K-POP第4世代グループ一覧マップ|男女別に勢力図をわかりやすく解説


K-POP第4世代グループ一覧マップ|男女別に勢力図をわかりやすく解説

2020年代に入り、世界の音楽シーンを席巻し続けるK-POP。その最前線で火花を散らしているのが、通称「第4世代」と呼ばれるアイドルグループたちです。BTSやBLACKPINKといった第3世代が築き上げた巨大なグローバル市場を舞台に、彼ら・彼女らは、かつてないスピードで進化し、多様化するK-POPの新たな可能性を切り拓いています。

しかし、「第4世代って、グループが多すぎて誰が誰だかわからない」「それぞれのグループの違いや今の人気度が知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな混沌と熱狂の渦中にあるK-POP第4世代の勢力図を、【女性グループ編】【男性グループ編】に分け、独自の「勢力図マップ」を用いながら、約5000語のボリュームで徹底的に解説します。各グループのコンセプト、強み、代表曲から、K-POPシーン全体における位置づけまでを深掘りすることで、あなただけの「推し」を見つける手助けとなれば幸いです。

新時代のK-POPを牽引する主役たちの物語を、一緒に紐解いていきましょう。

第1章:K-POP第4世代とは? – 新時代の幕開け

まず、「K-POP第4世代」がどのような時代なのかを理解するために、世代区分の定義とその特徴を見ていきましょう。

K-POPの世代区分

K-POPの歴史は、おおよそ以下のように世代で語られることが一般的です。

  • 第1世代(1990年代後半~2000年代初頭): H.O.T.、S.E.S.、Sechskies、Fin.K.L.など。現代に続くアイドルシステムの原型(体系的なトレーニング、コンセプト設定、ファンダム形成)を確立したパイオニアたち。
  • 第2世代(2000年代中盤~2010年代初頭): 東方神起、BIGBANG、SUPER JUNIOR、少女時代、Wonder Girls、2NE1など。YouTubeの登場と共にアジア圏を中心にグローバル化が本格化。ファンダム文化が成熟し、音楽性やファッション性でも大きな影響を与えました。
  • 第3世代(2012年頃~2017年頃): BTS、EXO、SEVENTEEN、TWICE、BLACKPINK、Red Velvetなど。SNSの爆発的な普及を追い風に、グローバルファンダムが飛躍的に拡大。ビルボードチャートなど、欧米のメインストリーム音楽市場を本格的に攻略し、K-POPを世界的なジャンルへと押し上げました。
  • 第4世代(2018年頃~現在): 本記事で解説する世代。第3世代が切り拓いた道を前提に、新たな戦略と価値観でシーンを更新し続けています。

第4世代を象徴する5つのキーワード

第4世代は、それ以前の世代とは明確に異なる特徴を持っています。

  1. グローバル・ネイティブ: デビュー当初から世界市場をターゲットに据え、多国籍メンバーの在籍はもはや当たり前。英語をはじめとする多言語でのコミュニケーションや、海外の有名プロデューサーとの協業も活発です。
  2. プラットフォーム戦略の深化: YouTube、TikTok、Instagram、X(旧Twitter)などを駆使したプロモーションは基本中の基本。それに加え、「자체 콘텐츠(チャチェ コンテンツ=自主制作コンテンツ)」と呼ばれる、グループ独自のリアリティ番組やVlogを定期的に配信し、ファンとの親密な関係性を築くことが重要視されています。
  3. 世界観(Universe)とストーリーテリング: 単なる楽曲やコンセプトだけでなく、グループ全体を貫く壮大な「世界観(Universe)」を設定し、アルバムを跨いで物語を展開するグループが増加。ファンはMVや歌詞に隠された伏線を読み解き、「考察」を楽しむ文化が定着しました。
  4. パフォーマンスの極致: 第3世代で既に高水準だったパフォーマンスレベルはさらに向上。一糸乱れぬシンクロダンス「칼군무(カル群舞)」はより複雑化し、ボーカル、ラップ、ダンス全てのスキルにおいて「オールラウンダー」であることが求められる時代です。
  5. 自己プロデュース型アイドルの台頭: メンバー自らが作詞、作曲、さらにはプロデュースにまで深く関与するグループが主流に。自らの言葉でメッセージを発信することで、アーティストとしてのアイデンティティを確立し、ファンからの強い共感と信頼を得ています。

これらの特徴を踏まえ、次章からは具体的なグループを見ながら、現在の勢力図を詳しく解説していきます。


第2章:【女性グループ編】第4世代ガールズグループ勢力図マップ

第4世代のガールズグループシーンは、まさに「戦国時代」という言葉がふさわしい状況です。次々と現れる大型新人がヒットチャートを席巻し、トレンドは目まぐるしく移り変わります。ここでは、その複雑な勢力図を以下のマップで整理します。

【ガールズグループ勢力図マップ】

  • 縦軸(上:大衆性/下:コアな世界観): 上に行くほど、誰もが口ずさめるようなキャッチーな楽曲で幅広い層にアピールするグループ。下に行くほど、特定のコンセプトや難解な世界観で熱狂的なファン(コア層)を惹きつけるグループ。
  • 横軸(左:ガールクラッシュ/右:清純・イージーリスニング): 左に行くほど、強く自立した女性像を提示する「ガールクラッシュ」やパワフルなコンセプトを持つグループ。右に行くほど、親しみやすく爽やかな「清純」コンセプトや、聴き心地の良い「イージーリスニング」系の楽曲を強みとするグループ。

※このマップはあくまで一つの視点であり、グループの多面的な魅力を単純化するものではありません。

▲ 大衆性

│ [IVE] [NewJeans]

(ガールクラッシュ) ────────┼──────── (清純・イージーリスニング)
│ [LE SSERAFIM] [(G)I-DLE] [STAYC]
│ [aespa] [NMIXX]

▼ コアな世界観

A. 圧倒的トップランナー:IVE & NewJeans

現在のガールズグループシーンの頂点に君臨し、トレンドを創り出しているのがこの2組です。

■ IVE (アイヴ)
  • 所属: STARSHIPエンターテインメント
  • デビュー: 2021年12月
  • マップ位置: 大衆性 × ややガールクラッシュ寄り
  • コンセプト/強み:
    • 「完成型アイドル」: デビュー時から既に完成されたビジュアルとスター性を誇示。
    • MZ世代のアイコン: 「ナルシシズム(自己愛)」をテーマに、自己肯定感を高めるメッセージを発信。
    • 音源女王: デビュー曲「ELEVEN」から「LOVE DIVE」「After LIKE」「I AM」「Baddie」に至るまで、リリースする楽曲がことごとく音源チャートで1位を獲得。特に「LOVE DIVE」は2022年の年間チャートを制覇し、各種大賞を総なめにしました。
    • 元IZONEメンバーであるアン・ユジンチャン・ウォニョン*の高い知名度と、他のメンバー(ガウル、レイ、リズ、イソ)も引けを取らない魅力で、完璧なバランスを誇ります。
  • 分析: IVEの成功は、エレガントなビジュアル、中毒性の高い楽曲、そしてZ世代の共感を呼ぶ歌詞の三位一体にあります。自信に満ち溢れたパフォーマンスは、多くの若者にとっての憧れとなり、K-POPシーンのメインストリームを堂々と歩んでいます。
■ NewJeans (ニュージーンズ)
  • 所属: ADOR (HYBE傘下)
  • デビュー: 2022年7月
  • マップ位置: 大衆性 × 清純・イージーリスニング
  • コンセプト/強み:
    • 革新的なプロデュース: EXOやSHINeeのコンセプトを手掛けた伝説的クリエイティブディレクター、ミン・ヒジンが総括プロデュース。K-POPの定石だったティザー公開などを一切行わず、デビュー日にいきなり3本のMVを公開する戦略でシーンに衝撃を与えました。
    • イージーリスニング: 力を抜いて自然に楽しめる、心地よいR&Bベースの楽曲が特徴。何度も聴きたくなる中毒性があります。
    • 自然体とY2K: メンバーの自然な黒髪やナチュラルメイク、90年代末~2000年代初頭を彷彿とさせる「Y2Kファッション」が一大ブームを巻き起こしました。
  • 代表曲: 「Attention」「Hype Boy」「Ditto」「OMG」
  • 分析: NewJeansは、K-POPの「過剰さ」から一線を画し、「自然体」という新たな価値観を提示したゲームチェンジャーです。その影響は音楽界に留まらず、ファッション、広告業界までを席巻。社会現象とも言えるムーブメントを巻き起こし、IVEと並ぶ第4世代の顔となりました。

B. 独自の世界観とパフォーマンス:aespa & LE SSERAFIM

トップ2組とは異なるアプローチで、確固たる地位を築いているのがこの2組です。

■ aespa (エスパ)
  • 所属: SMエンターテインメント
  • デビュー: 2020年11月
  • マップ位置: コアな世界観 × ガールクラッシュ
  • コンセプト/強み:
    • メタバース・コンセプト: 「自分のもう一人の自我であるアバター(ae)と出会い、新しい世界を経験する」という壮大な世界観。仮想世界「KWANGYA(広野)」を舞台にした物語が楽曲やMVを通して展開されます。
    • “쇠맛 (鉄の味)” サウンド: FUTURE BASSやハイパーポップを基盤とした、サイバーで攻撃的な楽曲が特徴。一度聴いたら忘れられない強烈なインパクトを放ちます。
    • 圧倒的ボーカル: カリナ、ウィンター、ジゼル、ニンニンの4人全員が卓越した歌唱力を持ち、特にメインボーカルのウィンターとニンニンの高音は圧巻です。
  • 代表曲: 「Black Mamba」「Next Level」「Savage」「Spicy」
  • 分析: デビュー当初はその難解なコンセプトで賛否両論を呼びましたが、SMエンタの伝統を受け継ぐ革新性と中毒性の高い楽曲で、熱狂的なコアファンを獲得。近年は「Spicy」や「Drama」など、少し大衆性を意識した楽曲もヒットさせており、唯一無二の存在感を放ち続けています。
■ LE SSERAFIM (ルセラフィム)
  • 所属: SOURCE MUSIC (HYBE傘下)
  • デビュー: 2022年5月
  • マップ位置: ややコアな世界観 × ガールクラッシュ
  • コンセプト/強み:
    • 強い意志とメッセージ: グループ名は「IM FEARLESS」のアナグラム。「世の中の視線に揺らぐことなく、恐れずに前に進む」という強い意志がコンセプトの根幹にあります。
    • 鍛え上げられたパフォーマンス: 元IZONEの宮脇咲良キム・チェウォン、バレエ歴15年のカズハ、元JYP練習生のホ・ユンジン、最年少のホン・ウンチェ*という経歴豊かなメンバー構成。徹底したトレーニングに裏打ちされた、しなやかかつパワフルなパフォーマンスが最大の武器です。
    • ストーリーとのリンク: メンバー自身の経歴や逆境を乗り越えてきた物語が、楽曲のメッセージ性と深くリンクし、強い共感と説得力を生んでいます。
  • 代表曲: 「FEARLESS」「ANTIFRAGILE」「UNFORGIVEN」「Perfect Night」
  • 分析: HYBEの巧みなプロデュース力と、メンバーのリアルな物語が融合した、新時代のガールクラッシュ像を提示。困難に立ち向かう姿は多くのファンの心を掴み、パフォーマンス重視のファン層から絶大な支持を得ています。

C. 実力派・個性派グループ:(G)I-DLE, NMIXX, STAYC

大手事務所のスター候補たちとは一味違う、個性と実力で道を切り拓くグループたちです。

■ (G)I-DLE (アイドゥル)
  • 所属: CUBEエンターテインメント
  • デビュー: 2018年5月
  • マップ位置: ややコアな世界観 × ガールクラッシュ寄り
  • コンセプト/強み:
    • セルフプロデュースの天才: リーダーのチョン・ソヨンが、デビュー曲から近年の大ヒット曲「TOMBOY」「Nxde」「Queencard」まで、ほとんどの楽曲の作詞・作曲・プロデュースを手掛けています。
    • 社会へのメッセージ: 「女性」というだけで向けられる偏見や固定観念に対し、音楽を通して堂々と反旗を翻す。そのラディカルなメッセージ性は、他のグループと一線を画します。
    • 不屈の精神: メンバーの脱退という危機を乗り越え、5人体制でリリースした「TOMBOY」が歴史的な大ヒットを記録。逆境を力に変えるストーリーが、グループのアイデンティティをより強固なものにしました。
  • 分析: (G)I-DLEは、第4世代における「アーティスト型アイドル」の象徴的存在です。ソヨンのプロデュース能力とメンバーの表現力が見事に融合し、商業的な成功と批評的な評価を両立させています。
■ NMIXX (エンミックス)
  • 所属: JYPエンターテインメント
  • デビュー: 2022年2月
  • マップ位置: コアな世界観 × ややガールクラッシュ寄り
  • コンセプト/強み:
    • “MIXX POP”: 2つ以上のジャンルを1曲の中で融合させるという、実験的な音楽スタイル。曲調が目まぐるしく変わるため、初見では難解に感じる一方、聴き込むほどに癖になります。
    • 全員オールラウンダー: メンバー全員がメインボーカル、メインダンサーをこなせると評されるほど、個々のスキルレベルが非常に高い。特にリリーとヘウォンのボーカル、ギュジンのダンスは業界でもトップクラスです。
    • ライブでの真価: 激しいダンスをこなしながらも、音源と変わらない安定した生歌を披露するライブパフォーマンスは圧巻の一言。「実力」でファンを納得させるグループです。
  • 代表曲: 「O.O」「DICE」「Love Me Like This」
  • 分析: TWICEやITZYを成功させたJYPが送り出した、最も挑戦的なグループ。デビュー当初は実験的な楽曲がリスナーを選ぶ面もありましたが、その圧倒的な実力が徐々に認められ、着実に評価を高めています。ポテンシャルの塊であり、今後の飛躍が最も期待されるグループの一つです。
■ STAYC (ステイシー)
  • 所属: High Upエンターテインメント
  • デビュー: 2020年11月
  • マップ位置: 大衆性 × 清純・イージーリスニング
  • コンセプト/強み:
    • ヒットメーカーのプロデュース: TWICEの「TT」や「CHEER UP」などを手掛けた有名プロデューサーチームBlack Eyed Pilseungが初めて自ら制作したグループ。
    • “ティーンフレッシュ”: 10代の若々しさ(Teen)と爽やかさ(Fresh)を組み合わせた独自のコンセプト。キャッチーで耳に残りやすいメロディーが特徴です。
    • 全員メインボーカル級: 中小事務所のグループながら、メンバー全員が非常に高い歌唱力を持ち、安定したライブパフォーマンスに定評があります。「信じて聴けるSTAYC」としてK-POPファンの間で信頼が厚いです。
  • 代表曲: 「ASAP」「STEREOTYPE」「RUN2U」「Teddy Bear」
  • 分析: 大手事務所のグループがひしめく中で、純粋な「楽曲の良さ」と「実力」で人気を勝ち取ってきた稀有な存在。「ASAP」のダンスチャレンジがTikTokでバイラルヒットするなど、時代に合った戦略も光ります。

D. 新星・注目グループ

その他、2023年以降にデビューし、大きな注目を集めているグループも紹介します。
* KISS OF LIFE: 全員が作詞作曲能力を持つ実力派。本格的なR&Bサウンドで音楽ファンを唸らせる。
* BABYMONSTER: BLACKPINKを擁するYGエンターテインメントの新人。デビュー前から高い注目を集め、YG伝統のヒップホップと圧倒的なスキルで期待に応える。
* I’LL-IT: HYBEのサバイバル番組から誕生。NewJeansに続くHYBEの次世代ガールズグループとして期待される。


第3章:【男性グループ編】第4世代ボーイズグループ勢力図マップ

ボーイズグループのシーンは、ガールズグループとは少し様相が異なります。巨大なグローバルファンダムを基盤に、アルバム売上やワールドツアーの規模で競い合う傾向が強く、一度トップに立ったグループの牙城はなかなか崩れません。

【ボーイズグループ勢力図マップ】

  • 縦軸(上:パフォーマンス重視/下:音楽性・メッセージ性重視): 上に行くほど、ダンスやステージ構成など、視覚的なパフォーマンスで圧倒するグループ。下に行くほど、楽曲の独創性や歌詞に込められたメッセージでファンを惹きつけるグループ。
  • 横軸(左:ダーク・パワフル/右:ブライト・清涼): 左に行くほど、強烈でダークな世界観や、エネルギッシュな楽曲を武器にするグループ。右に行くほど、明るく爽やかな「清涼コンセプト」や、ファンタジックな魅力を放つグループ。

※このマップもあくまで一つの視点です。多くのグループが両方の要素を兼ね備えています。

▲ パフォーマンス重視

[ATEEZ] │ [ENHYPEN] [THE BOYZ]

(ダーク・パワフル) ────────┼──────── (ブライト・清涼)
│ [Stray Kids] [TXT]
│ [RIIZE] [ZEROBASEONE] [TREASURE]

▼ 音楽性・メッセージ性重視

A. “4th Gen Leaders” – 揺るぎないツートップ:Stray Kids & TOMORROW X TOGETHER

第4世代ボーイズグループの先頭を走り、シーンを牽引しているのがこの2組です。

■ Stray Kids (ストレイキッズ)
  • 所属: JYPエンターテインメント
  • デビュー: 2018年3月
  • マップ位置: 音楽性・メッセージ性重視 × ダーク・パワフル
  • コンセプト/強み:
    • 完全自己プロデュース: グループ内のプロデュースチーム「3RACHA(スリーラチャ)」(バンチャン、チャンビン、ハン)が、デビューから現在に至るまで楽曲制作の核を担っています。
    • “麻辣味(マーラーあじ)”サウンド: 刺激的で中毒性が高く、一度聴いたら病みつきになる強烈な音楽性が特徴。社会の不条理や若者の葛藤をストレートに表現した歌詞が、世界中のファンの心を代弁しています。
    • グローバルでの圧倒的人気: 特にアメリカでの人気は絶大で、アルバムをリリースすれば米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で1位を獲得するのが恒例となっています。そのファンダム規模は、第4世代では頭一つ抜けた存在です。
  • 代表曲: 「God’s Menu」「Back Door」「MANIAC」「S-Class」「LALALALA」
  • 分析: Stray Kidsは、JYPという大手事務所に所属しながらも、インディーズ精神溢れる音楽性で自らの道を切り拓いてきました。「彷徨える子供たち」というグループ名が示す通り、その音楽は常に世の中のメインストリームに対するカウンターであり続けています。その姿勢が、巨大なグローバルファンダムの熱狂的な支持に繋がっています。
■ TOMORROW X TOGETHER (トゥモローバイトゥギャザー / TXT)
  • 所属: BIGHIT MUSIC (HYBE傘下)
  • デビュー: 2019年3月
  • マップ位置: 音楽性・メッセージ性重視 × ブライト・清涼
  • コンセプト/強み:
    • BTSの直属の弟分: デビュー時から世界的な注目を浴び、HYBE(旧Big Hit)の緻密なプロデュース力を存分に受けています。
    • 青春の物語(コンセプトストーリー): 「The Dream Chapter」「The Chaos Chapter」「The Name Chapter」と続くアルバムシリーズを通して、思春期の少年たちが経験する喜び、葛藤、成長をファンタジックな世界観で描いています。
    • トレンディで質の高い音楽: Z世代の共感を呼ぶ繊細な歌詞と、ポップ、ロック、R&Bなど多様なジャンルを昇華した洗練された楽曲が魅力。メンバー全員が王子様のようなビジュアルと高身長を誇り、ビジュアル面でも人気を集めています。
  • 代表曲: 「CROWN」「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)」「Good Boy Gone Bad」「Sugar Rush Ride」
  • 分析: Stray Kidsが「怒り」や「抵抗」を表現するなら、TXTは「混乱」や「切なさ」といった、より内面的で繊細な感情を描き出すことに長けています。対照的な魅力を持つこの2組が、第4世代のトップランナーとしてシーンを牽引しています。

B. パフォーマンス特化型・急成長株:ATEEZ & ENHYPEN

圧巻のステージパフォーマンスを武器に、トップグループを猛追する2組です。

■ ATEEZ (エイティーズ)
  • 所属: KQエンターテインメント
  • デビュー: 2018年10月
  • マップ位置: パフォーマンス重視 × ダーク・パワフル
  • コンセプト/強み:
    • 「中小事務所の奇跡」: 大手ではない事務所からデビューし、純粋な実力とパフォーマンスで世界的な人気を獲得しました。
    • パフォーマンスの帝王: 「ステージを破壊する」と形容されるほどの、エネルギッシュで表現力豊かなパフォーマンスが最大の武器。メンバー一人ひとりの表情演技や憑依したかのようなダンスは、観る者を圧倒します。
    • 壮大な世界観: 「海賊」をモチーフに、隠された宝物を探す旅を描く壮大なストーリーが展開されています。ワールドツアーの人気は凄まじく、特に欧米での評価が非常に高いです。
  • 代表曲: 「WONDERLAND」「Answer」「Guerrilla」「BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)」
  • 分析: ATEEZは、ライブパフォーマンスでファンの心を掴んでいく、まさに「現場主義」のグループです。彼らのステージは単なる歌とダンスではなく、一つの演劇作品のようであり、その熱量が国境を越えて伝わっています。
■ ENHYPEN (エンハイプン)
  • 所属: BELIFT LAB (HYBE傘下)
  • デビュー: 2020年11月
  • マップ位置: パフォーマンス重視 × ダーク・パワフル
  • コンセプト/強み:
    • サバイバル番組出身: HYBEとCJ ENMがタッグを組んだサバイバル番組「I-LAND」から誕生。デビュー前から世界中の視聴者によって選ばれた経緯があり、強固なファンダムを形成しています。
    • 一糸乱れぬカル群舞: メンバー全員のシンクロ率が非常に高い、統率の取れたダンスが特徴。複雑なフォーメーションを寸分の狂いなくこなすパフォーマンスは圧巻です。
    • ダークファンタジー: ヴァンパイアを彷彿とさせる、耽美的でダークなコンセプトが人気。HYBEが作り込むMVやコンセプトフィルムは、映画のようなクオリティを誇ります。
  • 代表曲: 「Given-Taken」「Drunk-Dazed」「FEVER」「Bite Me」
  • 分析: TXTがHYBEの「光」サイドを担うとすれば、ENHYPENは「影」サイドを担う存在です。ダークで魅惑的な世界観と、それを完璧に表現するパフォーマンス能力で、独自のファン層を確立しています。

C. 第5世代への架け橋となる大型新人:ZEROBASEONE & RIIZE

2023年にデビューし、瞬く間にK-POPシーンの中心に躍り出た2組。彼らの登場は「第5世代の幕開け」とも言われています。

■ ZEROBASEONE (ゼロベースワン / ZB1)
  • 所属: WAKEONE
  • デビュー: 2023年7月
  • マップ位置: 音楽性・メッセージ性重視 × ブライト・清涼
  • コンセプト/強み:
    • 「BOYS PLANET」から誕生: 人気サバイバルオーディション番組から生まれ、デビュー前から爆発的な人気を獲得。
    • 記録的なデビュー: デビューアルバム『YOUTH IN THE SHADE』は、発売初日にミリオンセラー、初週で182万枚を売り上げ、K-POPのデビューアルバム初動売上記録を更新。続く2ndミニアルバムもダブルミリオンセラーを達成しました。
    • 輝く青春のきらめき: 「ゼロ(0)から始まりワン(1)になる、9人のメンバーの輝かしい始まり」というコンセプト通り、清涼感と爽やかさが魅力です。
  • 代表曲: 「In Bloom」「CRUSH」
  • 分析: ZB1の成功は、サバイバル番組によるファンダムの力を改めて証明しました。約2年半という期間限定の活動ですが、その圧倒的な人気は第4世代の勢力図を大きく塗り替えるインパクトを持っています。
■ RIIZE (ライズ)
  • 所属: SMエンターテインメント
  • デビュー: 2023年9月
  • マップ位置: 音楽性・メッセージ性重視 × ブライト・清涼寄り
  • コンセプト/強み:
    • SMエンタの新たな挑戦: NCTを脱退したショウタロウソンチャンを含み、SMエンタがNCT以来7年ぶりに送り出したボーイズグループ。
    • “エモーショナルポップ”: メンバーたちのリアルな感情や経験を音楽に乗せる、というコンセプト。aespaの仮想世界とは対照的に、日常に寄り添った親しみやすさが特徴です。
    • イージーリスニング旋風: デビュー曲「Get A Guitar」は、レトロなギターサウンドが心地よいイージーリスニングな楽曲で、異例のロングヒットを記録。続く「Love 119」も大ヒットし、音源チャートでの強さを見せつけています。
  • 分析: RIIZEは、NewJeansの成功方程式をボーイズグループに応用したような戦略で、新たなファン層を開拓しています。SMエンタの伝統的なパフォーマンス力と、現代的な音楽性のバランスが絶妙で、ZB1と共に次世代のK-POPを牽引する存在として期待されています。

D. 個性と実力で勝負するグループ:THE BOYZ & TREASURE

■ THE BOYZ (ドボイズ)
  • 所属: ISTエンターテインメント
  • デビュー: 2017年12月(第3.5世代とも呼ばれる)
  • マップ位置: パフォーマンス重視 × ブライト・清涼寄り
  • コンセプト/強み:
    • 「Road to Kingdom」での逆転劇: デビュー後しばらくは伸び悩んだものの、サバイバル番組「Road to Kingdom」および「Kingdom」で、他のグループを圧倒する独創的で高難易度なパフォーマンスを披露。一気にトップグループへと駆け上がりました。
    • 全員センター級: そのキャッチフレーズ通り、ビジュアルレベルが非常に高いメンバーが揃っています。
  • 代表曲: 「The Stealer」「THRILL RIDE」「MAVERICK」
  • 分析: 実力と努力で評価を覆した、ストーリー性のあるグループ。パフォーマンスのクオリティに関しては、第4世代の中でも屈指の実力を誇ります。
■ TREASURE (トレジャー)
  • 所属: YGエンターテインメント
  • デビュー: 2020年8月
  • マップ位置: 音楽性・メッセージ性重視 × ブライト・清涼
  • コンセプト/強み:
    • YGの次世代: BIGBANGやBLACKPINKを輩出したYGのサバイバル番組「YG宝石箱」から誕生。YG伝統のヒップホップサウンドを継承しつつも、より明るくエネルギッシュな「ティーンクラッシュ」な魅力が特徴。
    • 日本での絶大な人気: メンバー10人中3人(ヨシ、アサヒ、ハルト)が日本人で、日本でのファンダムが非常に大きい。
  • 代表曲: 「BOY」「JIKJIN」「HELLO」
  • 分析: YGのダークで強烈なイメージとは一線を画し、より大衆的で親しみやすい魅力でファン層を拡大。メンバー同士の仲の良さが伝わるコンテンツも人気です。

第4章:まとめと今後の展望

ここまで、K-POP第4世代の男女別勢力図を詳しく見てきました。

  • 女性グループは、IVENewJeansという2強がトレンドを牽引しつつも、aespaLE SSERAFIMが独自の路線で追随し、さらに(G)I-DLENMIXXSTAYCといった実力派がひしめく、まさに群雄割拠の時代です。
  • 男性グループは、グローバルファンダムを背景にStray KidsTXTのツートップ体制が強固ですが、ATEEZENHYPENがパフォーマンス力で猛追。そしてZB1RIIZEという大型新人の登場が、新たな時代の到来を予感させています。

HYBEは多角的なレーベル戦略でシーン全体をリードし、SMは伝統の革新性でメタバースとリアルの両極を探求、JYPは王道のアイドル像と実験性を両立させ、YGは独自のブランド力を次世代に継承しようとしています。4大事務所それぞれの戦略の違いを見るのも、第4世代を追う上での大きな楽しみの一つです。

「グローバル化」「SNS活用」「壮大な世界観」「自己プロデュース」といった第4世代の特徴は、今後さらに加速していくでしょう。第5世代の足音も聞こえ始めた今、K-POPはますます多様化し、予測不可能な進化を遂げていくはずです。

この熱狂の渦の中で、あなたの心を揺さぶる音楽と物語はどれでしたか? この記事が、広大で魅力的なK-POP第4世代の世界を旅する、一枚の地図となれば幸いです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール