全般が正常か確認してください。
- DNS設定を元に戻したい場合は、ネットワークアダプターのプロパティで「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」を選択し、「OK」をクリックしてください。
- ネットワークリセットコマンドは強力なため、むやみに実行せず、他の基本的な対処法を試した後に検討することをお勧めします。また、実行後は必ずパソコンを再起動してください。
その他の確認事項と最後の手段
上記の5つの主要な対処法を試してもエラーコードE20が解決しない場合、以下のような点も確認したり、最後の手段を検討したりする必要があります。
-
Steamサーバーの状態を確認する:
- もしかしたら、エラーの原因はあなたのパソコンやネットワークではなく、Steam側のサーバーにあるのかもしれません。
- Steamの公式サーバー状態ページ(通常は
steamstat.us
のようなコミュニティサイトが便利です)を確認し、Steamネットワークや特定のサービス(ストア、コミュニティ、マッチメイキングなど)が正常に稼働しているかチェックします。もしSteam側で大規模な障害やメンテナンスが行われている場合は、ユーザー側でできることは復旧を待つことだけです。
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Windowsのアップデートを確認する:
- 使用しているWindowsのバージョンが古かったり、重要なシステムアップデートが適用されていなかったりすると、様々な問題が発生する可能性があります。
- Windowsの設定を開き、「更新とセキュリティ」(Windows 10)または「Windows Update」(Windows 11)から、利用可能なアップデートがないか確認し、最新の状態に更新してください。
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グラフィックドライバーのアップデート:
- E20エラーがグラフィックドライバーと直接関連することは稀ですが、古いドライバーがシステム全体の安定性に影響を与え、間接的にSteamの動作に不具合を引き起こす可能性は否定できません。
- NVIDIA、AMD、Intelなど、使用しているグラフィックカードメーカーの公式ウェブサイトから、最新のドライバーをダウンロードしてインストールしてください。
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クリーンブートを実行する(上級者向け):
- パソコンの起動時に読み込まれる常駐プログラムやサービスの中に、Steamと競合してエラーを引き起こしているものがあるかもしれません。
- クリーンブートは、必要最低限のシステムサービスのみでWindowsを起動し、サードパーティ製のサービスやスタートアップ項目を一時的に無効にすることで、ソフトウェア間の競合が原因であるかを特定するためのトラブルシューティング手法です。
- Windowsの検索バーに「msconfig」と入力し、「システム構成」を開きます。
- 「サービス」タブを選択し、「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れます。(重要:これを忘れるとWindowsの重要なサービスまで無効にしてしまう可能性があります。)
- 「すべて無効」ボタンをクリックします。(Microsoft以外のサービスが全て無効になります。)
- 「スタートアップ」タブを選択し、「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
- タスクマネージャーのスタートアップタブで、各項目を右クリックして「無効にする」を選択し、全てのスタートアップ項目を無効にします。(これはシステム構成のスタートアップタブからでも可能ですが、タスクマネージャーの方が詳細な情報が表示されます。)
- システム構成ウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。
- パソコンを再起動します。
- クリーンブート状態でSteamを起動し、エラーが出ないか確認します。もしエラーが出なくなったら、無効にしたサービスやスタートアップ項目の中に原因があることになります。その後は、無効にした項目を半分ずつ、あるいは一つずつ有効に戻しながら再起動を繰り返し、問題を引き起こしている特定の項目を特定する作業を行います。(この特定作業は非常に根気が必要です。)
- 問題の特定またはテスト完了後、システム構成の「サービス」タブで「すべて有効」、タスクマネージャーのスタートアップタブで元の状態に戻し、通常起動に戻すことを忘れないでください。
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Steamを完全に再インストールする(最後の手段):
- 上記のすべての対処法を試してもエラーが解決しない場合、Steamクライアントのインストール自体に深刻な問題がある可能性が考えられます。
- Steamの再インストールは、インストール済みのゲームデータを削除してしまう可能性があるため、最後の手段として検討してください。ただし、ゲームデータが保存されているフォルダ(デフォルトでは
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common
)を別の場所にバックアップしておけば、Steam再インストール後に元の場所に戻すことで、ゲームデータのダウンロードを避けられる場合があります。(ただし、ゲームによっては再検証や一部ファイルの再ダウンロードが必要になることもあります。) - Steamクライアントを完全にアンインストールします。Windowsの「設定」>「アプリ」>「アプリと機能」からSteamを選択し、「アンインストール」をクリックします。アンインストール中に、インストールフォルダ内の設定やゲームデータを削除するか尋ねられる場合があります。ゲームデータを残したい場合は、削除しないオプションを選択します。
- Steamのインストールフォルダ(デフォルトでは
C:\Program Files (x86)\Steam
)が残っている場合は、手動でフォルダごと削除します。(ゲームデータをバックアップしていない場合は、この手順を実行する前にバックアップしてください!) - Steamの公式ウェブサイトにアクセスし、最新版のSteamクライアントインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、Steamを再インストールします。
- 再インストール後、Steamにログインし、エラーが解消されたか確認します。バックアップしたゲームデータがある場合は、再インストール後のSteamの
steamapps\common
フォルダにコピーし戻し、Steamクライアントのライブラリからゲームを選択して「インストール」を実行してみてください。Steamが既存のファイルを検出し、不足しているファイルのみをダウンロードまたは検証します。
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Steamサポートに問い合わせる:
- 上記のあらゆる対処法を試してもエラーが解決しない場合、個別の環境に特有の問題であるか、あるいはSteam側の対応が必要な問題である可能性があります。
- Steamサポートのウェブサイトにアクセスし、遭遇しているエラーコードE20について問い合わせを行います。その際、これまでに試した対処法、使用しているOSのバージョン、ネットワーク環境(有線/無線、ISPなど)、セキュリティソフトの種類など、できるだけ詳細な情報を提供すると、より適切なサポートを受けられる可能性が高まります。
まとめと予防策
SteamエラーコードE20は、主にネットワーク接続やローカル環境の干渉、あるいはSteamクライアント自体の問題によって引き起こされる接続エラーです。この記事で紹介した5つの主要な対処法(再起動、ネットワーク接続確認、Steamクライアント修正、セキュリティソフト調整、DNS/ネットワークリセット)は、これらの一般的な原因の多くに対応しています。
トラブルシューティングの際は、以下のポイントを意識することが重要です。
- 基本的なことから順に試す: 最も簡単で一般的な原因から疑い、対処法1から順番に試していくのが効率的です。
- 変更箇所を一つずつ確認する: 複数の設定を同時に変更すると、何が効果があったのか、あるいは何が別の問題を引き起こしたのかが分からなくなってしまいます。一つの対処法を実行したら、Steamを起動してエラーが解消されたか確認し、解消されなければ次の対処法に進むようにしましょう。
- パソコンとネットワーク機器の再起動を怠らない: 特にネットワーク設定を変更したり、セキュリティソフトの設定を変更したりした後は、変更をシステムに反映させるためにパソコンや関連機器の再起動が推奨されることが多いです。
将来的にE20エラーを含む様々なSteam関連のエラーを防ぐためには、以下の予防策も有効です。
- パソコンのOSとドライバーを常に最新の状態に保つ: Windows Updateやグラフィックドライバーの更新は、システムの安定性向上や問題の修正に繋がります。
- 信頼できるセキュリティソフトウェアを使用し、適切に設定する: セキュリティは重要ですが、過剰な設定や競合はトラブルの原因になります。信頼できる製品を一つだけ使用し、Steamが必要とする通信を妨げないように例外設定などを適切に行います。
- ネットワーク環境を安定させる: 可能な限り有線接続を使用したり、Wi-Fiルーターを適切な場所に設置したり、ルーターのファームウェアを最新に保ったりするなど、ホームネットワーク環境の整備に努めましょう。
- 定期的にSteamのダウンロードキャッシュやWebブラウザデータをクリアする: これは必須ではありませんが、蓄積されたキャッシュが原因で問題が発生するのを未然に防ぐ効果が期待できます。
- Steamクライアントを終了する際は、正常な手順で行う: クライアントを強制終了させるのではなく、「Steam」メニューから「終了」を選択するようにしましょう。
エラーコードE20に遭遇することは確かに煩わしいですが、この記事で解説した手順を落ち着いて一つずつ実行することで、ほとんどの場合、問題を解決し、再びSteamでゲームやサービスを楽しむことができるはずです。根気強く、そして慎重にトラブルシューティングを進めていってください。皆様のSteamライフが再び快適になることを心から願っています。