【究極比較】Glorious Model O vs Model D – あなたの手に宿る勝利の女神はどっちだ?
ゲーミングマウスの世界に彗星の如く現れ、瞬く間にトッププレイヤーからカジュアルゲーマーまでを魅了したブランド、Glorious PC Gaming Race。その名を世に知らしめた立役者こそ、今回徹底比較する「Model O」と「Model D」です。
超軽量のハニカムシェル、高性能センサー、しなやかなケーブル、そして手の届きやすい価格。これまでの常識を覆すスペックで市場に衝撃を与えた両モデルは、今やゲーミングマウス選びの定番となっています。
しかし、多くのゲーマーがこの二つの選択肢の前で頭を抱えます。
「左右対称のModel Oと、右手用エルゴノミクスのModel D。スペックは似ているけど、一体何が違うんだ?」
「自分の手の大きさやマウスの持ち方には、どちらが本当に合っているのだろう?」
「FPSでのパフォーマンスを最大化したい。フリックエイム重視ならO? トラッキングエイム重視ならD?」
この記事は、そんなあなたの疑問に終止符を打つための完全ガイドです。
本稿では、約5000語という大ボリュームで、Model OとModel Dのあらゆる側面を深掘りします。それぞれのデザイン哲学から、形状がもたらすグリップスタイルとの相性、実際のゲームプレイにおけるパフォーマンスの違いまで、徹底的に解剖。最終的には、あなたが迷うことなく「これこそが自分のためのマウスだ」と確信できるような、具体的な選択基準を提示します。
さあ、Gloriousが誇る二つの傑作の扉を開き、あなたのポテンシャルを100%引き出す最高の相棒を見つける旅に出ましょう。
第1章:ゲーミングマウス選びの基礎知識 – 「形状」と「持ち方」の重要性
本題に入る前に、ゲーミングマウス選びで最も重要な二つの要素、「形状(シェイプ)」と「持ち方(グリップスタイル)」について理解を深めましょう。Model OとModel Dの最大の違いは、まさにこの「形状」にあります。
形状(シェイプ)の二大分類
ゲーミングマウスの形状は、大きく二つに分けられます。
- 左右対称(Ambidextrous):
- 文字通り、マウスの左右が同じ形をしています。
- 利き手を問わず使用できますが、主に指先での細かなコントロールを重視する設計が多いです。
- 代表例: Glorious Model O, Logicool G Pro X Superlight, Razer Viper
- 右手用エルゴノミクス(Ergonomic / Asymmetrical):
- 右手の形に合わせて作られた、左右非対称の形状です。
- 手のひら全体が自然にフィットし、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴。安定感に優れます。
- 代表例: Glorious Model D, Razer DeathAdder, ZOWIE ECシリーズ
Model Oは「左右対称」、Model Dは「右手用エルゴノミクス」です。この根本的な違いが、すべての比較の出発点となります。
持ち方(グリップスタイル)の三大分類
プレイヤーがマウスをどのように握るかは、主に三つのスタイルに分類されます。
-
かぶせ持ち(Palm Grip):
- 手のひら全体をマウスにべったりと乗せるスタイル。
- 最もリラックスした持ち方で、安定性が高く、手首を使った滑らかなエイム(トラッキング)に適しています。
- エルゴノミクス形状のマウスと非常に相性が良いです。
-
つかみ持ち(Claw Grip):
- 手のひらをマウス後部に接地させつつ、指を立てて(爪を立てるように)ボタンと側面を掴むスタイル。
- かぶせ持ちの安定性と、後述するつまみ持ちの機動性を両立したハイブリッド型。
- 手首と指の両方を使ってエイムするため、素早い動き(フリック)にも対応しやすいです。
-
つまみ持ち(Fingertip Grip):
- 手のひらをマウスに一切つけず、指先のみでマウスを保持・操作するスタイル。
- 可動域が最も広く、指先での微調整や超高速フリックを得意とします。
- マウスの軽量性が最も活かされる持ち方ですが、安定させるには慣れが必要です。
あなたの持ち方はどれに近いでしょうか? この「形状」と「持ち方」の相性が、マウス選びの成否を分けるのです。それでは、この基礎知識を念頭に、いよいよ両モデルの深掘りを始めましょう。
第2章:神速のシンメトリー – Glorious Model O 詳細レビュー
まずは、Gloriousの名を世界に轟かせた最初のモデル、「Model O」から見ていきましょう。
コンセプトとデザイン哲学
Model Oは「パフォーマンス至上主義の左右対称マウス」という思想のもとに開発されました。その象徴が、今や軽量マウスの代名詞となったハニカムシェル構造です。
肉抜きされたデザインは、単に奇抜さを狙ったものではありません。強度を保ちつつ極限まで贅肉を削ぎ落とし、圧倒的な軽量化を実現するための機能美です。この軽さは、マウス操作における慣性を低減させ、より少ない力で、より速く、より正確にマウスを動かすことを可能にします。特に、一瞬の反応が勝敗を分けるFPSゲームにおいて、その恩恵は計り知れません。
また、ハニカム構造は通気性にも優れ、長時間のプレイで手に汗をかきやすいプレイヤーにとっては、蒸れを軽減してくれるという副次的なメリットもあります。
デザイン面では、側面に走るRGBストリップと、内部に搭載されたDPIインジケーターLEDがゲーミングデバイスとしての個性を主張します。Glorious Coreソフトウェアを使えば、ライティングを自分好みにカスタマイズすることも可能です。
形状とグリップスタイルとの相性
Model Oの核心は、そのフラットで癖のない左右対称形状にあります。
- 全長: 128mm
- 幅(グリップ部): 約61mm
- 高さ(最高部): 37.5mm
この形状は、特定の持ち方を強制するのではなく、プレイヤーの指先の自由度を最大限に尊重する設計です。マウス中央のコブ(ハンプ)は低めに設計されており、手のひらへの干渉が少ないため、特に以下のグリップスタイルとの相性に優れます。
-
つまみ持ち (Fingertip Grip):
- 最適解の一つ。 Model Oの低背フォルムと軽量性は、指先だけでマウスを操るつまみ持ちにとって最高の環境を提供します。マウスが手のひらに触れないため、前後左右への可動域が広く、精密な微調整が極めて容易になります。手の小さい方や、よりアグレッシブなつまみ持ちをしたい方には、小型版の「Model O- (マイナス)」がさらに完璧にフィットするでしょう。
-
つかみ持ち (Claw Grip):
- 非常に相性が良い。 指を立ててマウスを掴む際、左右対称のストレートな側面が指を置く位置の自由度を高めます。薬指と小指を好きな位置に配置し、自分だけの最適なグリップを見つけることができます。手のひら後部で安定させつつ、指先でフリックするようなハイブリッドな操作に最適です。
-
かぶせ持ち (Palm Grip):
- 不可能ではないが、最適ではない。 手のひら全体を乗せることはできますが、エルゴノミクス形状のマウスと比べると、手のひら(特に右側)へのサポートが不足します。薬指と小指の収まりが悪く、長時間の使用では少し窮屈に感じたり、安定感に欠けると感じる可能性があります。
スペックとパフォーマンス
Model Oは、その見た目だけでなく、内部のスペックも一級品です。
- センサー:
- 有線版: Pixart PMW3360
- 無線版: Glorious独自開発のBAMFセンサー
- どちらも現行のトップティアセンサーであり、ピクセル単位の正確なトラッキング、高速なフリックへの追従性、スピンアウト(カーソルが飛ぶ現象)への耐性など、競技シーンで求められる性能を完全に満たしています。体感できる性能差はまずありません。
- スイッチ:
- 初期モデルはOmron製でしたが、現行モデルではよりクリック感の評価が高いKailh製スイッチ(GM 4.0やGM 8.0など)が採用される傾向にあります。軽快かつ歯切れの良いクリック感が特徴で、連打もしやすいです。
- 重量:
- Model O (通常版): 約67g (Matte) / 68g (Glossy)
- Model O- (小型版): 約58g (Matte) / 59g (Glossy)
- この驚異的な軽さが、Model Oのアイデンティティです。
- ケーブル (有線版):
- “Ascended Cable” と名付けられた、非常に柔らかくしなやかなパラコードケーブルを採用。まるで無線マウスかのような錯覚を覚えるほど操作の妨げにならず、ケーブルの抵抗感をほとんど感じさせません。
- マウスソール:
- “G-Skates” という、純度100%のPTFE(テフロン)製ソールを標準装備。エッジが丸められており、箱から出した瞬間から滑らかで引っかかりのない滑走感を提供します。
Model Oが輝く瞬間 – こんなあなたにオススメ!
- つまみ持ち、またはつかみ持ちがメインのプレイヤー
- 左右対称マウスに慣れ親しんでいる、または好むプレイヤー
- VALORANT, CS:GO, Apex Legendsなど、素早いフリックエイムや視点移動が勝敗を左右するゲームを主戦場とするプレイヤー
- 指先の感覚を最大限に活かした、自由度の高いエイムスタイルを追求したいプレイヤー
- 過去にZowie FKシリーズやRazer Viperシリーズなどを愛用していたプレイヤー
Model Oは、あなたの指先を解放し、これまでにないスピードと精度をもたらす可能性を秘めた一品です。
第3章:至高のフィット感 – Glorious Model D 詳細レビュー
次に、Model Oの成功を受けてリリースされた、もう一つの傑作「Model D」を解き明かしていきます。
コンセプトとデザイン哲学
Model Dの設計思想は「究極の快適性と安定性を備えた軽量エルゴノミクスマウス」です。その形状は、ゲーミングマウスの歴史に燦然と輝く伝説的なエルゴノミクスマウス、特にZOWIEのECシリーズやRazerのDeathAdderシリーズから強いインスピレーションを受けています。
Gloriousは、これらの名機の「黄金比」とも言える形状をリスペクトしつつ、独自のハニカムシェル構造を融合させることで、「超軽量でありながら、手に吸い付くようなフィット感」という、これまで両立が難しかった二つの要素を高いレベルで実現しました。
デザインはModel Oと多くの要素を共有しています。ハニカムシェル、RGBライティング、高品質な内部パーツなど、Gloriousの哲学は一貫しています。しかし、その右手用に最適化された非対称のフォルムが、全く異なる使用感を生み出します。
形状とグリップスタイルとの相性
Model Dの真価は、計算し尽くされた右手用エルゴノミクス形状にあります。
- 全長: 128mm
- 幅(グリップ部): 約63mm
- 高さ(最高部): 42mm
Model Oと比較すると、全長は同じですが、高さが約4.5mm高く、背中のコブ(ハンプ)が左側に少し寄せられています。この違いが、劇的なフィット感の差を生み出します。
-
かぶせ持ち (Palm Grip):
- これ以上ないほど最適。 Model Dは、まさにかぶせ持ちのために生まれてきたマウスと言っても過言ではありません。高く、丸みを帯びた背中は手のひらを優しく、しかし確実に支えてくれます。左から右へとなだらかに下っていく傾斜は、指を自然な位置へと導き、右側面のくびれは薬指と小指に完璧な居場所を提供します。長時間のプレイでも手首や指への負担が少なく、リラックスした状態で安定した操作が可能です。
-
つかみ持ち (Claw Grip):
- 非常に相性が良い。 かぶせ持ちほどべったりは乗せなくとも、手のひら後部をマウスの豊かなふくらみでしっかりと支えることができます。これにより、指先での操作(フリック)と、手首を使った滑らかな操作(トラッキング)の両方で高い安定性を得られます。左右対称マウスのつかみ持ちよりも、よりリラックスしたグリップを好むプレイヤーにマッチします。
-
つまみ持ち (Fingertip Grip):
- 不向きではないが、推奨はしない。 指先だけで操作しようとすると、Model Dの豊かなボリューム感がやや持て余し気味になる可能性があります。特に、非対称形状による重心の偏りは、純粋なつまみ持ちではコントロールが難しく感じられるかもしれません。もしエルゴ形状でつまみ持ちをしたいのであれば、小型版の「Model D- (マイナス)」を試す価値はありますが、基本的にはModel O/O-の方が適しています。
スペックとパフォーマンス
Model Dの内部スペックは、基本的にModel Oと共通です。これは、ユーザーが純粋に「形状」だけでモデルを選べるようにという、Gloriousの賢明な配慮と言えるでしょう。
- センサー: Pixart PMW3360 (有線) / BAMFセンサー (無線)
- スイッチ: Kailh製スイッチ
- ケーブル (有線版): Ascended Cable
- マウスソール: G-Skates
ここでの特筆すべきは重量です。
- Model D (通常版): 約68g (Matte) / 69g (Glossy)
- Model D- (小型版): 約61g (Matte) / 62g (Glossy)
Model Oよりわずか1g重いだけです。このわずかな重量増で、エルゴノミクス形状がもたらす圧倒的な安定性と快適性が手に入るのであれば、トレードオフとしては非常に魅力的と言えるでしょう。
Model Dが輝く瞬間 – こんなあなたにオススメ!
- かぶせ持ちがメインのプレイヤー、または安定感のあるつかみ持ちを好むプレイヤー
- 長時間のゲームプレイにおける快適性や疲労軽減を最優先したいプレイヤー
- Apex Legends, Call of Duty, Overwatchなど、敵を追い続けるトラッキングエイムの重要性が高いゲームをプレイするプレイヤー
- 手のひらでマウスをしっかり固定し、安定したエイムを求めるプレイヤー
- 過去にRazer DeathAdderシリーズやZOWIE ECシリーズ、Logicool G403/G703などを愛用していたプレイヤー
Model Dは、あなたの右手に完璧に寄り添い、長時間の激戦を戦い抜くための揺るぎない土台となるマウスです。
第4章:頂上決戦 – Model O vs Model D 徹底直接比較
さて、両モデルの個性を理解したところで、いよいよ直接対決です。ここでは7つの項目で両者を比較し、その違いをさらに浮き彫りにしていきます。
1. 【最重要】形状とエルゴノミクス:自由度のOか、フィット感のDか
これが全ての結論と言っても過言ではありません。
-
Model O (左右対称):
- 特徴: 低背、フラット、ストレートな側面。
- 感覚: 手のひらへの干渉が少なく、指先が解放された感覚。マウスを「つまんで動かす」イメージ。
- メリット: 指を置く位置の自由度が高い。前後左右への素早い微調整がしやすい。
- デメリット: 手のひらへのサポートが弱いため、安定感に欠けると感じる場合がある。
-
Model D (右手用エルゴ):
- 特徴: 高背、左から右への傾斜、丸みを帯びたフォルム。
- 感覚: 手のひら全体がマウスに吸い付き、手とマウスが一体化する感覚。マウスを「包み込んで動かす」イメージ。
- メリット: 圧倒的なフィット感と安定性。長時間の使用でも疲れにくい。
- デメリット: 形状が固定的なため、指の位置の自由度は低い。
結論: あなたがマウスに求めるものが「指先の自由度と機敏さ」ならModel O、「手のひらとの一体感と安定性」ならModel Dが、あなたのためのマウスです。
2. グリップスタイルとの相性:あなたの持ち方が答えを示す
第1章で解説したグリップスタイルと、両モデルの相性を改めて整理します。
グリップスタイル | Model O | Model D | 判定 |
---|---|---|---|
かぶせ持ち | △ (可能だが不安定) | ◎ (最適) | Model Dの圧勝 |
つかみ持ち | ○ (自由度が高い) | ○ (安定性が高い) | 好みが分かれる |
つまみ持ち | ◎ (最適) | △ (持て余し気味) | Model Oの圧勝 |
- かぶせ持ちのあなたへ: 迷う必要はありません。Model Dを選びましょう。その快適性は、一度味わうと元には戻れないかもしれません。
- つまみ持ちのあなたへ: あなたのポテンシャルを最大限に引き出すのはModel Oです。特に小型のO-は、つまみ持ちの究極形とも言える操作感を提供します。
- つかみ持ちのあなたへ: ここが最も悩ましいポイントです。
- よりアグレッシブに、指先を多用してフリックを多用するならModel O。
- 手のひら後部で安定させ、トラッキングとフリックをバランス良くこなしたいならModel D。
- これは優劣ではなく「スタイルの違い」です。あなたがどちらの感覚を心地よいと感じるかで決まります。
3. サイズと重量感:数値以上の体感差
寸法比較:
モデル | 全長 | 幅 (グリップ部) | 高さ | 重量 (Matte) |
---|---|---|---|---|
Model O | 128 mm | ~61 mm | 37.5 mm | 67 g |
Model D | 128 mm | ~63 mm | 42.0 mm | 68 g |
Model O- | 120 mm | ~58 mm | 36.0 mm | 58 g |
Model D- | 120 mm | ~61 mm | 40.0 mm | 61 g |
数値上、重量差はわずか1〜3gです。しかし、体感的な差はそれ以上にあります。その理由は「高さ」と「ボリューム」です。
Model Dは背が高く、全体的に丸みを帯びているため、手に持った時に「中身が詰まっている」ような、より存在感のある握り心地がします。一方、Model Oはフラットで低いため、より「軽く、スリム」に感じられます。
どちらが良いというわけではなく、これも好みの問題です。「しっかりとした握り心地」を求めるならD、「軽快でエアリーな操作感」を求めるならOがしっくりくるでしょう。
4. ゲームパフォーマンス:フリックのO、トラッキングのD
これは一般論であり、絶対ではありませんが、形状の違いは得意なエイムの種類に影響を与える傾向があります。
-
Model O (フリックエイム):
- 指先の自由度が高く、左右対称であるため、水平方向への素早いフリックが非常にやりやすいです。VALORANTやCS:GOで、敵が飛び出してきた瞬間にヘッドショットを狙うような、瞬間的なエイム精度が求められる場面で強みを発揮します。
-
Model D (トラッキングエイム):
- 手のひらでマウスを安定させられるため、Apex LegendsやCall of Dutyで、動き回る敵を滑らかに追い続けるようなトラッキングエイムが得意です。手首を支点にした安定した動きは、リコイルコントロール(射撃時の反動制御)にも有利に働くことがあります。
もちろん、Model Oで完璧なトラッキングを行うプロもいれば、Model Dで神がかったフリックを決めるプレイヤーもいます。あくまで「どちらの形状が、どちらの動作をサポートしやすいか」という傾向として捉えてください。
5. ボタンの感触:微妙だが確かな違い
メインボタン(左右クリック)とサイドボタンにも、形状に起因する微妙な差があります。
-
メインボタン:
- Model Oは比較的フラットですが、Model Dは指の形に合わせて少し窪んでいます。この窪みのおかげで、Model Dの方が指が自然に収まり、クリックしやすいと感じる人が多いです。クリック感自体は同じスイッチを使っていても、この形状の違いで感触が変わることがあります。
-
サイドボタン:
- Model Dのサイドボタンは、Model Oのものよりも大きく、少し出っ張っています。そのため、親指でよりアクセスしやすく、押し間違いが少ないという評価が一般的です。ゲーム内でサイドボタンを多用するプレイヤーにとっては、Model Dのこの設計は明確なメリットになるでしょう。
6. ソフトウェアとカスタマイズ性:完全なる引き分け
両モデルとも、統合ソフトウェア「Glorious Core」に対応しています。このソフトウェアで設定できる項目は、両モデルで全く同じです。
- DPI設定(最大19,000 DPI)
- ポーリングレート(125〜1000 Hz)
- リフトオフディスタンス(LOD)調整
- ボタンの機能割り当て(マクロ設定も可能)
- RGBライティングのカスタマイズ
したがって、ソフトウェアやカスタマイズ性の観点では、両者に優劣はありません。
7. バリエーションの選択肢:あなたに最適なサイズと接続方法は?
Model OとDは、それぞれ4つのバリエーションを持っています。
- 通常サイズ・有線 (Model O / Model D)
- 小型サイズ・有線 (Model O- / Model D-)
- 通常サイズ・無線 (Model O Wireless / Model D Wireless)
-
小型サイズ・無線 (Model O- Wireless / Model D- Wireless)
-
サイズ選び:
- 手の大きさ(手首の付け根から中指の先まで)が18.5cmを基準に、それ以上なら通常サイズ、それ以下なら小型の「-(マイナス)」モデルを検討するのが一般的です。ただし、グリップスタイルにもよるので、つかみ持ちやつまみ持ちで、より軽快さを求めるなら大きい手の人でも「-」モデルを選ぶことがあります。
-
有線 vs 無線:
- 無線 (Wireless): ケーブルの煩わしさから完全に解放されます。現代の無線技術は遅延を全く感じさせず、プロシーンでも主流です。価格は高くなり、充電の手間はありますが、最高の自由度を求めるなら無線一択です。
- 有線 (Wired): GloriousのAscended Cableは非常に優秀で、有線でもストレスは最小限です。少しでも安価に手に入れたい、バッテリー管理が面倒、という方には有線モデルがおすすめです。
この選択肢はOとDで共通なので、まずは「OかDか」を決め、次に「サイズ」と「接続方法」を決める、というステップで考えましょう。
第5章:最終結論 – あなたのための選択ガイド
長旅もいよいよ終わりです。これまでの情報を基に、あなたがどちらを選ぶべきか、最終的な結論を導き出しましょう。以下の質問に答えていくだけで、あなたのためのモデルが見つかります。
【STEP 1】あなたの「グリップスタイル」は?
-
「かぶせ持ち」がメインだ。
- → 結論: Model D
- 理由: あなたの手に最高の快適性と安定性をもたらします。迷う必要はありません。
-
「つまみ持ち」がメインだ。
- → 結論: Model O
- 理由: あなたの指先のポテンシャルを100%引き出します。特に小型のO-は最高の相棒になるでしょう。
-
「つかみ持ち」だ。
- → STEP 2へ進んでください。
【STEP 2】(つかみ持ちの方へ) あなたが重視するのはどっち?
-
A: 指先の自由度と、左右への素早い動き(フリック)のしやすさ。
- → 結論: Model O
- 理由: 左右対称形状が、あなたのアグレッシブなエイムスタイルをサポートします。
-
B: 手のひら後部の安定感と、長時間の快適性。
- → 結論: Model D
- 理由: エルゴ形状がもたらす安定感が、あなたのエイムを盤石なものにします。
【STEP 3】過去の「愛用マウス」は?(最終確認)
-
Zowie FK, Razer Viper, Logicool G Pro/G Pro X などを好んで使っていた。
- → あなたは左右対称マウスとの相性が良い可能性が高いです。Model Oが有力候補です。
-
Zowie EC, Razer DeathAdder, Logicool G403/G703 などを好んで使っていた。
- → あなたはエルゴノミクスマウスとの相性が良い可能性が高いです。Model Dが有力候補です。
【STEP 4】「サイズ」と「接続方法」を決める
- 手の大きさは?
- 18.5cm以上 → 通常サイズ (O or D)
- 18.5cm未満 → 小型サイズ (O- or D-)
- 予算と好みは?
- 最高の自由度が欲しい → Wireless版
- コスパと手軽さ重視 → 有線版
まとめ:形状こそがすべて
Glorious Model OとModel D。この二つの傑作マウスを分けるものは、センサーでも、スイッチでも、ソフトウェアでもありません。それは、あなたの手に直接触れる「形状」ただ一つです。
-
Glorious Model Oは、スピードと自由度を司る、鋭い剣のような存在です。つまみ持ちやつかみ持ちと融合し、指先の感覚を研ぎ澄ませ、敵を一瞬で切り裂くフリックエイムを可能にします。
-
Glorious Model Dは、安定性と快適性を司る、揺るぎない盾のような存在です。かぶせ持ちやつかみ持ちと融合し、あなたの手を優しく包み込み、長時間の戦闘でもブレない安定したエイムの土台となります。
この記事が、あなたのゲーミングライフをさらに輝かせるための、最高の相棒選びの一助となったなら幸いです。最終的には、あなたの直感が最も重要です。あなたが「これだ!」と感じたマウスこそが、あなたにとっての正解なのですから。
さあ、あなたの手に勝利の女神を宿らせましょう。Good luck, have fun