作例で見るFE 20-70mm F4 Gの実力|風景からポートレートまでこの一本で
はじめに:標準ズームの”常識”を覆す一本
レンズ交換式カメラの最大の魅力は、撮影シーンや表現したい世界観に合わせてレンズを交換できることにある。広大な風景を写し撮るための広角レンズ、見たままの自然な視野で日常を切り取る標準レンズ、遠くの被写体をぐっと引き寄せる望遠レンズ、そして被写体を美しく際立たせる大口径の単焦点レンズ。これらのレンズを使い分けることで、写真表現の幅は無限に広がっていく。
しかし、その一方で「レンズ交換の手間」や「複数のレンズを持ち運ぶ重さ」は、多くのフォトグラファーが抱える悩みの種でもある。特に旅行や登山、あるいは軽快なフットワークが求められるスナップ撮影において、「できることならレンズ一本で済ませたい」と感じる瞬間は少なくないだろう。
そんなニーズに応えるべく、各メーカーは「標準ズームレンズ」と呼ばれる便利なレンズをラインナップしてきた。その多くは、広角側の24mmから中望遠の70mmや105mmまでをカバーし、風景からスナップ、ポートレートまで幅広いシーンに対応できる万能選手として愛用されてきた。
しかし、ソニーが2023年に市場に投入した一本のレンズは、我々が抱いていた「標準ズーム」の常識を根底から覆す、まさにエポックメイキングな存在だった。それが、今回徹底的に解説する「FE 20-70mm F4 G (SEL2070G)」である。
このレンズの最大の特徴は、その焦点距離にある。従来の標準ズームが24mmから始まるのに対し、本レンズは超広角域の20mmからスタートするのだ。たった4mmの違い、と侮ってはいけない。この4mmがもたらす視野の広がりは、風景写真のダイナミズムを劇的に変え、Vlog(ビデオブログ)における自撮りの快適性を飛躍的に向上させ、狭い室内での撮影に圧倒的な自由度をもたらす。
この記事では、FE 20-70mm F4 Gがなぜ「標準ズームの新たなスタンダード」とまで呼ばれるのか、その理由をスペックの解説から、風景、スナップ、ポートレート、そして動画といった多様なシーンにおける仮想作例を通して、余すところなく解き明かしていく。このレンズ一本が、あなたの写真・映像ライフをいかに豊かに、そして身軽にしてくれるのか。その実力をぜひ、その目で確かめていただきたい。
FE 20-70mm F4 Gの概要と驚くべきスペック
まずは、このレンズがどのような性能を秘めているのか、そのスペックと特徴を詳しく見ていこう。数値だけを見ても、このレンズの非凡さが伝わってくるはずだ。
主な仕様
項目 | スペック |
---|---|
型名 | SEL2070G |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 20-70mm |
開放絞り | F4 |
最小絞り | F22 |
レンズ構成 | 13群16枚 |
特殊レンズ | 高度非球面AAレンズ2枚, 非球面レンズ1枚, ED非球面レンズ1枚, EDガラス3枚 |
コーティング | フッ素コーティング, ナノARコーティングII |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.3m (W) – 0.25m (T) (AF時) / 0.25m (MF時) |
最大撮影倍率 | 0.39倍 |
フィルター径 | ø72mm |
手ブレ補正 | – (ボディ内手ブレ補正と協調) |
外形寸法(最大径×長さ) | 78.7 x 99 mm |
質量 | 約488g |
その他 | 絞りリング、アイリスロックスイッチ、AF/MFスイッチ、フォーカスホールドボタン×2、ズームリング、フォーカスリング、防塵防滴に配慮した設計 |
1. 革新的なズームレンジ:20mmから始まる世界
最大の注目点である焦点距離。広角端20mmは、従来の標準ズーム(24-70mm)とは比較にならないほどの広い画角を提供する。これにより、
* 風景写真: より広大な景色を一枚に収め、パースペクティブ(遠近感)を強調したダイナミックな表現が可能になる。
* 建築写真: 高い建物を見上げても全体をフレームに収めやすく、狭い室内でも空間の広がりを表現できる。
* Vlog・自撮り: 腕を伸ばして撮影するだけで、自分の顔だけでなく背景の景色までもしっかりと映し込むことができる。これはVloggerにとって革命的な利便性だ。
望遠端は70mmと標準的だが、スナップやポートレートで被写体を切り取るには十分な画角だ。この「20-70mm」という一本で、これまで広角ズームと標準ズームの二本持ちが必要だったシーンの多くをカバーできてしまうのだ。
2. Gレンズクオリティの卓越した描写性能
ソニーのレンズには、最高峰の「G Master (GM)」、高性能な「G」、そして標準の無印というランクが存在する。本レンズは「G」の名を冠しており、その名に恥じない高い描写性能を誇る。
レンズ構成は13群16枚。その中には、ソニーの光学技術の粋を集めた特殊レンズが惜しげもなく投入されている。製造が難しい高度非球面AA(advanced aspherical)レンズを2枚、非球面レンズを1枚、さらにED(特殊低分散)ガラスを3枚、そしてED非球面レンズを1枚採用。これらの特殊硝材が、ズーム全域で画面の中心から周辺まで高い解像力を実現し、広角レンズで問題になりやすい歪曲収差や、色にじみの原因となる色収差を効果的に抑制している。
絞り羽根は9枚の円形絞りを採用。これにより、点光源を美しく丸い玉ボケとして描写し、ポートレートの背景など、滑らかで自然なボケ味を生み出す。
3. 俊敏かつ静粛なAF性能
オートフォーカス(AF)の駆動には、ソニー最先端のXD(extreme dynamic)リニアモーターを2基搭載している。これはフラッグシップであるG Masterレンズにも採用される技術であり、大口径レンズの重いフォーカス群をも高速・高精度・静粛に駆動させることができる。
FE 20-70mm F4 Gでは、このXDリニアモーターの恩恵により、静止画撮影ではソニーαシリーズのリアルタイムトラッキングや瞳AFの性能を最大限に引き出し、動き回る被写体にも瞬時にピントを合わせ続ける。動画撮影においても、その静粛性と滑らかなピント移動は大きな武器となる。マイクがAFの駆動音を拾ってしまう心配が少なく、プロクオリティの映像制作にも応えるポテンシャルを秘めている。
4. 動画クリエイターのための最適設計
このレンズは、静止画だけでなく動画撮影を強く意識して設計されている。
* フォーカスブリージングの抑制: ピントを前景から後景へ移動させた際に、画角がわずかに変動する現象を「フォーカスブリージング」と呼ぶ。本レンズはこのブリージングが極めて少なくなるよう光学的に設計されており、シネマティックな映像表現の邪魔をしない。対応するαボディと組み合わせれば、カメラ側のブリージング補正機能も利用可能だ。
* 重心変動の抑制: ズーミングやフォーカシングを行ってもレンズの全長が変わらないインターナルズーム・インターナルフォーカス方式を採用。これにより、ジンバルやスタビライザーに乗せた際のバランスが崩れにくく、スムーズなカメラワークを実現する。
* アクティブモード対応: ソニーの強力な電子式手ブレ補正「アクティブモード」使用時にも、20mmという広角を活かして広い画角を維持できる。歩きながらの撮影でも、安定した滑らかな映像を記録可能だ。
5. 驚異的な小型・軽量設計
これだけの高性能と広いズームレンジを詰め込みながら、質量は約488gという驚異的な軽さを実現している。これは、一般的な24-70mm F4クラスのレンズと同等か、それ以上に軽い。
例えば、ソニーのかつての標準ズーム「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」は約426gと若干軽いが、20mmの広角と最新の光学性能・AF性能は持たない。「FE 24-105mm F4 G OSS」は約663gであり、比較すると約175gも軽い。
この軽さは、携行性において絶大なアドバンテージとなる。カメラバッグのスペースを圧迫せず、長時間の撮影でも首や肩への負担が少ない。まさに「常時カメラに装着しておきたい一本」と言えるだろう。
【作例で見る】シーン別徹底レビュー
スペックがいかに優れていても、肝心なのは実際の写りだ。ここからは、風景、スナップ、ポートレート、物撮り、そして動画という5つのシーンを想定し、このレンズがどのような画を描き出すのか、仮想の作例を通してその実力に迫っていこう。
シーン1:風景写真 ― 雄大な自然を捉える力
風景写真において、FE 20-70mm F4 Gはまさに水を得た魚だ。広角から中望遠までを一本でこなし、刻一刻と変わる光や構図に即座に対応できる。
《作例1:夜明けの山岳風景》
* 設定: 焦点距離20mm, F11, ISO 100, SS 1/15秒, 三脚使用
* 解説: 目の前に広がる雄大な山脈と、朝日で赤く染まり始めた雲海。これを一枚の写真に収めるために、広角端の20mmを選択。手前の岩肌から、中景の雲海、そして遠景の山々の稜線まで、すべてにピントが合ったパンフォーカスな表現を狙い、F11まで絞り込む。
ここで注目すべきは、画面の隅々まで破綻のない解像感だ。Gレンズに搭載された高度非球面AAレンズとEDガラスが、広角端で発生しがちな像の流れや色収差を徹底的に抑制。拡大して見ると、手前の岩のザラザラとした質感、遠くの木々の一本一本までが克明に描写されているのがわかるだろう。24mmでは収まりきらなかったであろう、空の広がりと大地との対比が、写真に圧倒的なスケール感を与えている。
《作例2:渓流と太陽》
* 設定: 焦点距離28mm, F16, ISO 100, SS 2秒, NDフィルター・三脚使用
* 解説: 森の中の渓流。木々の間から差し込む強い太陽の光を構図に入れつつ、水の流れをシルクのように滑らかに表現する。このような逆光シーンでは、レンズのコーティング性能が試される。FE 20-70mm F4 Gに施された「ナノARコーティングII」は、強い光がレンズ内に入射した際に発生するフレアやゴーストを効果的に抑制する。
作例では、太陽を直接フレームインさせているにも関わらず、ゴーストの発生は最小限に抑えられ、画面全体のコントラストも高く維持されている。また、F16まで絞り込むことで、太陽の光芒がシャープに描き出され、幻想的な雰囲気を高めている。水の流れも白飛びすることなく、豊かな階調で表現できているのは、レンズの高い光学性能とカメラのダイナミックレンジが両立してこそだ。
《作例3:望遠で切り取る雪山のディテール》
* 設定: 焦点距離70mm, F8, ISO 200, SS 1/500秒
* 解説: 広角だけでなく、望遠端の実力も見てみよう。遠くに見える雪山の、風によってできた美しい風紋(シュカブラ)を切り取る。望遠レンズの圧縮効果により、山肌の凹凸が強調され、肉眼で見るのとはまた違った迫力が生まれる。
70mmの望遠端でも、その解像力は全く衰えない。雪面のきめ細かなディテール、岩肌の険しさが見事に再現されている。風景の一部を意図的に切り取ることで、鑑賞者の視線を主題に集中させ、よりメッセージ性の強い作品に仕上げることができる。このレンズ一本あれば、「引いて全体を見せる」ことも「寄って細部を魅せる」ことも自由自在だ。
シーン2:スナップ・ストリートフォト ― 街の息遣いを捉える
軽快さが求められるスナップ撮影において、約488gというこのレンズの軽さは最大の武器となる。カメラを構える億劫さがなくなり、街中で心惹かれた瞬間を逃さず切り取ることができる。
《作例4:雑踏の交差点》
* 設定: 焦点距離20mm, F8, ISO 400, SS 1/250秒
* 解説: 多くの人々が行き交う都市の交差点。そのエネルギーを表現するために、広角端20mmでローアングルから見上げるように構図を決める。パースが強調され、周囲のビル群が内側に倒れ込むように写り、中心にいる人物(例えば信号待ちの女性)を際立たせる効果が生まれる。
XDリニアモーターによる高速AFが、行き交う人々の中から狙った人物の顔を瞬時に捉え、シャッターチャンスを逃さない。広角レンズは被写界深度が深くなるため、F8程度に絞れば、手前から奥までピントが合った「パンフォーカススナップ」が容易に撮影でき、街全体の空気感を伝えることができる。
《作例5:路地裏の猫》
* 設定: 焦点距離70mm, F4, ISO 800, SS 1/200秒
* 解説: 薄暗い路地裏で、こちらを警戒している猫を発見。近づくと逃げられてしまうため、少し離れた場所から望遠端70mmで狙う。開放F4で撮影することで、背景の雑多な看板や壁を適度にぼかし、猫の存在を浮かび上がらせる。
ここで活きてくるのが、ソニーαの動物対応リアルタイム瞳AFと、それを正確に駆動させるレンズのAF性能だ。ファインダーを覗きながらシャッターボタンを半押しするだけで、カメラが自動で猫の瞳にピントを合わせ続けてくれる。あとは構図とタイミングに集中するだけ。Gレンズならではの自然で柔らかいボケ味が、硬質な路地裏の雰囲気と、猫の毛のふわふわとした質感の対比を美しく描き出す。
シーン3:ポートレート ― 人物の魅力を引き出す
F4という絞り値から「ポートレートには不向きでは?」と思うかもしれないが、それは早計だ。このレンズは、ポートレート撮影においても非常に優れたパフォーマンスを発揮する。
《作例6:背景を活かした環境ポートレート》
* 設定: 焦点距離24mm, F4, ISO 100, SS 1/400秒
* 解説: カフェのテラス席でくつろぐモデルを撮影。背景の街並みやカフェの雰囲気も写真の重要な要素となるため、広角寄りの24mmを選択。モデルを画面の少し端に配置し、空間の広がりを感じさせる構図にする。
広角で人物を撮ると顔や体が歪んで不自然になりがちだが、本レンズは歪曲収差が非常によく補正されているため、画面周辺に人物を配置しても自然なプロポーションを保つことができる。開放F4でも、被写体と背景の距離を適切に取れば、背景は程よくボケて主役のモデルを引き立ててくれる。瞳AFとの連携は完璧で、モデルが少し動いたり表情を変えたりしても、ピントは常に瞳に吸い付くように追従する。
《作例7:望遠端で撮るクラシカルなポートレート》
* 設定: 焦点距離70mm, F4, ISO 100, SS 1/250秒
* 解説: 公園の木陰で、モデルの上半身を切り取る王道のポートレート。望遠端70mmで撮影することで、背景がぐっと圧縮され、整理される。開放F4で撮影すれば、背景の木漏れ日が見事な玉ボケとなり、モデルを優しく包み込む。
このレンズのボケ味は、単にボケるだけではない。Gレンズらしく、輪郭が硬くならず、二線ボケのようなうるさいボケも発生しにくい、非常に滑らかで美しいボケが特徴だ。ピントが合っている瞳のシャープな描写と、その前後でとろけるようにボケていく髪や背景との対比が、写真に立体感と奥行きを与える。肌のトーンも非常に自然で、階調豊かに再現されている。F2.8のGMレンズほどの強烈なボケ量はないが、被写体の存在感を際立たせるには十分すぎるほど美しく、上品な描写だ。
シーン4:テーブルフォト・物撮り ― 驚異の近接撮影能力
このレンズの隠れた、しかし非常に強力な武器が「近接撮影能力の高さ」だ。
《作例8:カフェのラテアート》
* 設定: 焦点距離70mm (MF), F5.6, ISO 400, SS 1/125秒
* 解説: カフェで出てきた美しいラテアート。これを大きく写したい。FE 20-70mm F4 Gは、マニュアルフォーカス(MF)に設定すると、ズーム全域で最短撮影距離が0.25m(25cm)になる。特に望遠端70mmで25cmまで寄れるのは驚異的で、最大撮影倍率は0.39倍に達する。これは、もはやハーフマクロレンズに匹敵する性能だ。
作例では、カップの縁ギリギリまで寄り、ラテアートの繊細な模様を画面いっぱいに捉える。F5.6まで少し絞ることで、ピント面のシャープさと適度なボケを両立。泡のクリーミーな質感までも見事に描写している。料理やスイーツ、花、小物など、日常のふとした被写体を印象的な作品に変える力がこのレンズにはある。
シーン5:動画(Vlog)― クリエイターの最強の相棒
最後に、動画クリエイターにとってこのレンズがいかに魅力的かを解説する。
《作例9:街歩きVlog》
* 設定: 焦点距離20mm, F4, 4K 30p, 手ブレ補正アクティブモード
* 解説: Vloggerがカメラを自分に向け、街を歩きながらレポートするシーンを想像してほしい。従来の24mmのレンズでは、腕をかなり伸ばさないと自分の顔がアップになりすぎ、背景もあまり映らなかった。しかし、20mmの画角があれば、自然に腕を伸ばすだけで、自分の顔と背景の景色がバランス良く収まる。視聴者は、Vloggerが今どこにいて何を見ているのかを容易に理解できる。
さらに、ソニーαの手ブレ補正「アクティブモード」をONにすれば、歩行によるブレが効果的に吸収され、まるでジンバルを使っているかのように滑らかな映像が撮れる。アクティブモードは画角が少しクロップされるが、元が20mmと広角なため、クロップ後も十分な広さを確保できるのが大きなメリットだ。軽量なため、長時間の自撮り撮影でも腕が疲れにくいのも嬉しいポイントだ。
《作例10:製品レビュー動画》
* 解説: 新製品をレビューする動画で、手元の製品にピントを合わせた後、自分の顔にピントを戻すシーン。ここで、フォーカスブリージングが抑制されていることの恩恵が最大限に発揮される。ピント位置が移動しても画角がカクカクと変動しないため、視聴者はストレスなく映像に集中できる。
また、絞りリングが搭載されているため、動画撮影中にシームレスに被写界深度をコントロールすることも可能だ。クリック感をなくす「デクリック機構」も備わっており、操作音を拾うことなく滑らかな絞り操作が行える。まさに、現代の動画クリエイションのニーズに完全に応えた一本と言えるだろう。
他のレンズとの比較:あなたに最適な一本は?
FE 20-70mm F4 Gが非常に魅力的なレンズであることは間違いない。しかし、ソニーEマウントには他にも優れた標準ズームが存在する。ここでは代表的な2本と比較し、どのようなユーザーにどのレンズが向いているかを考察する。
vs FE 24-70mm F2.8 GM II
- FE 20-70mm F4 Gが優れる点: 広角20mm、小型軽量(488g vs 695g)、価格、驚異的な近接撮影能力。
- GM IIが優れる点: F2.8の明るさ、それによる圧倒的なボケ量と暗所性能、最高峰GMレンズならではの究極の解像感とボケの質。
- 選び方のポイント:
- FE 20-70mm F4 Gを選ぶべき人: 風景やVlogがメインで広角側を重視する人。旅行や登山など、機動性を最優先したい人。コストを抑えつつ高い描写性能を求める人。
- GM IIを選ぶべき人: ポートレートやウェディングなど、F2.8の美しいボケが絶対に必要となるプロフェッショナル。暗い室内での撮影が多い人。予算に糸目をつけず、最高の画質を追求する人。
vs FE 24-105mm F4 G OSS
- FE 20-70mm F4 Gが優れる点: 広角20mm、小型軽量(488g vs 663g)、最新の光学設計とAF性能、高い近接撮影能力。
- FE 24-105mm F4 G OSSが優れる点: 105mmまでの望遠域、レンズ内手ブレ補正(OSS)搭載。
- 選び方のポイント:
- FE 20-70mm F4 Gを選ぶべき人: 広角側の表現力を重視する人。動画撮影やVlogを多用する人。とにかくシステム全体を軽くしたい人。
- FE 24-105mm F4 G OSSを選ぶべき人: 運動会やイベントなど、70mm以上の望遠域を多用するシーンが多い人。レンズ内手ブレ補正がない、もしくは性能が低い旧世代のボディを使っている人。「便利さ」を最優先し、望遠側のリーチを重視する人。
まとめ:すべてのクリエイターに贈る、新時代の万能レンズ
ソニー FE 20-70mm F4 Gは、単なる「便利なズームレンズ」という言葉では片付けられない、革新的な一本だ。
超広角20mmから中望遠70mmまでという、これまで誰もが夢見たであろう焦点距離を、わずか488gのコンパクトな筐体に詰め込み、Gレンズの名にふさわしい卓越した描写性能と、最先端のAF性能、そして動画時代に最適化された機能群を搭載した。
このレンズがあれば、広大な風景も、街角の何気ない一瞬も、大切な人の輝く笑顔も、心惹かれる料理や小物も、そして躍動感あふれるVlogも、すべてを高いクオリティで記録することができる。レンズ交換の悩みから解放され、フォトグラファーはより一層、被写体と向き合い、構図と光を捉えることに集中できるだろう。
それは、まるで高性能な単焦点レンズを複数本持ち歩いているかのような描写力を、ズームリングを回すだけで手に入れられる感覚に近い。まさに「標準ズームの新たなスタンダード」であり、静止画・動画を問わず、すべてのクリエイターにとって最強の相棒となりうるポテンシャルを秘めている。
もしあなたが、今使っている標準ズームの広角側に物足りなさを感じているなら。
もしあなたが、旅行や日々の生活で、もっと気軽に、でも妥協なく美しい記録を残したいと願うなら。
もしあなたが、写真も動画も、一本のレンズで最高水準の作品を創り出したいと考えているなら。
このFE 20-70mm F4 Gは、その期待を遥かに超える答えを、あなたに示してくれるはずだ。この一本から始まる新しい撮影体験は、きっとあなたのクリエイティビティを、次のステージへと押し上げてくれるに違いない。